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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(72)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(72)


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。



● 2012.12.24-31
 (No.4)<301>
消費者と共に変わり続ける

奥田 務(おくだ・つとむ)氏
[J・フロントリテイリング会長兼CEO(最高経営責任者)]

J・フロントリテイリングは、百貨店以外にも食品スーパーなどの事業を展開しています。ただ総合的に見ると、売上高や利益の大半は百貨店が出している。

 

我々もお客様と共に変わらなくてはならない。永遠に変わり続けなければ、生き残れないと思っています。

 

百貨店業界の売上高は2011年まで15年連続で落ちています。これは非常に危険な状況でしょう。この最大の要因は、百貨店がお客様の変化に気づかなかったか、もしくは気づいていても対応できなかったことにある。

 

インターネット通販は、もう好き嫌いじゃなくて、基本機能として持たざるを得ない。今後さらに小売りの垣根が消えると、インターネット通販を我々のビジネスにどう組み込むかが重要になります。



● 2012.12.17
 (No.3)<300>
アジア経済、来年は復調

黒田 東彦(くろだ・はるひこ)氏
[アジア開発銀行総裁]

2012年の成長率は2011年に比べて下がりますが、2013年にかけて回復していくと予測しています。

 

世界のほかの地域に比べると、アジアの成長率は圧倒的に高い。今や世界経済の成長の半分以上はアジアによる寄与です。

 

長い目で見れば中国の成長率もだんだんと下がっていきますから、労働集約型産業が中国から東南アジアや南アジアに移っていくトレンドは今後も続くと思いますね。

 

一番重要なのは、絶対にデフレを克服するんだという強い意志を表明することだと思います。



● 2012.12.10
 (No.2)<299>
スマホは敵にあらず

岩田 聡(いわた・さとる)氏
[任天堂社長]

お客様にゲーム機を買ってもらうのは「ゲーム機の未来を信じていただく」こと。信じられる未来を作るためにはまずハードに勢いをつけて、好循環につなげていくことが必要なのです。

 

我々はハードだけでなくソフトも販売しています。ハードが普及すれば、ソフトの売上が伸びて業績に寄与します。

 

任天堂のゲーム機にしか提供できない価値があれば市場で生き残るし、そうでなければ生き残れない。単純に何かと競争して勝つとか負けるとかではないと思っています。

 

我々は常に消費者の無関心と戦っています。つまり、ゲームにどうやって興味を持ってもらうかです。スマホやタブレットの登場で環境は変わりましたが、本質は何も変わっていません。



● 2012.12.03
 (No.1)<298>
マーケティングはアート

安藤 宏基(あんどう・こうき)氏
[日清食品ホールディングス社長・CEO(最高経営責任者)]

マーケティングは、いわばアートですよ。論理構成は立てるけど、消費者のメンタルモデルは違う。一人ひとりの心は矛盾だらけなので、いくら社会心理学的に解析しても詳細までは把握しきれません。

 

他社にぶっ壊されてからじゃ困る。自らぶっ壊した方がいい。カップヌードルの技術も、近いうちに新しくなります。時代とともに、商品も技術も常に変わっていくんです。

 

組織というのは無責任なものです。だから物事の責任は組織ではなく個人に帰さなきゃダメなんです。個人の場合、「おまえに責任がある」と言われたら、どうにも逃れられませんから。

 

経営者にとって重要なのは、軸がぶれないことです。社長がああだこうだと言うと、会社が揺らぐんです。ですから、これはいいと決めたことは一定の答えが出るまで徹底する。途中の段階で、いろいろと文句を言っちゃいかんのです。










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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(71)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(71)


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● 2012.11.26
 (No.4)<297>
ラーメン界の「マック」に

新井田 傳(にいだ・つたえ)氏
[幸楽苑社長]

丸亀製麺、すかいらーく、デニーズ、いずれの外食チェーンも我が社ほどには時間がかかっていません。500店舗という目標は同じでも、馬のような走り方をする企業もあれば、牛のような歩き方をする会社もある。うちの経営哲学は後者です。

 

経営は人を育ててなんぼの世界だと思うんです。スピードを重視するのであればFCに勝るものはない。これは間違いありません。

 

外食産業の工場には2つあります。1つはセントラルキッチン、もう1つはコミッサリー(食品加工工場)です。セントラルキッチンはキッチンの延長線上にある概念ですから、食堂と同様、作るための道具がそれぞれ独立していて、工場のようなラインとしてつながっていません。

 

一方、コミッサリーは材料を片方で投入すると、20m先で製品になって出てきます。その間、人は全く介在しないんです。外食産業の効率化にはこのコミッサリーを目指さなくてはいけないと考えました。



● 2012.11.19
 (No.3)<296>
創業魂を取り戻す

山田 義仁(やまだ・よしひと)氏
[オムロン社長]

オムロンでは3回目になる10年計画ですが、具体的に数値目標を提示したのは初めてです。当社の2011年度の売上高は6195億円で、今期は6500億円を予想しています。これを1兆円まで伸ばしながら、営業利益率15%を確保する。非常に高いハードルですが、やり遂げるつもりです。

 

私は売上高10%程度のケルスケア(健康管理)事業一筋で来ました。主力の制御機器事業ではなく、傍流の出身です。社長に就任する1年前にグループ本社に移り、戦略室長として10年長期計画の策定を任されました。

 

重視しているのは企業理念の共有です。創業以来、オムロンには「企業は社会の公器である」という理念があります。事業を通じて社会に貢献する。その実践例を研修で共有して、今の立場で何ができるかを発表し、議論します。

 

グローバルで戦い勝ち抜くためにはもっと強くならなければならない。オムロンは「誠実でいい会社」だと評価を頂いていますが、もっと強い会社に変えていかなくてはなりません。そうしないと2020年度をいい形で迎えられません。

 

● 2012.11.12
 (No.2)<295>
カネのために働くのではない

吉原 毅(よしはら・つよし)氏
[城南信用金庫理事長]

お金に流されてしまうのが銀行だとしたら、信金はお金の弊害を是正するのが1つの大きな役割になる。つまり公益事業なんです。

 

本当に大事なのは顧客の経営体質を改善したい、売り上げを上げたい。そういう問題に踏み込む力なんですね。

 

原発問題はまさに最大の環境問題であり、金融機関としてできることは、節電すること、そして自然エネルギーの開発を促すことでした。だから、原発に頼らない安心できる社会作りをメッセージとして発信したのです。

 

● 2012.11.05
 (No.1)<294>
ローカライズはしない

角田 秋生(つのだ・あきお)氏
[公文教育研究会社長]

公文式の場合は、「その子が持っている学力がどうか」からスタートします。インストラクターを通じて、その子の最適な課題を与えます。私たちはそれを「ちょうど」と言っています。

 

公文式が提供しているのは、読み、書き、計算です。言語教材はそのくの言葉に合わせなくてはいけませんが、各国で使っている教科書に準拠したり、その国の教育カリキュラムに合わせたりといったやり方はしていません。

 

質問や解説の部分は現地の言葉に翻訳しますが、教え方などは原則として世界共通です。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(70)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(70)


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● 2012.10.29
 (No.5)<293>
Gゼロ(指導国が存在しない)時代、日中の衝突不可避

イアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏
[米国際政治学者]

毎年、日本より格段に速いスピードで成長し、経済力、技術力、軍事力など力をつけるに従い、中国は今後、ますます自分たちの利害をあらわにするだろう。

 

中国は日本にとって将来的にも様々な利点を持つが、世界の主たる市場の中では最もリスクが大きい。ほとんどのにほん企業がそうした前提でつき合っていないことが問題だ。

 

日本は中国が想像以上にリスクが高い国であると認識し、それは日中間に見解の相違があるからだけではなく、米国の同盟国だからだという点を理解する必要がある。



● 2012.10.22
 (No.4)<292>
高付加価値でデフレに克つ

染谷 光男(そめや・みつお)氏
[キッコーマン社長兼CEO]

搾りたての商品を新鮮な状態で消費者にお届けできるのは、メーカーとして一番うれしいことです。おかげさまで、消費者の方にもかなり受け入れられています。

 

販売数量で勝負するのではなく、質をアピールし、価格競争から離れたところで品質の良さを楽しんでいただきたいとの思いがあります。

 

商品の良さを知ってもらうには、実際に口にしてもらうほかに術はありません。

 

商品の品質や味の良さを実感していただくのと同時に、現地の食生活に合った、しょうゆを使うレシピを広めていきました。

 

● 2012.10.15
 (No.3)<291>
東証最年少社長の挑戦

村上 太一(むらかみ・たいち)氏
[リブセンス社長]

私たちは、営業担当は最小限に抑え、営業にかかるコストを圧縮することで、お客さんに低価格でサービスを提供。これを武器にお客さんの方から集まってくる仕組みを作ったのです。

 

会社が厳しい状況に追い込まれ、切羽詰まって考えぬくと、何かしら知恵が出てくる。切羽詰まった環境が進化を生む、というのが実感です。

 

私が起業したのは、人が不便に感じているものを便利にするとか、人の生活を変えられるようなサービスを提供したいからです。

 

私たちの世代は、世の中のしわ寄せが全部来ているので、ハンディを負った戦いを強いられていると思います。国の制度としても人口構造上、選挙の関係上、年配の方が優先されています。どうしたら、せめて均等にできるのかというのはずっとテーマとして私は意識しています。



● 2012.10.08
 (No.2)<290>
中国で作り、売り続ける

柳井 正(やない・ただし)氏
[ファーストリテイリング会長兼社長]

状況は多くの人が考えているよりも、すごくシリアスです。日本人は単純に領土問題だと思っていますが、中国の人は戦争だと思っています。日本の外務省や政治家、あるいは一般の文化人の認識はかなり甘いですね。 

もし僕が総理大臣なら直ちに中国に行って話をします。それぐらいシリアスなんです。

 

我々は今年、中国で80店舗くらいの出店が決まっているんです。そしてできたら今後は、毎年100店舗は出店したいと思っています。そのためにも早く仲直りしてもらわないといけない。

 

今は儲かっていないけれど、今後はニューヨークやサンフランシスコ、パリでも大量に店を出して、チェーン展開しようと思っています。



● 2012.10.01
 (No.1)<289>
もはや“商社”ではない

飯島 彰己(いいじま・まさみ)氏
[三井物産社長]

三井物産の創業の理念は、常に時代と社会のニーズに応えていくことです。


人口が増加し、豊かな世界になれば、そこで一番大切な基礎物資はエネルギー、水、食料です。この安定供給が大事だと考えていますので、この1~2年は投資の半分以上が資源・エネルギーになるでしょう。

 

モザンビークでは巨大なガス田を発見しました。現時点で30~60TCF(約8500億~1兆7000億㎥)の埋蔵量が確認されています。もっともこれは、探鉱段階のものでまだ増える可能性があり、世界最大とも言われています。

 

ミャンマーも、ガス、石油があり、鉱物資源も豊富。なおかつ人口も6200万人います。マーケットとしての経済成長の潜在力があります。

 

どんな事態になっても、人さえ鍛えておけば、対応できます。だからこそ人材育成にかける思いは強い。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(69)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(69)


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● 2012.09.24
 (No.4)<288>
今の中国は日本の幕末期

紺野 大介(こんの・だいすけ)氏
[清華大学招聘教授、北京大学客座教授、創業支援推進機構(ETT)理事長]

