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一貫生産に再度こだわる  2015.06.08






一貫生産に再度こだわる

上釜 健宏 (かみがま・たけひろ) 氏

[TDK社長]


 将来を見据えて工場を建てるなら、中国などよりも

 むしろ日本でやるべきだろうと考えています。

 私の信念は「ロケーションフリー」。

 どこで作っても同じ品質の製品が出来上がるという

 意味ですが、秋田はその中心になります。


 最近、「インダストリー4.0」という単語をよく聞くように

 なりました。ドイツが発祥の言葉で、4回目の産業革命

 を意味します。


 そこで私は「インダストリー4.5」を目指せと提唱して

 います。4.0に加える「0.5」は、TDK独自の品質に対する

 こだわりです。

 品質を重視した工場を造るなら、日本でやった方が目

 が届きやすい。


 安い賃金を求めて動くという感覚は、もう捨てるべき

 でしょうね。市場があるから進出するという戦略が重要

 になると考えています。


 私が社長になってから何度かリストラを実施しましたが、

 結果として全員が萎縮しちゃうんです。赤字部門を切る

 選択をすると、黒字の部門まで引っ張られてしまう。

 ならば、強い部門に「伸びろ、伸びろ」と言い続けた方が

 企業全体にとってメリットがある。

 磁石あるいは磁性製品はTDKの「DNA」です。

 赤字だからといって磁石を捨てたら、当社に何が残る

 のか。

 競合の電子部品メーカーにできないことを考えた結果、

 磁石は絶対にやめないという決断に至りました。

 5月の人事で取締役専務執行役員を磁性製品の専任に

 したのは、私の意志の表れです。


 TDKはもともと一貫生産が得意な会社でした。

 それが、カセットテープが爆発的に売れたことで、

 変な成功体験ができてしまった。

 材料から完成品まで自前で全部やらなくても、

 仕事が何となくできてしまう。

 かなり昔の話ですが、ある意味で「ミーハー」になっちゃっ

 たんですよ。

 自分の手を汚して試作して、足を使って顧客に届ける

 よりも、電話一本で外注業者に依頼する方が格好いい。

 カセットテープがヒットした頃から、社内でそういう雰囲気

 が出始めた。要は「手配師」が増えたんですね。


 自社の不得意な分野を外に任せるのではなく、

 人手が掛かりそうだから、あるいは面倒くさいからという

 理由で、外に業務を投げてしまう。

 そういったことを続けるうちに、業務が細分化されて部分

 最適が進行。社内で一貫してモノ作りをする能力が失われ

 ていった。


 もちろん反省はあります。就任直後は、社長が言っている

 んだから社員は理解していると思い込んでいたのです。

 でもそれは大きな間違いだと、2~3年前に気付きました。

 5年前の年頭所感では「スマートフォンの時代が来る」と

 言いましたし、大量生産からカスタム品へのシフトも強調

 してきました。

 ところが社員は「スマホって何」って感じで、なかなか付いて

 こない。私は裸の王様だったんです。


 TDKは今年、創業80周年を迎えます。100周年に向けて

 成長を加速するには、今から手を打たないと間に合いま

 せん。

 重要になるのが、創業者の精神や行動指針を末端の社員

 まで理解させること。だから私は、漫画家を雇って絵で伝えろ

 と言っているんです。文字だけだと誰も読みませんからね。


 今後、スマホはあらゆるものの「鍵」となります。

 クルマのロックを解除したり、エンジンを起動したりする

 のもスマホ次第。家のドアも、スマホで開閉するように

 なるでしょう。加えてスマホには、持ち主のあらゆる情報が

 格納されるようになる。健康関連の情報はスマホに蓄積され、

 医者にもそうした情報が伝達されます。

 そんな世界が到来したとき、スマホが壊れたらどうなるか。

 人の生き死にに関わる問題を引き起こしかねない。

 だからこそ、電子部品の品質をもう一度問い直す必要があり

 ます。そのためには、自前でやらないと問題点を把握でき

 ません。


 磁性といえばTDKと、世界中で評価されるような会社を目指す

 のが、私の考えです。

 磁石は、技術を持っているからといって必ずもうかるような

 事業ではありません。材料から地道にこつこつ続ける必要も

 ある。

 外部から後ろ指を指されないためには、営業利益率やROE

 (自己資本利益率)で2桁を達成するのが大事になるでしょう。

 世の中から、磁気は決して無くならない。物理の原理原則に

 照らしても明らかです。TDKはやっぱり、ここを大事にして

 いきたいと考えています。
 

  (PP.076-079)




TDK社長 上釜 健宏 氏

TDK社長 上釜 健宏 氏
(『日経ビジネス』 2015.06.08 号 P.077)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.08