(中国は)地域が違えば、国が違うようなものです。政治に対する真剣な姿勢は、日本の政治家の比ではありません。


中国人の給与水準が高くなり、コストが合わないとなると、アフリカから労働者を呼んでくる。今、広東省にはアフリカから大量の労働者が来ています。彼らは、低い収入でも喜んで労働集約型の仕事をしている。出来上がった製品のコスト競争力は、韓国も日本も太刀打ちできないレベルです。広東省の政府が打ち出した政策による成果であり、中央政府とは関係がないのです。

 

中国にも受験のための塾はありますが、そこでいくら学んでも太刀打ちできないほどずぬけた人材が清華大学に入学してきます。

 

しかも、清華大学では入学後も科目ごとの成績を壁に張り出します。学生たちはみな「我こそナンバーワン」と思って入学してくるので、順位が下ならプライドが許さない。ですから、入学後も、猛烈に勉強し続けます。

 

中国の知識階層の9割は苦々しく思っています。日本を怒らせたくないと。中国の経済発展にどれだけ日本が貢献しているのか、彼らこそ一番よく分かっているからです。



● 2012.09.17
 (No.3)<287>
百貨店の「王道」を貫く

大西 洋(おおにし・ひろし)氏
[三越伊勢丹ホールディングス社長]

我々百貨店は、衣料品のシェアが5割以上あります。そこで季節に合わせて、1年間を52週に区切ってマーチャンダイジングを組みます。特に衣料品は、春夏秋冬の気温の変化とお客様の購買に至る関心度が非常に重要です。


今でも百貨店の営業利益率は2%ぐらいしかありません。30%オフにすると利益率はもっと下がりますから、企業としては存続するのは難しいでしょう。

 

この狙い(定休日を増やすこと)は、我々の独自性であるおもてなしを追求することです。お客様と接点のある販売員が最高のコンディションでお客様に接すること。これが百貨店の大きな存在意義ですから、そういう意味でも休む時は休む。

 

販売員をコストと見るか財産と見るかということなんですね。百貨店は売り上げが悪くなってコスト削減となると人件費を減らしてきました。当然、おもてなしの質はどんどん下がります。それではダメなんです。

 

我々は、もう一度自分たちの目で物を見て、お客様に価値のある商品を提案するということをやり切りたい。これこそが、百貨店として生き残っていく道だと思っています。



● 2012.09.10
 (No.2)<286>
下期黒字化で経営破綻を回避

奥田 隆司(おくだ・たかし)氏
[シャープ社長]

我々が今後も事業を展開していくためには、ホンハイ以外の様々な企業とも協業していく可能性が高く、特定の1社の出資比率が高くなるのは得策ではない。


銀行側の意向は承知している。我々は、少しでも借入額を減らす姿勢で取り組まなければならない。社長である私が陣頭指揮を執り、シビアな計画の立案に取り組んでいることを銀行側に表明している。

 

太陽電池、エアコンなどの白物家電、複写機、LED(発光ダイオード)チップといったキャッシュを生む事業を手放すことはない。

 

今後は機動力と柔軟性を高め、「1本足」経営から脱却する。「いたずらに規模のみを追わない」との経営理念に立ち返り、小さくても稼げる事業を積み上げていく。<今週は、編集長インタビューが掲載されなかったため、「時事深層」から印象に残った言葉を取り上げました>

 

● 2012.09.03
 (No.1)<285>
被災地の星は見習い漁師

立花 貴(たちばな・たかし)氏
[事業家・漁師]

目の前の人の喜ぶ姿のために感じたままにまず動く。それこそが自分の心の喜ぶ働き方ではないかと気づいた。いい行動ができれば、後から数字や結果はきっとついてくるはず。そう思うと、肩の力が抜けていました。


雄勝(宮城県雄勝町)のためでなく、日本の未来のためだから。

 

私は後ろの扉を閉じたら、前の扉が開きました。被災地に象徴される日本の根本問題に今、取り組まないでどうするんでしょうか。どんな形でもいい。1人でも多くの仲間を増やしたい。<今週は、編集長インタビューが掲載されなかったため、「旗手たちのアリア」から印象に残った言葉を取り上げました>










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(68)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(68)


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● 2012.08.27
 (No.3)<284>
失敗こそ進化の道標

正垣 泰彦(しょうがき・やすひこ)氏
[サイゼリヤ会長]

やはり重要なのは客数を増やすことです。お客さんが取られているなら取り返す。それには努力が必要です。


コーディネーションというのは、核となる売れ筋の商品があって、それと一緒に食べたらもっとおいしいといったものを組み合わせることです。

 

お客さんや店にとって一番大事なことは日々変化していくけれど、その時々で優先順位があり、その優先順位通りに徹底できることが大事なんです。


ビジネスも含めて、何かが起こればそれはチャンスに転換できる。福島においては、これを機に世界一の都市になるというビジョンを描くことでしょう。

 

● 2012.08.20
 (No.2)<283>
自国で作ることが文化

パトリツィオ・ディ・マルコ(Patrizio di Marco)氏
[グッチ社長兼CEO(最高経営責任者)]

この数年でグッチは危機を乗り越えました。それも単に危機に対処できただけではなく、我々のブランドの歴史や伝統、ストーリーを消費者に伝えることができた。そこに私は大きな満足感を覚えています。


確かに日本経済は15年以上、停滞を続けています。それにもかかわらず、日本は今もラグジュアリー業界では最も重要な国です。日本人は世界中で最も豊富な知識を持ち、洗練されている。

 

グッチが「メード・イン・イタリア」であることは、グッチのDNAであり、我々自身の一部でもあります。「メード・イン・イタリア」ということはそれ自体が文化であり、文化は一夜にして作れるものではありません。


消費者のロイヤルティーを獲得し、増やす必要があります。消費者との感情的な結びつきを持つことです。

 

● 2012.08.06-13
 (No.1)<282>
「世のため」を10兆円創出

樋口 武男(ひぐち・たけお)氏
[大和ハウス工業会長兼CEO(最高経営責任者)]

私は創業者(故・石橋信夫氏)から「創業100周年(2055年)の時に売上高10兆円を達成してくれ、それが俺の夢だ」と言われ、これが中長期の経営目標となっています。


もう1つ、我々が非常に大切にしている創業者の教えがあります。それは、「儲かるから」ではなく、「世のために将来必要とされるか」の視点で事業を考えろというものです。

 

(キーワードとして「明日不可欠の(アスフカケツ)」があります)これは私が考えた造語です。もともとはフ(福祉)カ(環境)ケ(健康)ツ(通信)でしたが、21世紀を前にしてア(安全・安心)ス(スピード)を加えました。さらに、今世紀に入ってからノ(農業)をつけました。


リーダーたる者には4つの力が必要です。先見力、判断力、統率力、そして人間力。この人間力が一番難しい。後ろ姿で部下を引っ張れる力で、俗に言うオーラです。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(67)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(67)


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● 2012.07.30
 (No.5)<281>
顧客は「神様」にはあらず

石井 茂(いしい・しげる)氏
[ソニー銀行社長]

私は顧客を「神様」だとは思っていません。コールセンターの社員にも「顧客は王様くらい偉いかもしれないが、神様ほど偉くないんだよ」と言っています(笑)。


顧客の要望を最大限に尊重して、求めていることを金融のプロとして解決したいと思います。ただ、プロとして金融の世界を知っていれば、答えることができる限界があるのも分かるはずです。

 

当社の顧客はほとんどが個人です。企業への融資はほとんどありません。正直に言うと、相手が個人だから、時にその人が正しくないときっぱり言える面があります。


顧客満足度はアフターサービスとやや異なり、顧客の期待と実績の差だと言えるかもしれません。

 

従って、顧客の期待に正しく対応していくことが大切になります。手を抜かず、愚直にやるべきことをやるということです。もう1つは、常に新たな挑戦が重要になるでしょう。



● 2012.07.23
 (No.4)<280>
社長業は人生の通信簿

古森 重隆(こもり・しげたか)氏
[富士フイルムホールディングス会長・CEO]

転換期になったのは、80年代初頭に写真の世界にデジタル技術が登場したことです。そこで我々は多角化を図りました。フィルムだけではなく、露光材料や感光材料、現像材料などの周辺へと広げていきました。コダックもやりましたけれど、うちの方が多角化における幅と深さがありました。


いざデジタルカメラの市場が立ち上がった時に、彼ら(コダック)は市場に参入していくうえで十分な競争力がある商品を持っていなかった。

 

2000年以降に当社は相当なカネを使って、医薬や化粧品、液晶用材料を強化したり、富士ゼロックスへの出資比率を引き上げたりして写真以外の分野を伸ばしていきました。


当社は業績が苦しい時期にも、毎年のように研究開発におよそ2000億円を投じてきました。だけど、そんなにすごい製品ばかり出てくるわけではないです(笑)。

 

経営とは、最後は数字です。自分たちが生き延びていくためには競争力のない事業を減らして、埋め合わせられる部分を作り出す。そんなそろばん勘定が必要になります。



● 2012.07.16
 (No.3)<279>
誰も参入できない砦を作る

津賀 一宏(つが・かずひろ)氏
[パナソニック社長]

プラズマで液晶に対抗できるのは画質の面だけで、それ以外の側面では、プラズマでは非常に戦いにくいという状況になってきました。


悪い商品を作っているとは思いませんが、お客様が何を選ばれるのかが一番大事です。こういった意味で、お客様から遠い存在になってしまったという反省があります。

 

基本的に、自社製テレビのためにはもうパネルは作りません。これが我々が学んだことです。


コアコンピタンス(競争力の源泉)よりも、参入障壁の有無の方が大事だとも思っています。

 

お客様からの大きな要求のある商品(「Let'snote(レッツノート)」や「TOUGHBOOK(タフブック)」)を大事にしなければならない。我々から見れば、頑張れば頑張っただけのかいがある商品なんですから。



● 2012.07.09
 (No.2)<278>
「頂上作戦」で世界に挑む

尾山 基(おやま・もとい)氏
[アシックス社長CEO(最高経営責任者)]

過去、うちは「世界中でアシックスの花が咲けばいい」という考えで、ライセンスを供与して海外展開を進めてきました。それで各国が勝手にマーケティングをしていました。


(カタログやポスターなどを)全世界で定点観測し始めて、ようやくブランドイメージが統一されてきました。それで「日本のグローバル・ブランド」の調査でも、評価が高まったんだと思います。

 

(アシックス創業者の)鬼塚(喜八郎)さんも言っていた「頂上作戦」。頂上とは、日本ではオリンピック選手だし、世界でいくと世界記録を出している選手ですね。このトップラインは、(ライバルの)ナイキやアディダスも勝てるかどうかの厳しい世界ですよ。そこで選手のニーズをくみ取って、徹底的に技術と商品を磨く。頂上が取れれば、その後で中間層も追随します。そうやって商品は浸透するんです。


当社にはスポーツ工学研究所があって、大阪大学などと組んで科学的な研究を重ねてきています。

 

スポーツは1人でやろうがチームでやろうが、ファイティングスピリットがなかったら無理です。


特にスポーツは、ユニバーサルランゲージで取っつきやすい。あとはやれるかやらないか、カネをかけるかかけないか。経営者の判断です。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(66)

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● 2012.06.25
 (No.4)<276>
もう知財は抱え込まない

内藤 晴夫(ないとう・はるお)氏
[エーザイ社長兼CEO(最高経営責任者)]

(熱帯病治療薬の)価格はゼロ。究極の適正価格といういちづけです。これを米ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機構(WHO)などと協力して患者の元に届けます。


患者さんが、できれば経済的貢献をできるようになるぐらい回復してもらいたい。それが新興国における中間所得層の誕生の一要素になり、今後は我々の革新的な製品を購入してくれればと考えています。

 

エーザイの定款には、エーザイの目的は患者価値を増大することと書いてあります。それができれば、利益がもたらされる。目的と結果としての利益の順番は決して逆ではない。利益が出ないならば、患者満足が十分得られていないのです。


米国、日本は、新薬の確立です。大規模な製造は中国とかインドということになります。日本の工場の役割は、すごく変わっていくでしょう。開発工場といったところでしょうか。



● 2012.06.18
 (No.3)<275>
今こそ消費税を上げる

安住 淳(あずみ・じゅん)氏
[財務相]

いくら政治の世界で「成長戦略をやる」と張り切っても、いい知恵が学者から出てきても、肉づけをする予算が全くない。


税収はバブル時でさえ、最高で約60兆円でした。

今は国際競争の観点から、所得税も法人税も引き下げていますから、税収の上がる可能性が非常に限られています。景気が良くなれば税収がどんどん上がるという考え方は幻想ですよ。


徹底的に緊縮財政をすれば、かえって増税なんかできなくなる可能性があると思いますよ。


消費税を10%に引き上げるまでに共通番号制などの必要な制度の精度を上げていきたい。


被災地の問題があるからといって、日本全国の社会保障と税の一体改革が必要ない、という話にはなりません。感情的には理解できますが。



● 2012.06.11
 (No.2)<274>
人口減でも縮まない

上西 京一郎(うえにし・きょういちろう)氏
[オリエンタルランド社長兼COO(最高執行責任者)]

当社の基本的な考え方として、10年ぐらい先にディズニーリゾートがどんな姿になっているか、というイメージを作ります。

そのうえで、ある程度現実的に、5年ぐらい先にこのアトラクションを入れていこうとか、エンターテインメントを変更するのはその前の年にしようといったことを考えます。


キャスト(従業員)の皆さんがゲストの方々に高いホスピタリティーの心を持って対応する。これを続けることだと思います。

その意味でも、先日事故を起こしてしまったことは大変申し訳なく思っています。しっかりと原因を究明し、再発防止に努めていきます。


何年ごとといった基準はないんですが、(値上げに対する)考え方はあります。

パークのバリューが値上げをしてもいいと思われるレベルに1つ、2つ上がった時には、アトラクションなどに投資をしているので値上げもするということですね。


昨年、初めて(客単価が)1万円を超えまして、2012年3月期で1万336円です。

チケットの値上げも一部ありますけど、グッズとお土産が大きいです。お土産を買うのは日本特有の現象ですね。

今、非常に好評なのがディズニーシーの「ダッフィー」というクマのキャラクターです。ただのキャラクターとしてではなく、なぜダッフィーがここのいるのかというストーリーもしっかり作って、少しずつゲストの方々に浸透させてきました。



● 2012.06.04
 (No.1)<273>
クルマは汎用品にならない

カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏
[日産自動車社長兼CEO(最高経営責任者)、仏ルノー会長兼CEO]

一口に日系メーカーといっても多様です。

強いて共通項を言えば、第1にやはり非常に規律正しい組織があるという点です。
特に競争の激しい環境の中では、規律正しさときちんとした組織体制が競争優位につながります。


第2に言えることは、自動車業界というのはコンセプトを考えることも重要ですが、プロセス(工程)を作る業界なんです。


第3は、日本メーカーがグローバル化のアバンギャルド、すなわち先駆者だったということです。
依然として日本メーカーは、ダイバーシティ(多様性)の点で苦労しています。


強みと弱みは表裏一体です。

ですので、日本の強みであるプロセス作りに目を向けすぎると、戦略を練るのに十分に時間をかけなくなるというリスクがあります。
クリエイティビティー(創造性)、つまり新しい概念や技術のブレークスルーなどに注意を払わなくなるきらいがあると思います。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(65)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(65)


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
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2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。



● 2012.05.28
 (No.4)<272>
国内にも「新市場」はある

泉谷 直木(いずみや・なおき)氏
[アサヒグループホールディングス社長]

カルピスは乳性飲料でダントツの60%以上のシェアを持っています。ブランドのイメージもバリューも非常に高い。独自の技術を持つ、非常に魅力のある会社だったわけですね。味の素さん次第ではありましたが、私どもから打診をして、3月に資産査定をやって、今回の合意に至ったと、こういう経緯ですね。


「六条麦茶」をカゴメさんから入れたり、ハウス食品さんから「六甲のおいしい水」を入れたりと、ブランド強化している。一貫してそういう主張でやってきているわけです。


僕は冗談でよく「CSR]だと言うんです。例のCSR(企業の社会的責任)ではなくて「C」はチャレンジ、「S}はストレッチ。しかしもう1個、「R」はリスクだと。ガンガン投資をしていて、割高のものを買ってそれでチャレンジ、ストレッチだと言っていたら会社をおかしくしちゃいますよ。リスクをしっかり織り込んでおかないと。


課題に立ち向かって生き生きとやっていこうということは、データを基にきちんと分析していけば語れるはずなんです。それを語らないところに問題があると僕は思うんですね。



● 2012.05.21
 (No.3)<271>
変革して必ず復活する

平井 一夫(ひらい・かずお)氏
[ソニー社長兼CEO(最高経営責任者)]

リーダーシップを発揮しなければならないのは当然のこととして、同時に私を含むマネジメントチームを結束させ、ソニー復活に向けて一歩ずつ着実に進む決意です。


社長として一番伝えたかったのは、「ソニーは今、変わらなきゃいけない」ということです。まず、固定費を下げる、それから売り上げを伸ばすために商品力を強化する、基本的にやらなくてはならないのはこれだけです。


デジタルイメージングの分野はソニーの将来にとって非常に重要です。イメージング技術は競合と差異化ができていますから、強みを業務用やコンシューマー向けの商品に反映できている。デバイス事業としての貢献度も高い。デジタルイメージングとモバイル、ゲームの3事業を徹底的になる、ここを伸ばすというのが、我々のデシジョンです。


商品軸というよりも、「できること軸」で物事を考えることが大事になる。今後は特に、モバイルの領域で、新たな体験を提供していくことが重要だと考えていて深掘りします。それから、ソニー商品の楽しさをきちんと伝えていきたい。



● 2012.05.14
 (No.2)<270>
コストはまだまだ下げる

尾崎 裕(おざき・ひろし)氏
[大阪ガス社長]

北米でシェールガスが出てきたり、アフリカのような今まで天然ガスを供給してこなかった地域が新たに発見されたりしています。これらが実用化されているので、世界全体の需要に対する供給は、長期にわたって安定的に十分確保できると考えています。今後需要が伸びても、それをサポートするだけの資源は世界中にあります。


ガス市場が大きくなることを考えると、消費者だけであるよりも、消費者と生産者の両方の立場であった方が様々な仕組みが作れるという点で、たぶん役に立つでしょう。


ここからはちょっと我田引水になりますが、例えば調理とか空調とか、電気を使うものを一部ガスに替えることによって、ピークアウトできるのではないでしょうか。これは商売も含めて考えて、我々としては活動していこうと思います。


電力制度を新しくする場合、最初に勢いをつけるためにも、ある程度、国が引っ張っていかないと順調に立ち上がりません。発送電分離もこうした議論の結果、それを実行した政策目的が達成できるのだとすれば、やるべきだとも思いますが。



● 2012.05.07
 (No.1)<269>
“わらしべ長者”の世界戦略

中山 讓治(なかやま・じょうじ)氏
[第一三共社長兼CEO(最高経営責任者)]

ジェネリックというエクスクルーシビティー(排他性)がない商売で成果を上げるには、ブランド力を高めることが欠かせません。ところが、長く従来型の製薬業界で商売を続けてきた我々には、そうしたブランド構築のノウハウは最も欠けている部分でした。


インドでは、製薬に関する特許制度ができたこと自体が比較的最近です。そのため、ほとんどがジェネリックと言っていい状況です。


製薬業界にとって、インドは市場のみならず人材供給の拠点になる可能性もあります。現地では人件費や物価が安く薬を安価に製造でき、技術面は結構進んでいます。


サントリーは薄利多売で、ブランドビジネスの典型です。ブランドとは、ものすごく細かい努力と神経の積み重ねによるもので、一度崩れたらもう永久に崩れる。そのあたりはサントリー時代に叩き込まれている。


10年を超えるスパンでの長期的シナリオをまず固め、中期計画に落とし込んでいくつもりです。そのためには、専門部署を作り、社内の人間を鍛えねばなりません。コンサルタントに丸投げしては、会社の力がつかない。私はサントリー時代にこうした長期プランを担当しましたので、社内の人間だけでもやればできるということが分かるんです。


そもそもR&Dで言うリサーチ(研究)とディベロップメント(開発)は根本的に違うものです。開発はある意味で精緻なロケットを月に飛ばすような作業。それに対して研究は、いわば金鉱探しです。一度当たったからって、同じやり方でもう1回当たるとは限らないのです。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(64)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(64)


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
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2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。



● 2012.04.30
 (No.5)<268>
「顧客中心」が革新を生む

ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏
[米オラクル社長]

「地上で最も顧客中心の会社」が私たちのビジョンです。そして、望んでいるのは、全く異なる業界からもアマゾンが手本にされるようになること。


アマゾンの顧客中心主義は3つの「ビッグアイデア」に基づいています。1つ目は顧客を出発点にしてそこからさかのぼるというアイデア。2つ目は発明と革新を進め、先駆者になることを目指すというものです。3つ目は長期的な視野に立つこと。この3つの組み合わせがあるからこそアマゾンは特別な存在になり得ています。


我々は市場シェアを自分たちで決めることはできないと常に思っています。最高の顧客経験を提供することに重点を置いてビジネスを展開するだけ。あとは顧客がアマゾンのシェアを決めます。


最大の変化の1つはモバイル端末の普及でしょう。つまり、スマートフォンやタブレット端末です。これらは長い期間にわたってEC(注:藤巻 電子商取引)に影響を及ぼすでしょう。確実にアマゾンと顧客、双方にとって機会が生まれます。


出版社や著者にとって、電子書籍の最も素晴らしい点は、「いつも適量がある」ということです。これは大きな利点でしょう。もう1つは、ロジスティックスの流れがないことです。


出版社でも、卸業者でも、小売業者でも、あるいは編集者でも、仕事が何であってもいい。常に読者と著者の両方と強調すべきなのです。



● 2012.04.23
 (No.4)<267>
ITの複雑さを解消する

マーク・ハード(Mark Hurd)氏
[米オラクル社長]

現在の地球上のデータ量は、2005年に比べ8倍に増えていると言われます。


企業が革新するには、新しいアイデアや活動に投資しなければなりません。このコストを、今のITシステムにかかっているコストを削って捻出すべきです。


エンジニアドシステムとは、顧客が求めるソフトウェアとハードウェアを統合した製品です。


使いたいソフトとハードが統合されていて、電源を入れれば、必要なサービスを利用できる。こうした点で、エンジニアドシステムは、米アップルの「iPad」に似ているとも言えるでしょう。パソコンと基本ソフト、ネットワークの接続機器を別々に買って、組み合わせる必要はないんです。