キーセンテンスは、

 「磁性といえばTDKと、世界中で評価されるような 
 会社を目指すのが、私の考えです」 
です。

自社の強みはどこなのか? 他社と差別化する技術は何か?
中核となる事業(コア・ビジネス)をしっかり定義することが、
とても重要だ、と考えています。


上釜さんは、好調な現在だからこそ、積極投資し、原点回帰
するタイミング、と述べています。


コスト削減のため、人件費の安い海外生産を行なう企業が
多くありました。ですが、新興国も年々人件費が上昇し、
コスト削減が難しくなってきました。


だからこそ、「ロケーションフリー」という言葉が出てくるのです。


国内であれば目が届きやすく、品質管理がきちんとできる、
と考えているからです。






ポイント1


磁石あるいは磁性製品はTDKの「DNA」


カセットテープ全盛時、TDKテープをよく購入したものです。
安心感があったからです。


TDKのもとの名称は、東京電気化学工業です。
SONYが東京通信工業であったのと同様に、世界を目指す
企業となるには、文字の少ないアルファベット表記が適切
と考えたのは、至極自然な流れです。


磁石あるいは磁性製品は、TDKの遺伝子として引き継がれ
てきたものですから、これを捨てるわけにはいきません。


自らの強みを強化していかなくてはなりません。





ポイント2


変な成功体験


「成功の復讐」という言葉があります。
成功するとあぐらをかき、同じ手法をとり続け、しっぺ返しを
食らうということです。


「大企業病」とか「茹でガエル現象」などと同じことですね。
マンネリ化してきてしまうのです。


つい楽な方を選択してしまうのです。地道にコツコツと行なう
ことを軽視してしまうのですね。





ポイント3


部分最適


業務を細分化することで、全体が見えにくくなってしまうのです。
自部署だけのことを考えればよい、という流れになってしまい
ます。


組織横断的な「クロスファンクショナルチーム」の運用が有効で
あることが指摘されます。縦割りの弊害を取り除くために、
組織を強制的に横串にして、全体最適を目指します。
決して簡単なことではありませんが。


今までしてこなかったのですから、直ぐに結果が出るはずは
ありません。ですが、明確な指針を打ち出し、この方向で前進
していくのだ、というメッセージを発信し、末端の社員まで浸透
させることが大切です。


ただし、組織が大きくなればなるほど、困難になってきます。
だからこそ、大企業でも小組織にして迅速に動けるようにし、
単位あたりの売上高や利益を算出し、きちんと管理しています。


京セラの創業者、稲盛和夫さんが「アメーバ経営」を考えだした
のも、それが原点です。




TDKの業績の推移を見てみましょう。



TDK(株)【6762】 Yahoo!ファイナンス から



有利子負債を除き、全ての項目が前期の業績を上回っています。
売上高、営業利益、経常利益、当期利益が大幅に増加しています
ので、EPS(一株当たり利益)が3倍になりました。






私見



上釜さんは、
「営業利益率やROE(自己資本利益率)で2桁を

達成するのが大事になるでしょう」
と述べています。


営業利益率は6.69%で、ROEは7.20%(いずれも
2015年3月期)になっています。
あとわずかのところまで来ています。


おそらく2桁を近いうちに達成するでしょう。



飯田展久編集長は、傍白で「なかなか正直な人です」、
と上釜さんを評していますが、たしかにそうですね。


「もちろん反省はあります。就任直後は、社長が言って

 いるんだから社員は理解していると思い込んでいた

 のです。でもそれは大きな間違いだと、2~3年前に

 気付きました。


 私は裸の王様だったんです」


創業家出身ではないにもかかわらず、上場企業の
社長として9年務めています。


そこで、飯田編集長が、
「これまで手を打ってなかったのですか」
という、結構辛辣な質問をしました。


その質問に対する回答が上記のものだったのです。


目下、業績好調という高材料はあるにせよ、
過去は過去として真摯に受け止める姿勢は、
立派だと思います。


スマホの基幹部品は日本メーカーが製造しています。
TDKや村田製作所、ソニーなどの部品がなければ、
スマホを製品化できません。


アップルもサムスンも完成品を販売し利益を上げて
いますが、黒子に徹している日本メーカーがあるから
こそ成り立つ構図です。


ところで、今週の特集で、産業ロボットメーカーの
「ファナック」が取り上げられています。


この特集記事を読んで初めて知ったことですが、
「中国などの工場では、『ロボドリル』と呼ばれる

ファナックの機械がスマホの筐体を大量に削って

いる」 (『日経ビジネス』 2015.06.08 号 P.033)
ということです。


日本の技術は、凄いですし、驚きましたし、素晴らしい
(SOS、箱田忠昭さんの言葉)ですね!






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