私はリーダーには3つの仕事があると思っています。戦略を策定する。戦略を遂行するための仕組みを整える。そして様々な仕組みを整えるために最適な人材を配置するということです。この3つをきっちりとできたならば、ビジネスはうまくいくわけです。


重要なのは、最終的にビジネスで結果を出すことになります。投資しつつ合理化を進める。「どちらか」を選ぶという選択肢はありません。



● 2012.04.16
 (No.3)<266>
コスト競争は大の苦手

吉永 泰之(よしなが・やすゆき)氏
[富士重工業社長]

我々は自動車メーカーとしては小ぶりですから、選択と集中が欠かせない。どこで戦うか明確に絞り込む必要がありました。


前身である中島飛行機以来、安全を含めた安心への高い意識や基準が、社内に脈々と受け継がれています。そこには言葉は必要ありません。アイサイトも、航空機開発の過程で生まれた技術です。


トヨタから「ポルシェと富士重しか持っていない水平対向エンジンでスポーツカーを作りませんか」と言われて、やらないという選択肢はありませんでした。2008年のことでした。


選択と集中を進める中、水平対向エンジンの登録車に経営資源を集中投下することを決めています。


水平対向エンジンのおかげで、足元の販売は順調です。ただ、将来やってくる電動化時代への準備をしなければなりません。



● 2012.04.09
 (No.2)<265>
規模よりもブランドを優先

張本 邦雄(はりもと・くにお)氏
[TOTO社長]

(住宅が増えない時代に、住設機器を売り続けることができるのですか、という質問に対し)リフォームという成長市場をいちはやく捉えることができたからだと思います。住設メーカーで、エンドユーザーに直接、接触し始めたのは当社が最初だと思います。象徴的なのが、ショールームの整備です。


新築の場合、住設機器は備品という感覚に近いのですが、リフォームは違います。リフォームは、水回り備品が全体の6~7割を占めるため、住設機器が耐久消費財と意識され、顧客の目が厳しくなる。だからこそ、ショールームの整備と、顧客と接するアドバイザーが重要になってきます。


ショールームに常駐しているアドバイザーは、商品知識がとても豊富です。しかも、他社製品についても、よく勉強しています。「この機能はA社の商品が優れています。残念ながら当社では同じ機能は提供できません」といったことまでお伝えしています。


サプライヤーを買収していく住生活グループのやり方は王道でしょう。でもTOTOがやるかといったら、やりません。当社のDNAに規模の拡大は合わないからです。


トイレを極めるのが何より大事なのです。トイレを極めれば極めるほどに、技術がついてきます。製造業ですから技術が他社に劣っていたら、何も強みがないのと同じです。うちの最大の強みは技術力です。営業出身の社長が言うんだから間違いありません。



● 2012.04.02
 (No.1)<264>
失敗なくして変革なし

橋本 孝之(はしもと・たかゆき)氏
[日本IBM社長]

日本市場そのものが伸びなくなり、従来のビジネスモデルの延長に将来はない、ということが明確になってきました。結局、改善活動という形ではなくて、非連続なイノベーションを起こさないともうダメじゃないかと。


コストを下げるための一番良い方法は標準化です。今は複雑。例えば子会社がたくさんあると、別々のシステムを使っていることが多い。標準化して、統合して、賃金の安い地域に持っていく。これらを実行できれば、ぐっとコストは減るわけです。


中小企業は2つのタイプがあります。1つは下請け型で、先ほどのスマイルカーブの真ん中にいる会社です。こういう会社は厳しい。もう1つは左側か右側にはっきりと寄っている企業。驚くくらい規模は小さくても、30カ国でビジネスを展開して、売り上げを伸ばしているところもあるわけです。こうした企業は地方にあったりしますが、東京を見ていない。このような会社にもっと学んだ方がいいと思います。


先を見越して、様々な分野に投資してきました。成功と失敗を選り分けながら、飛び石の投資はしない、技術の陳腐化が速いものには手を出さない、消費者向けよりも法人向けといった、生き方を見つけていったのです。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(63)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(63)


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● 2012.03.26
 (No.4)<263>
自己改革こそ危機克服の術

朝田 照男(あさだ・てるお)氏
[丸紅社長]

新興国が中国を筆頭に、世界経済の成長エンジンであることは間違いありませんが、では米国が倒れたらどうなるのか。そういう意味での米国の強さ。バックストップ(逆転防止装置)が必ず2012年は発揮されるでしょうから、今年の米国景気は強気に見ています。


バランスの取れた投資、収益構造が丸紅の特徴です。あまり1つの分野に集中投資をする気はありませんが、今後、我々が成長していかなければならないことを考えれば、資源とインフラ、生活でしょう。さらに、資源という意味合いもある食料です。


どうやってうまく損切りができるかというのは分かりませんが、我々にそれだけの体力がついたとも言えるでしょう。


よく言われますが、陰りの見えてきた営業部隊はお客さんのところに行かない。そういう意味では、商社なんて最たるものです。お客様がすべてなんですから。



● 2012.03.19
 (No.3)<262>
航空戦国時代に打って出る

伊東 信一郎(いとう・しんいちろう)氏
[全日本空輸社長]

(米ボーイングの新型機B787)55機で100億円と見ています。2013年度末までに、半分の27機が入る予定ですので、その時点で50億円くらいの効果があると見込んでいます。


最新鋭のあの飛行機が持つ性能は、中型機なのに長い距離を飛べて、従来の大型機じゃちょっと手に余るような海外の路線を飛べること。それをどう使っていくかが課題ですね。


(加盟する航空連合の)「スターアライアンス」の中では米国のユナイテッド航空(UA),コンチネンタル航空、ドイツのルフトハンザドイツ航空とジョイントベンチャーをしています。すると彼らの予約システムに我々の便が並んで出る。UA便として(全日本空輸のコードナンバーである)NH運航と表示されるんです。全日空がスターアライアンスのキャリアだとようやく認知されてきました。


ジョイントベンチャーなどを生かして、我々は国際線の生産量(総座席数✕輸送距離[㎞])をこの2年間で22%増やす計画です。2013年度の国際線収入は約4000億円の見込み。生産量で22%、収入で25%伸ばします。


従業員に危機感を持たせるには、経営戦略を理解してもらうことが重要です。昨日も羽田空港に私が直接行って、グループ会社の人たちを含めて200人ぐらいに話をしました。



● 2012.03.12
 (No.2)<261>
被災地出身に矜持

平野 達男(ひらの・たつお)氏
[復興相]

復興庁は被災地に3つの復興局を置き、支所や事務所も構えました。これらを含めて、総勢250人体制でのスタートです。


復興に向けた最大のカギは、制度ではなく、土地利用の調整がうまく進むかどうかだと考えています。


国は様々な制度や人的資源の投入などで応援していきますが、最後は顔と顔を合わせながら、地域住民や、自治体がこうした問題について、どのように決断するかに未来がかかっています。


最優先すべきことは、元の産業を復旧させることです。


何が起こっても、復興支援が進むようなレールと器と制度を作っておこうと思っています。そうすると、役人はやってくれますから。



● 2012.03.05
 (No.1)<260>
市場と価値観を共有する

大八木 成男(おおやぎ・しげお)氏
[帝人社長兼CEO(最高経営責任者)]

炭素繊維は当社を含む日本企業の3社で世界シェアの7割を持っており、日本の産業界にとっても重要な素材です。


当社には、炭素繊維に特殊な樹脂を混ぜて1分で連続成型できる技術があります。これは「なかなか」の技術です。量産車の生産に幅広く活用できるわけで、GMにもその技術を高く評価されたと考えています。


これからは、市場に対峙して技術や製品に付加価値を乗せ、いかに流通させるかがより重要になります。そして、顧客に提供する価値を「積み重ねる」こともポイントです。


帝人グループを大きく伸ばしていくには、明確なターゲットを定め、経営資源を最適な分野に投入する必要があります。個別最適でなく全体最適を目指すには、組織を集約した方が進めやすい。また、分社体制によって生じていたグループ内での技術情報の壁を取り払う狙いもあります。ヒト、モノ、カネを帝人として束ねていきます。


私は経営戦略会議で「皆さん、社会の目は厳しいです。もし3年も赤字のままなら、自分は辞めるから皆さんも降りてください」と話し、役員全体で危機感共有しました。その結果は、それまで全く下がらなかった在庫水準が、瞬く間に改善しました。「何だ、やればできるじゃないか」ということです。この経営の基盤の部分は、今後も揺るぎません。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(62)

日経ビジネスのインタビュー
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● 2012.02.27
 (No.4)<259>
新製品は半分でいい

末川 久幸(すえかわ・ひさゆき)氏
[資生堂社長]

今、力を入れているのはビューティー支援活動です。マッサージをして差し上げるとか、それからお化粧のご指導をして差し上げるということを全国のBC(ビューティーコンサルタント)が行っています。


セルフ化粧品と高価格帯の2極化というよりも、むしろ買いたいのは自分で納得したもの、多分それは価格帯ではないんだと思うんですね。欲しいのが安心、安全となってくると、多少、高くても信頼を買えるならお金を払う。そういう傾向にあるのかなと。


私たちは140年やってきたノウハウの中で、日本固有の「おもてなしの心」や、相手の気持ちに立って考える。それはものすごく大事だと思っているんですね。


僕は年とか、基本的には関係ないと思っているんですね。社長の肩書ってなんだろうと考えるんですけど、社長もやっぱり係ですよ。まずは自分で信じたことを自分の責任でやる。ただその前に相談やコミュニケーションで風通しをよくする。経験がない分、最初に思いを伝えておかないと、逆に間違えてしまうことがありますので、なるべく意見を聞きながら判断をしています。


社長になると、いい情報しか上がってこないと言われるじゃないですか。それは絶対にダメだと思っているので、できるだけ多くの人と会う機会を増やしています。



● 2012.02.20
 (No.3)<258>
海外展開は「まだまだ遅い」

三木谷 浩史(みきたに・ひろし)氏
[楽天会長兼社長]

ハードウェアを輸出するだけなら簡単なんです。ただ、そうではない楽天みたいなIT(情報技術)とサービスのモデルで 日本人でも、日本の企業でも成功できるということを証明したい。自分の中には強烈なモチベーションとして持っていますね。


例えばカナダのコボの買収と英プレイ・ホールディングスの買収では全く意味が違います。何らかの資産を買うという意味では同じですが、英プレイの場合は現在のブランドネームと、トラフィック(ウェブサイトへの流入)を買った。一から立ち上げるよりも早いからです。


一方、コボの場合は保有している商品もすごくいい。ただ、それ以上にマネジメントチームがいい。


楽天の特徴は各店舗に特色があって、様々な店舗で買うことを楽しむという体験そのもの。アマゾンとは圧倒的に差別化できている。だからこそアマゾンのように商品数を絞るのではなく、どんな商品でも早く持ってきてくれる環境を構築しなければならない。


僕たちは国際化しているとともに、日本のいいところを海外に広めるんだと。英語公用語化もするけど、子会社のジャパナイゼーション(日本化)もするんだと、ということだとと思うんですよ。経団連は考え方が古い。最新テクノロジーのこの先に何があるのかとか、産業は今後こうなるべきだとか、本当に議論すべきことはそういうことじゃないでしょうか。



● 2012.02.13
 (No.2)<257>
不況だからこそ頑張らない

加藤 修一(かとう・しゅういち)氏
[ケーズホールディングス会長兼CEO]

結局、1つの商品の売れ行きがいいと言ったって、全体の売り上げからすれば、数%を占めるに過ぎません。薄型テレビにしても買い換えが進むまで十数%程度の割合でした。これが特需で25~30%を占めるまで売れた。これは異常事態だったんです。


そもそも家電量販店の取引相手は個人のお客さんですから、無理やり特定の商品を売り込もうとしたってできませんよ。無理にそういうことをしようと頑張るから、おかしくなるのです。


頑張って数字を作ろうとすると、必ず綻びが生じます。無理して結果を出しても、翌年はもっといい数字を作らなければならなくなる。こうして蓄積されていった無理が、些細なきっかけで一気に噴き出してしまうんです。


私は、「頑張らない経営」を続けて成長してきました。無理をしない、結果を優先しない経営です。人間の体に例えるとよく分かります。長生きするためには腹八分目の食事をして、適度な運動をして、気楽に過ごすことが重要でしょう。一方で、無理を続けると病気になったり、最悪の場合死に至ったりすることもある。経営も同じです。病気は会社がおかしくなること、そして死は倒産です。こういった事態を避けるためには、結果を優先させるのではなく、会社が健康に、つまり強くなる施策に重点を置くべきでしょう。


品揃えや価格は頑張ればどうにかなるかもしれません。ただ、社員のレベルは違います。例えば、以前購入した商品の調子が悪いと相談に来たお客さんに対して、売り上げばかりを求められた社員が真摯に対応できるでしょうか。お客さんはたらい回しにされたり、置き去りにされたりするわけですね。しかし当社であれば、基本的に1日かかっても社員が対応します。以後、そのお客さんはずっと当社で買い物しようと考えてくれるかもしれません。「そのメリットは計り知れないよ」と僕は社員に話しているんです。



● 2012.02.06
 (No.1)<256>
R&Dで世界を健康にする

伊藤 雅俊(いとう・まさとし)氏
[味の素社長]

今、味の素は会社全体で1兆2000億円の売上があります。うち日本の売り上げが8000億円、海外が4000億円です。規模としてはまずまずですが、ゆくゆくはグローバルで活躍する食品メーカーのトップ10に入ることが目標です。


我が社はもともと、甘み、酸味、苦味といった人間が感じる5つの「基本味」に含まれる、うま味で勝負してきているのです。創業以来、基本味をコントロールすることを手がけてきています。味覚に関する特許の数は180を超えます。


日本の味の素には研究者が1085人いて、その割合は全社員の約30%を占めます。しかも、そのうち約10%がドクターです。このような研究組織を持つ会社は、世界でも類を見ません。


我々の独自性を出すことが喫緊の課題になっています。解決策の1つは、量から付加価値への転換です。


リーマンショック以降は、購買の態度が非常に理性的になってきていると感じます。量から質へとの流れが顕著です。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(61)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(61)


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● 2012.01.30
 (No.5)<255>
エコカー戦線で独自色

伊東 孝紳(いとう・たかのぶ)氏
[ホンダ社長]

EV(電気自動車)は欠くべからざるハードウェアです。ガソリン車と比べて残念ながら航続距離は劣りますが、こきゃくがEVという存在を認識するようになり、社会からの要請も強まっています。


(問 2020年を予測した時に、ガソリン車と次世代エコカーの比率はどうなっているでしょうか)現実的にはHV(ハイブリッド車)中心の市場になっているでしょう。シンプルで高効率なHVは、最も有効な手段であると考えています。


日本で商売するからには、軽自動車は外せない。これは当社だけでなく、トヨタ自動車も日産自動車も同様に考えているでしょう。これから活性化されて面白い市場になっていきます。


ホンダが成功してきたのは、北米での成功体験を世界で応用することにありました。しかし、リーマンショック以降、世界は大きく変わりました。欧米の後追いで世界が発展するのではなく、新興国は新興国なりの成長をするようになった。その変化への準備が足りなかったのだと思います。これは、大きな反省です。


将来にわたって技術のレベルを維持することは絶対に必要で、可能性のある技術についてはふたをせずに開発を続けていきたい。ただ、事業として展開するかどうかは、その技術の先行きを考えて取捨選択します。



● 2012.1.23
 (No.4)<254>
タイヤ産業はまだ伸びる

荒川 詔四(あらかわ・しょうし)氏
[ブリジストン社長]

最大の強みは、円高の影響を受けにくい体質にあると思います。当社の海外生産比率は約7割、売上高で言えば8割強が海外です。円高の影響をまともに受けるのは10%台の前半にとどまります。



1980年代後半から、米ファイアストンを買収するなどM&A(合併・買収)戦略を積極的に展開し、2000年代半ばにグローバル・ナンバーワンの地位を獲得したことが今になって効いてきています。タイヤ産業は何より、規模のメリットが業績に直結する業界なんですね。量産効果が大きいんです。


常々、名実ともにナンバーワンであり続けようと言っています。シェアや財務面だけでなく、CSR(企業の社会的責任)活動などに力を入れているのも、そのためです。


今やブリヂストングループの従業員は約7割が外国人です。彼らを見ていて思ったのは、日本人は、緩やかな方針でもあうんの呼吸で動いてくれますが、外国人はそうはいかないということでした。


世界市場を二分している仏ミシュランは侮れません。ミシュランはユニークで素晴らしい会社です。彼らは欧州からスタートして東へとビジネスを広げ、当社は日本から西へ進出したため、得意とするマーケットがお互い異なります。技術力も高く、鉱山用など特殊なタイヤも手がけることができる。しばらくはミシュランとのつばぜり合いが続くでしょう。



● 2012.1.16
 (No.3)<253>
IT事業は不況にも強い

山本 正巳(やまもと・まさみ)氏
[富士通社長]

従来のスパコンは性能争いの象徴みたいなところがありましたが、ここへきて、イノベーション〔技術革新〕を起こすためのツールとして実用段階に入ったと思います。


世界一になるには、今までにない新技術を注入しなければなりません。モノマネだと2位止まりなのです。過去の技術を参考にしているだけでは1位にはなれない。2位ではなく、1位にこだわるという意味は、モノマネでなく、新規の世界に挑戦するということなのです。それに世界一になることは、富士通の知名度を高めるのに効果があります。


「つなぐ」というのはICT(情報通信技術)なしにはできません。スマートシティの実現には、我々のようなIT(情報技術)サービス事業者が貢献できる部分が大きいわけです。


「ICTをフル活用して、不況を生き残る」というのが、企業の大きなテーマになっています。


我々は中長期ビジョンで、ICTの利活用によって人がより豊かに安心して暮らせる社会の未来像「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」というのを掲げています。これを実現するために、パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)は重要な端末です。



● 2012.1.9
 (No.2)<252>
危機こそ進化を加速する

野路 國夫(のじ・くにお)氏
[コマツ社長]

中国の動向なんて全く読めません。(販売した建設機械の稼動状態を把握できる)KOMTRAX(コムトラックス)の数字では、2011年10~12月の中国の稼動状態は一段と低迷しました。受注状況も、前年同期と比べれば半分程度に落ち込んでいます。低迷の理由はお金が社会の末端まで回っていないことに尽きます。


前期までの当社の売上高で中国が占める比率は2割程度でしたが、春節以降も需要の回復がなければ、今期は10%前半まで落ちると考えています。全体から見れば少ない比率です。


最近、今後の経済予測を言わないようにしているのは、予想外のことが起こりやすくなっているからです。


これだけ急速に円高が進むと価格を上げるしかありません。


日本の製造業が抱える問題点の1つは、雇用を守ることを大義名分に、シェアの拡大に力を注ぎすぎることです。しかし、これはおかしい。いくらシェアを維持しても、利益が出なければ雇用は守れません。まず重視すべきは利益です。



● 2011.12.26-2012.1.2
 (No.1)<251>
内向きの時代に抗う

小林 健(こばやし・たけし)氏
[三菱商事社長]

トップが代わる選挙の時には、どうしても国民の目線を内側に向けるということをどこの国でもします。これは政治的、社会的、経済的にもそうで、内向きにナショナリズムを喚起して、求心力を高める。従って経済は保守主義になりかねない。現にそういう傾向が出てきています。


各国、特に大きな国が経済的に内向きな傾向になった時に、やはり一番叩かれやすいのは日本です。これは経済が弱いせいではなく、政治が弱いためです。円高で日本が苦しんでいても放っておけと。


資源にしても、ほかの分野にしても、短期的には変動があります。問題はどういうスパンで見るかですね。目先の案件はどうしてもボラティリティー(変動性)が高いから、その都度方向転換していては大変です。やはり5年度くらいを見ないと見えてこない。


これははっきり言えますが、会社の、私たちの財産は人間です。その人間を活性化するためには資源だけではできない。だからいろいろなことをやる。それぞれの部門に責任を持たせる。


私は震災直後に、社員に対して、短期的にはまず自分の対面業界を助けろ、それから中期的には復興を一緒に考えろ、長期的にはその先でどういうビジネスができるか企画を出せと言いました。その3段階で、今はともかく助ける時期、今は復興の時期なんだと。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(60)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(60)


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
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● 2011.12.19
 (No.3)<250>
教育で世界一を目指す

福島 保(ふくしま・たもつ)氏
[ベネッセホールディングス社長]

世界でナンバーワンになろうとはっきり言った方が、社員の仕事への取り組み方も変わってくるのではと考えています。(英会話学校の)ベルリッツも傘下にあることですし、幼児向けの通信教材も中国など海外に出ています。グローバルに出て行く姿勢を、企業の志として持ちたい。と言いながらも、まずは国内教育事業を中心に扱ってきた、私自身のマインドを変えなくてはいけないのですが。


日本はテレビ広告やDM(ダイレクトメール)が中心ですが、中国ではDMなど誰も信用しません。現物主義ですから。日本同様、顧客リストは集めるのですが、電話営業をして現物の見本を送り、最終的に契約に結びつけます。


現在、中国で「こどもちゃれんじ」を利用している会員の数は40万人を超えています。2014年度には100万人、2018年度には200万人規模にまで会員数を拡大するのが今の目標です。


(中国の)教育熱は、幼児から大学進学まで一様に高いですね。特に都市部では幼児教室や進学塾が増えています。


日本の未来は子供の教育にかかっています。特に幼児から小学生の教育のあり方が、非常に重要だと思います。子供たちの人生に広がりを持たせるには、学力や知識は必要でしょう。自分で考え、行動する。自立的に生きていく方法を学ぶことは不可欠です。当然、英語もやった方がいい。自分自身の可能性を広げるためにも、頑張って学んでほしいと願っています。



● 2011.12.12
 (No.2)<249>
みな日本企業から学んだ

高 清愿(こう・せいげん)氏
[統一企業董事長]

ここまで成長してこられたのは、私たちに技術とマネジメントを伝えてくれた日本企業のおかげだと思っています。


いいものを、努力して安く作っていれば、ちゃんと儲かる。これは日本から学んだことです。


台湾の人口は、今でも2300万人ぐらい。小麦粉を作っているだけでは、どれだけシェアを高めてもやっぱり小さい。成長し続けるためには、多角化していくしか道がなかったんですよ。


私たちが今や台湾にセブンイレブンをおよそ4800店舗を構え、小売業として売上高首位になるまでに成長できた大きな理由は、製造業としての統一企業の利益を守ろうとしなかったことにあると思います。もちろんセブンイレブンは、統一企業グループで製造している飲料や加工食品を販売する重要な販路です。取扱高も大きい。ただそれが目的になっては、小売業はうまくいかないということです。


私たちは統一企業グループの商品を陳列する「売り場」としてセブンイレブンを経営しているのではなく、あくまでも消費者のニーズに応えるために経営している。それを忘れないようにしないと、消費者から受け入れられず、成功を収めることは難しかったのではないかと思います。



● 2011.12.05
 (No.1)<248>
今こそ、世界の頂を狙う

河盛 裕三(かわもり・ゆうぞう)氏
[関西ペイント社長]

これまで、世界のトップに君臨するためにはまず米国でシェアを握り、次に欧州市場や日本市場を奪わなければいけませんでした。実際、米の大手塗料メーカーは米国市場だけでも世界トップに踊り出る勢いがありました。


成長する中国やインド、そしてアフリカの需要を取り込んだ企業がトップに立つでしょう。そう考えると、当社は実にいいポジションを取っている。


我々は今、売り上げが3000億円規模で営業利益は200億円程度になっています。利益を重視するのが本筋でしょうが、まずは売上高を1兆円規模にしようとぶち上げました。そのためには、調達や技術開発、生産から総務・経理まで今のやり方をすべて変えないと実現できません。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(59)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(59)


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2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。



● 2011.11.28
 (No.4)<247>
「課題先進国」で技術を磨く

尾崎 元規(おざき・もとき)氏
[花王社長]

現在の海外売上高比率は3割弱ですが、2020年にはこれを60%に引き上げる目標を掲げえいます。ただこれまでは、グローバルに展開するためのトータルの戦略と、それを実現する体制が備わっていませんでした。


一体運営では、まず日本とアジアの仕事を標準化することから始めました。会計伝票の処理の仕方、物の運び方、オーダーの出し方など、各国バラバラだったものをすべて標準化していきます。


デフレとの戦い方に王道はありませんが、消費者は本当に必要なものなら値段が少々高くても買ってくれるし、使い続けてくれます。それを開発するのがメーカーの使命だと思っています。



● 2011.11.21
 (No.3)<246>
試される突破力 ソフトバンク、携帯参入5年の転機

孫 正義(そん・まさよし)氏
[ソフトバンク社長]

戦略というのは、外部からなるべく見えない方がいいんです。買収(ボータフォン日本法人)当時、「勝てる見込みのない会社を買った」と散々叩かれましたが、むしろそれでよかった。戦が始まる前までは「あいつはバカだ、アホだ」と思われるのがベストです。そして水面下で、とっておきの武器を準備しておく。それを世に出した時、事前の予想との振れ幅が大きいほど、効果も大きくなる。


日本の電力は今、緊急事態が続いています。エネルギー政策のあり方も、方向性を失っていると言っていい。そんな状態で、一刻も早く原発を再稼働するなんていうのは、僕にとっても醜い行為だと思います。産業界の銭カネのために、子供たちや母親たちを犠牲にしていいのか。


リーダーは大ボラに聞こえるぐらいの高い志を掲げて、情熱を燃やしてやっていかないと発展はないと思うんですね。最初からクジラを目指すべきです。オタマジャクシから始めたらカエルにしかなれません。



● 2011.11.14
 (No.2)<245>
「スマホ特需」はまだ続く

村田 恒夫(むらた・つねお)氏
[村田製作所社長]

当社の製品が採用される背景には、軽薄短小化を貫いてきた歴史があります。当社は長年、電子部品市場で「限られた箱の中にどれだけの機能を詰め込むか」という競争を続けてきました。その結果、SAWフィルターや電気を蓄えるMLCC(積層セラミックコンデンサー)など、高性能でしかも小さく薄い部品を作ることにかけては、どこにも負けない力をつけました。


主流がスマホになろうが何になろうが、フィルターやコンデンサーなどの中核部品に求められる基本機能はそれほど変わりません。そうなると必然的に、高性能でかつ小さく薄い部品のニーズが高まります。


技術面である程度追いつかれるのは、やむを得ないと考えた方がいい。重要なのは、こちらが技術革新を継続していくことです。つまり、研究開発投資を続けて、技術の開発スピードを高めていくのが唯一の有効策と考えています。


国内工場は付加価値の高い部品を生産し、海外の工場はローエンドの汎用品を担うという役割分担の体制です。現在の海外生産比率は15%程度ですが、2012年度末までに30%まで引き上げる計画です。



● 2011.11.07
 (No.1)<244>
テレビ縮小、苦渋の判断

大坪 文雄(おおつぼ・ふみお)氏
[パナソニック社長]

画質は日本勢の方が高かったと思います。また3D(3次元)テレビやインターネット対応テレビなど先進的な製品は日本メーカーにアドバンテージがあるでしょう。


しかし、韓国メーカーの薄型テレビを分解すると、商品によっては部品点数の削減率が日本製よりも進んでいます。部品の削減は技術者の地道な努力のたまものであり、コスト削減を進めるのに最も有効な方法です。


設備投資が重過ぎました。これからは「アセットライト(資産の軽量化)」戦略に転換します。生産量の拡大による収益の追求はもうやめます。


2009年度に33%だったアジアからの調達比率を、2012年度に50%に引き上げる計画です(編集部注:日本国内の調達比率は57%から40%に引き下げる)。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(58)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(58)


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● 2011.10.31
 (No.5)<243>
解任劇の真相を話そう

マイケル・ウッドフォード(Mickael Woodford)氏
[オリンパス前社長]

問題として指摘したいのは、英医療機器メーカーのジャイラス買収の件だ。2008年に、オリンパスが20億ドル(当時の為替レートで約2000億円)を投じて買ったことは知っていた。私は当時から、「買収価格が異常に高い」と批判的だった。それは社内の多くの人が知っていることだ。


問題は、買収後に買収価格の3分の1に当たる6億8700万ドル(約520億円)もの手数料を財務アドバイザー(FA)に払っていたことだ。これは全く知らなかった。しかも、支払った相手は、英領ケイマン諸島にあるAXAM(アクザム)という会社などで、実態はいまだに誰も分からないという。そんなことが許されるわけがない。


9月30日の取締役会で、私は確かにCEOになった。菊川剛会長は「経営会議には、もう出席しない」と発言した。これは私がオリンパスの社内にいながら、会社を良い方向に変えるための最後の手段だった。「少し望みが出てきた」。そう思ったが、実は問題が解決するには全く向かわないことが、直後に判明する。


そしてハッと気がついた。私がCEOになっても、オリンパスの全役員は菊川会長の命令で動いている。自分で考えて、企業にとって最適な行動を取るわけではないのだ、と。



● 2011.10.24
 (No.4)<242>
儲からない損保を変える

隅 修三(すみ・しゅうぞう)氏
[東京海上ホールディング社長]

震災からほぼ半年経って業界全体で1兆1300億円を保険金として支払いました。しかし、地震が起きた当初は一体どうしたらいいのかと一瞬途方にくれたのも事実です。我々には阪神・淡路大震災(1995年)や新潟県中越沖地震(2007年)などの経験があるので、これはケタを超える損害になると、瞬時に想像できたからです。


損保から見た地震のリスクは大きく2つあります。1つは当然ながら個人の地震災害。業界全体では個人地震保険の支払いは80万件に上りましたが、損保にとっては国の再保険制度で(我々が支払う保険金をカバーできるので)何とかなりました。2つ目は、国の再保険制度の対象ではなく各損保が独自に引き受ける企業向けの地震保険。これは民間の再保険を使うのですが、再保険会社も昨年から言うとチリ、ハイチ、ニュージーランド、中国そして日本と大地震が続いて(保険金支払いで)大きなダメージを受けています。そんなこともあり、再保険会社は日本の地震リスクに極めて慎重になっています。


消費者の行動が今、変わっている。携帯やスマホなど、顧客とのコミュニケーション、購買の手段が変化しているのです。その動きに対応して我々も新たな技術を購買の手段の中に入れていかなければならない。そして、そこで得られたものの良いところを我々の販売の柱である代理店チャネルの中に生かしていこうと思っています。


今年度の予想利益に占める比率を見ると、損保が22%、海外41%、生保30%になっています。でも生保の比率が高くなって、損保が縮小していいというわけではありませんよ。


考えてみれば保険とは何をやるビジネスでしょう。リスク分散です。いろんな種類のリスクを受け、地理的にも様々な地域のものを受けるのが分散。その延長にあるのが海外です。一方で、日本は地震、台風など自然災害の多い国。そのリスクを世界で分散していくのはもともとの私の発想でもありました。



● 2011.10.17
 (No.3)<241>
素材を制し、社会を制す

日覺 昭廣(にっかく・あきひろ)氏
[東レ社長]

今では、繊維事業は60%が海外生産になりましたし、フィルム事業の海外生産比率も80%まで上がりました。会社全体の海外売上高比率も45%に達しています。その結果、為替変動にはかなり強い体質になりました。事実、1円の為替変動に対して、営業利益の変動幅は4億円程度まで低下しています。


国内の役割は、研究開発を続けてハイエンド製品を作り、生産技術を確立して現場力を強化すること。一方で、市場が拡大して生産量が増えている製品は、参入者の増加で価格が下がるので、コスト競争力に勝る韓国や中国に持っていく。国内と海外の切り分けを簡単に言えば、こういうことです。


韓国は大統領以下が強烈な危機感を持っています。どういうことかと言うと、韓国には素材産業や部品産業がありません。サムスンが気を吐いていますが、使っている素材や部品は日本企業が中心です。日本に対する韓国の貿易赤字が大きいのも、日本から輸入しているからです。


ユニクロさんとはお互いに緊張感を持った中で、がっぷり四つに組んで事業を進めています。東レはユニクロさんの望む製品を作る。ユニクロさんは作ったものを確実に売る――。最初は数百万枚の規模だったものが、3年前に2800万枚になり、今年は1億枚まで拡大したのは、こうした信頼関係を積み重ねた結果です。ただ、ユニクロさんの要求は厳しいですよ(笑)。


僕はよく言うんだけど、本質的にモノを変えるためには、素材が変わらなければならない。今回のボーイング787にしても、素材が変わらなければマイナーチェンジでしかありませんでした。「素材革命」というのかな。素材には社会を変える力がある。しかも、素材革命には技術の蓄積が必要なんですよ。素材は一朝一夕ににできるわけではありません。炭素繊維にしても、ここまでに50年かかりました。水処理の逆浸透膜も40年、繊維に至っては80年以上も技術を蓄積してきました。こういった蓄積があるからこそ、お客様に対して様々な技術提案ができるわけです。



● 2011.10.10
 (No.2)<240>
研究者を「憧れの職業」に

山中 伸弥(やまなか・しんや)氏
[京都大学iPS細胞研究所長]

日本が生きていく大きな道の1つは科学技術立国だと考えています。研究者や技術者はみな、科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負しています。若くて柔軟な人が次々と研究に従事するようになれば、もっと伸びていくでしょう。


ただ、理系離れは深刻です。日本では研究者の地位があまりに低い。若い人たちに研究者が魅力的な仕事に見えていません。このままでは担い手がいなくなってしまうと懸念しています。


米国は日本の逆です。医師よりも研究者の方が社会的地位が高い。ハードワークなのは日米同じですが、ちゃんとした家に住んで、ホームパーティーを開いて、楽しく暮らしている人が多い。給料そのものも高く、ベンチャー企業とのつながりも強い。ですから、米国では研究者が憧れの職業なのです。


中村先生(中村修二氏、青色発光ダイオードの開発者、現カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授 注:藤巻)は勇気を持って、当然の権利を主張したと考えています。その彼が、今は米国で教壇に立っている。日本人としては寂しいことです。すごい技術を開発した研究者に、日本の若い人たちは学び、後に続くことができたら、どれだけ素晴らしいことか。


研究は、最初から社会の役に立つようにしようと意識しすぎると、浅いものになりがちです。みんなが実用化間近の研究ばかりやり出すと、将来のイノベーションの芽が摘まれてしまいます。



● 2011.10.03
 (No.1)<239>
技術革新、日本とともに

ジェームズ・マックナーニー(W.James McNerney.Jr)氏
[米ボーイング会長、社長兼CEO(最高経営責任者)]

(次世代旅客機「787」は)半世紀以上前に米ボーイングが投入した本格的なジェット機「707」以来となる、最も革新的な飛行機です。航空会社には劇的な経済性と生産性をもたらし、長距離を飛べるのに環境負荷は大幅に軽くなります。燃費性能はこれまでより20%低減されます。


日本の企業はサプライヤーではありません。パートナーです。彼らの力なくして、今回の革新的な技術は生まれませんでした。例えば三菱重工業は主翼の生産を担当しています。とても構造が複雑で、しかも全く新しい複合材を採用しました。三菱重工の力がなければ、できなかったでしょう。ボーイングだけでなく、日本とともに成し遂げた技術革新です。


パートナーを選ぶ時には国や文化は関係ありません。互いに技術革新と競争を続け、その成果として最高の飛行機を生産できるなら、ボーイングと日本企業の関係は永遠に続きます。


企業が人によって成り立っていることは変わりません。企業トップに課せられた第1の役割は、優秀な人を見つけ、成長させ、彼ら自身に成長を実感させることです。大企業にとっては挑戦とも言えますが、それが私の最も重要な仕事です。私はよく言っているのですが、人が成長すれば企業も成長していきます。人が中心にあると、私は信じています。


空洞化は大きな問題ではありません。大切なのは教育です。教育によって水準の高い労働者を育成できれば、世界で競争力を維持できます。優秀な従業員を育成できて、彼らがさらにほかの人を教育できるなら、すべての仕事を日本で抱え込む必要はありません。教育が行き届かなくなれば、空洞化にかかわらず仕事を失います。その方が問題です。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(57)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(57)


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● 2011.09.26
 (No.4)<238>
「低信頼性社会」を攻める

重光 昭夫(しげみつ・あきお)氏
[韓国ロッテグループ会長]

2018年にどんな会社がアジアでトップになるのか分かりません。日本でも海外展開で成功している企業はありますから、トヨタなどのいくつかの企業がトップ10に入るでしょう。


我々も存在感のある企業にならなくてはならない。そこで国営企業のような公企業を除いた、いわゆる上場企業の中で20兆円くらいの売上高があれば、トップ10に入れると考えました。


今後10~20年の世界経済の伸びのほぼ7割がアジアです。目標を策定してした2008年時点で、2030年の世界経済の状況を試算したのですが、当時は欧州連合(EU)と米国を足すと世界経済のおよそ5割でした。日本を含めたアジアは26%。それが2030年には逆転します。世界経済の46%くらいがアジアで、EUと米国を合わせて26%くらい。世界の成長センターは今後、間違いなくアジアに移ります。


M&Aは基本的に、安くないと買ってはいけない。例えば、インドネシアで現金卸問屋のマクロを買収したのは2008年10月末なんです。ちょうどリーマンショックの1カ月半後でした。当時は「こんな時に買って気が狂っているんじゃないか」と言われましたけど、今考えるとあれは最高のタイミングでした。安く買うと、それだけ設備投資などに資金を回せます。大体、そうした時は、競争相手もいませんから。


韓国企業はオーナーが絶対的な権限を持って、大きな決断ができます。グローバル展開での差は、企業のリーダーシップに尽きると思います。



● 2011.09.19
 (No.3)<237>
もはやメーカーではない

潮田 洋一郎(うしおだ・よういちろう)氏
[住生活グループ会長]

INAXとトステムが持ち株会社を作って10年が経過しても、実質的な統合はできなかった。にもかかわらず今回は、一気に3位の新日軽まで含めて統合できた。市場が縮小する中で、あまり業績がよくない大きな会社を2つ買うことで、統合を進め、固定費削減などに取り組まざるを得ない状況を作り出した部分があります。


まずはコストシナジーが一番大きなところです。3割ぐらいは削れると見ています。既存事業の売上高営業利益率で10%台程度の数字が出る体質になりたいと思っています。


さらに、もう1つの効果である販売シナジーを大きくしたい。


コストダウンになるなら、我々のサービスを活用してくれるところは増えるでしょう。家の値段を引き下げことができるわけですから。


そうすると、ある意味でTOTOやYKKAPといったこれまでのライバル企業が、我々のライバルじゃなくなるんです。窓がトステムだろうが、YKKAPだろうが、新日軽だろうが、我々が合理的に新しいサプライチェーンを作ればいい。ですから競争の形が激変すると思います。



● 2011.09.12
 (No.2)<236>
海外事業100億ドルへ

三浦 惺(みうら・さとし)氏
[NTT社長]

M&Aというものは、1+1が2になるだけではダメなんです。ところが買う時は当然時価にプレミアムをつけて買うわけだから、それだけで1+1が2以下になってしまうケースもある。さらに今回のように、NTTの傘下に入れば、ディメンション(南アフリカ共和国のシステム大手ディメンション・データ 注:藤巻)が持っていたほかの通信会社との仕事が減る可能性だってある。それを回避するためにはシナジーを発揮させなければならない。


ディメンションは、顧客企業のオフィスや工場など拠点の中に入っていって細やかなシステムを構築することに長けた企業です。従来のNTTグループが全く持っていなかった分野であり、相互補完効果が非常に高いと思っています。


先日NTT東日本はセブン・イレブン・ジャパンとの提携を発表しました。コンビニエンスストアに無線LAN基地局を設置させてもらい、スマートフォンなどでブロードバンドが利用できるようにします。NTTグループの公衆無線LANスポットは現在2万カ所程度ですが、今後、NTT東日本で5万カ所、NTTドコモで10万カ所といった具合に拡大させます。その結果、光回線は従来のように各家庭に加入してもらうだけでなく、企業利用が増えていくでしょう。



● 2011.09.05
 (No.1)<235>
「技術革新」と「効率性」両立

楊 元慶(Yang Yuanqing=ヤン・ユエンチン)氏
[レノボ・グループCEO(最高経営責任者)]

NECのパソコン部隊とレノボの部隊を統合する予定です。3年以内に日本市場で両社合わせて30%以上のシェアの獲得を目指します。両社を合わせた現在のシェアは約25%です。日本市場で(NECとレノボの)デュアルブランド戦略を展開し、競争力のある製品を安く提供することで必ずシェアを高められると信じています。


企業が成功するには、少なくとも2つの特性を持つ必要があります。1つは「イノベーション(技術革新)」、もう1つが「効率化」です。両方をバランスよく持つ企業だけが、長期的な成功を収めることができます。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(56)

日経ビジネスのインタビュー
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● 2011.08.29
 (No.4)<234>
原発の世界需要揺るがず

佐々木 則夫(ささき・のりお)氏
[東芝社長]

原子力と火力、水力、地熱。これらはどんなに気候や天候が変わろうと基本的にはべースロードを狙える電源としてそれなりに確保する必要があると思います。現在の日本の場合、ベースロード電源として全電力の60%を確保する必要がある。稼働率によって変動しますが、そのうち原子力が担っているのが全体の約30%です。これをすべて再生可能エネルギーに置き換えると、変動がありすぎて難しい。


むしろ経済合理性で言えば、日照の強い中東で太陽光発電をするのと、曇りがちの日本でやるのとでは倍ほども効率が違うことを認識すべきです。


」一番利益が出ている事業に集中すれば相当稼げるのに、悪い部分があるから全体としては中くらいということ。これを何とかして構造改革しようというのが、リーマンショック以降の課題なのです。



● 2011.08.22
 (No.3)<233>
LCCの大部分は消え去る

ジェフリー・スマイゼック(Jeffery A. Smisek)氏
[米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス社長兼CEO(最高経営責任者)]

旧ユナイテッド航空とコンチネンタル航空。この2つの航空会社は互いに補完関係にあった。コンチネンタルはもともと米東海岸に非常に強みがあった。ニューヨークのハブ空港を中心に大西洋路線が強く、南はヒューストンから中南米まで多くの路線を提供していました。しかしべい西海岸や北側には、あまり大きなプレゼンスを持っていなかった。一方の旧ユナイテッドはもともと西海岸からのアジア路線が強かった。サンフランシスコ、ロサンゼルスに大きなハブ空港を持っていました。


どんなにグローバル企業になったとしても、我々エアラインは最終的にはサービス業です。重要なことは、従業員一人ひとりが自発的によいサービスを提供できる、そういう文化を作り上げることだと思います。


我々は世界で最も大きな航空会社だと言われますが、私は規模の大小というのはどうでもいいと思っています。それよりも世界をリードする航空会社になりたい、これが目標です。



● 2011.08.08-15
 (No.2)<232>
今こそ日本にビジョンを

カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏
[日産自動車社長兼CEO(最高経営責任者)]

今回の「日産パワー88」(2016年までに世界シェア8%、営業利益8%(2010年度はそれぞれ5.8%、6.1%))は、2回の危機を乗り越えた末にできました。リーマンショックと東日本大震災です。日産はそれぞれの危機に非常に即応力のある形で、覚悟を持って果敢に挑みました。


ブラジルに本格的に進出するのは正直、私自身大変うれしいですが、優先順位を変えるわけではない。まずは会社の利益です。日産にとってはまずは中国、2番目にインド、3番目はロシア、それからブラジルは4番目という順番。今、ブラジルに行く時がきたのです。


ブランドを重視するのは、成長の持続につながるからです。ブランドがあるからこそ価格力がある。ブランド戦略がなければ、ただ単に日用品となるだけです。ブランド力はお客様の定着率や忠誠心につながる。お客様は強いブランドを第1の選択肢にします。それが適切な商品じゃないということであれば、別のブランドに移ってしまうという順番です。


今、日本に足りないものはビジョンです。あるべき姿を描いた計画が必要だと思います。



● 2011.08.01
 (No.1)<231>
脱“銀行”改革は7合目

細谷 英二(ほそや・えいじ)氏
[りそなホールディングス会長]

銀行界では、経営トップには「頭取」という特殊な呼称があります。また、顧客重視と言いながら午後3時には営業店のシャッターを閉めます。それは、自分たちが特別な産業に従事しているとの意識が強いからだと考えています。私は「銀行の常識は世間の非常識」と言い続け、とにかく普通の会社にしようとしてきました。


顧客との対応の仕方も、「ホテルの従業員が座って応対していますか。普通のサービス業になろう」と言い続けました。社員を大阪のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどに研修に出し、サービス業とは何かを根本から学ばせました。


店舗内の事務処理スペースを減らし、その分を顧客対応に回すなどの改革も実施しました。店舗での顧客の待ち時間をゼロにして、営業時間も午後5時までに拡大しました。すると、顧客に褒められるようになりました。理屈だけで組織は変わりません。顧客から評価されるにつれて、社員の意識も次第に変わってきました。


OB、あるいはグループ会社との関係など、過去に成功体験を持つ組織には、しがらみが至る所にあります。その組織で育ったトップは、このしがらみをなかなか否定できない。しがらみがなかったことが、私がりそな再建に当たった最大のメリットだったと言えます。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(55)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(55)


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● 2011.07.25
 (No.3)<230>
多様化なくして未来なし

長谷川 閑史(はせがわ・やすちか)氏
[武田薬品工業社長]

日本企業であっても、21世紀はダイバーシフィケーション(多様化)とグローバリゼーションの2つの流れを上手く取り込まない限り、成長も生き残りもあり得ないということです。


最大の課題は、日本の武田本社の国際化、多様化です。欧州や米国に本拠地がある企業は、海外の優秀な人材に本社を経験させることが普通にできる。ところが日本企業は、これがなかなかできない。それを変えていかないと、ほんとうの意味でのグローバル企業になれないので、計画的に進めています。


部下にやれと言いながら俺は別だよというのは武田では通用しません。


当社は京都大学と共同研究契約を結んでいますが、学術機関とはさらに積極的に協力していきます。当社の研究開発費は年間3000億円で、研究者の数は1200人程度。社外にいる何十万人の研究者と協力しキャッチアップしていくのは、当たり前のことなんですよ。



● 2011.07.18
 (No.3)<230>
「七人の侍」でアジア拓く

三宅 占ニ(みあけ・せんじ)氏
[キリンホールディングス社長]

余計なところにコストをかけるべきではない、というのは震災の教訓です。「生茶」のキャップは緑にしたいとか、いろいろ現場で要望はありますが、そのために全体の生産量が落ちては意味がない。白のキャップだっていいじゃないかと。その方が生産性が10%上がるらしいですよ。


原点に戻るには、マインドや働き方を変えないとダメなのではないか。熾烈なシェア競争をしている時に我々はどこを見ていたのかというと、お客様ではなくアサヒばかり見てしまっていた。アサヒがこういう商品を出したからうちも出さなくちゃいけない、と。いったいキリンは何をやっているんだと長年のお客様は憤り、落第の通信簿をもらってしまったわけです。


国内最大の課題は「総合飲料戦略」です。キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンなどで、資源配分だとか、コスト削減や売り上げ面のシナジーをしっかりやっていく必要がある。少子高齢化で市場は厳しいですが、ビアテイスト飲料の「フリー」が新しい需要を創造できたように、カテゴリーの枠に捉われないような商品開発に取り組むことが課題ですね。



● 2011.07.11
 (No.2)<229>
新興国でも「人が基軸」貫く

井上 礼之(いのうえ・のりゆき)氏
[ダイキン工業会長兼CEO(最高経営責任者)]

コマツや資生堂など、中国で成功している会社は現地法人を経営する権限を中国人に任せていると聞きます。それだけでなく、現場で働く工員には技能を教えて熟練工に育てているようです。教えた工員が他社に転職することも覚悟のうえで、技術の出し惜しみをしない。溶接なら溶接で最高の技術を教わっていると彼らが実感できるようにする。そして優秀な人材は職場長などに抜擢します。


断崖絶壁に追い込まれた時に、(給水しなくても加湿できる機能のある)「うるるとさらら」というヒット商品が誕生しました。本当の危機に直面した時に、力を発揮するのが人間の可能性です。


ただ、過信や慢心は禁物です。ダイキンはリーマンショックの時に減収減益にはなりましたが、赤字にはならなかった。こんな時には過信に陥りがちです。実際、そんな現象が役員陣を含めて、ところどころに見えます。品質問題も心配しなければなりません。これから新興国向けに低価格の商品を作っていくわけですが、その品質基準がまだ完成していません。


新興国でボリュームゾーンを攻めるには、最先端のエアコンはコストが高すぎます。ですから下請けの部品メーカーを抱える「垂直統合」ではなく、汎用化した部品をライバルと一緒になってでも大量生産する「水平分業」にして、徹底的にコストを下げる。


一方で新興国は国によって空調の好みが違います。例えばシンガポールでは部屋全体が寒いというほど冷やします。風が体に直接当たるエアコンが好まれます。


このため経営計画では、商品開発を日本、米国、欧州、中国、タイ、インドの6地域に分散し、世界の8地域でマーケティング機能を強化する方針を打ち出しました。


ダイキングループとして、全体最適と部分最適をうまく調整する人材を育てないと、下手をすれば、方向性を定めずに暴走するようになり、最重点の市場で他社に負けてしまいます。


結局、外国人でも本当にダイキンの経営理念を理解し、それが好きだという人材を採用し、育成できるかどうかが重要になります。



● 2011.07.04
 (No.1)<228>
世界中でエネルギー投資

ペーター・レッシャー(Peter Loscher)氏
[独シーメンス社長兼CEO(最高経営責任者)]

シーメンスでは、社内で「メガトレンド」と呼んでいるものに戦略的に経営資源を集中してきました。


メガトレンドとは、「都市部への集中」「人口の増加、高齢化」「気候の温暖化」「経済のグローバル化」といった、将来に影響を及ぼす世界的な潮流のことです。ここに成長市場を見つけます。


このメガトレンドに沿って選択と集中を進めた結果、現在の事業部門は「インダストリー(産業機器)」「エネルギー」「ヘルスケア(医療機器)」の3つに要約されています。


私が就任した当時は、旧幹部らの不正支出事件などもあり社内が混乱していました。しかし需要なのは「危機を見逃すな」ということです。危機的状況というのは、何を変えなければならないか、何を改めて強調すべきかを見極める機会でもあります。


当時のシーメンスには、各事業や各地域におけるリーダーシップが不足していました。私は従業員との対話を続けることで、リーダーシップの開発を通じた組織の強化を図りました。また人材育成の面では、社内の研修施設「リーダーシップ・アカデミー」において、教育を強化しています。


その結果、日本法人では初の日本人CEOが、中国法人でもはつの中国人CEOが登場し、各地域の事業拡大に取り組んでいます。私は現在も仕事の時間の7割を使って世界中を回り、従業員と対話するようにしています。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(54)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(54)


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● 2011.06.27
 (No.4)<227>
土壌を耕し続け人育てる

山西 健一郎(やまにし・けんいちろう)氏
[三菱電機社長]

日本のモノ作りのレベルは今でも非常に高いと思います。今回の震災で、海外の顧客に迷惑をかけた製造業があったとはいえ、それは日本の製造業が、品質やコスト、納期の面で高い技術を備えていることの証しです。ただ、技術レベルが高いとはいえ、今回の震災で抜けがあることが分かった。


ここは反省し、日本の製造業は以前よりも1段高い安全性、信頼性を構築する必要があるでしょう。先ほどの話とつながりますが、外部に指摘されている問題点を受け入れ、真の原因を追究し改善していくことが重要です。


常に畑を耕し、種をまき、一つひとつの事業を強くする。そのうえでインテグレーションしていくことが重要です。統合化していくことで、新しい事業の種が生まれます。


後は海外ですね。海外売上高比率は現在、33~34%。グローバル化については、まだ弱いと思っています。ここを2013年度以降のできるだけ早いうちに40%に引き上げたい。中国、インド、東南アジア、南米などが有望だと思っています。そのためにも海外を含めた人材育成に力を入れていく必要があります。



● 2011.06.20
 (No.3)<226>
情理絡めてアジア攻略

上田 準二(うえだ・じゅんじ)氏
[ファミリーマート社長]

今、中国では598店のファミリーマートを展開していますが、それを2020年度には8000店体制にします。この時期には日本を含めたグローバルで4万店体制になっているでしょう。そのうち2万9000店は海外です。


今年度内にインドネシアに出店する計画です。実は1年半前からFS(事業化調査)を続けてきました。この国の市場は有望です。人口は2億人を超え、国民の平均年齢は27歳前後と非常に若い。コンビニになじみやすい世代が莫大な人口の中心を占めているんです。


2009年の小売り全体の市場規模は132兆円前後といいます。そのうちコンビニが占める割合は8兆円程度にすぎません。さらに言えば、大手コンビニ、チェーンストア、百貨店を全部合わせても、まだ小売り全体の市場シェアの2割程度しかないんです。残りの8割のうち大部分は昔ながらの商店、専門店です。こうした店の経営者は高齢化が著しく、もはや存続が難しくなっています。置き換わっていくとすればコンビニでしょう。それが一番、合理的ではないですか。


直営方式で1日15万円程度の売り上げでも採算が合う店舗を6月中に被災地に出します。あらかじめ5坪程度の店舗ユニットを建設しておき、必要な場所にトラックで運んで組み立てます。この方法ならば短期間、低コストで出店できるでしょう。来客数が増えれば、新たにユニットを積み木のようにつなげればいい。


私は当初、被災地の加盟店の方々に謝ろうと思ったんです。「不便をかけました」って。でも加盟店の方々は、私がお詫びの言葉を半分も言わないうちに、「社長とんでもない。店が元に戻ったら心機一転、もっといい店にします」とおっしゃってくれた。私はその言葉を忘れません。



● 2011.06.13
 (No.2)<225>
安定供給、民間任せは矛盾

天坊 昭彦(てんぼう・あきひこ)氏
[石油連盟会長、出光興産会長]

エネルギーの安定供給には本来、国が責任を持つべきです。例えば、採算が合わない過疎地のガソリンスタンドには、国が補助金を出すなどして他地域と競争できる環境を整えれば、安定供給は守れます。


私は、日本は地熱発電をもっと導入すべきだと考えています。地熱発電は、太陽電池や風力発電などとは異なり、発電量が変動しません。しかも、火山大国の日本には、地熱発電の潜在力がある。日本には2300万キロワットの地熱資源があると言われ、これはインドネシアと米国に次ぐ、世界第3位の規模なのです。2300万キロワットといえば、原発23基分に相当します。


地熱発電の適地の大半は、国立公園の中にあります。また、周辺の温泉地の反対に遭い、断念した計画も多い。この10年で、地熱発電は1基も新設されていません。ですが、事業環境が整備できれば、地熱で多くの電力を得られる可能性があるのです。


実は、出光興産では大分県に1カ所、地熱発電所を持っています。それをもっと増やしたい。環境整備にリーダーシップを発揮し、発電事業を拡大したいと考えています。



● 2011.06.06
 (No.1)<224>
グローバル本社を欧州に

森 雅彦(もり・まさひこ)氏
[森精機製作所社長]

金属を削る精度にしても、マザーマシン(機械を作る機械)と言われるだけに、世の中に存在する機械で最も高い精度が求められます。機械が緻密に動くには、搭載するモーターやセンサーなどの部品も一級品でなくてはならない。また、顧客は購入した工作機械を20年くらいは使い続け、使用条件も過酷です。長期間にわたって安定的に動く耐久性も必要になり、工作機械は参入障壁が高い分野です。


人類にとってモノを作る価値がなくなることは将来もないでしょう。ですが、工作機械も技術的にはこれから成熟化が進み、いつかはそんな精度の高い機械は必要ないというところまで行き着いてしまいます。


震災によって工場や拠点の配置を見直すことはありません。ですが、本社機能がある名古屋は中部電力の浜岡原子力発電所から100㎞ちょっとの距離です。この間に新幹線や東名高速道路が走っており、協力企業も少なくありません。有事の対応策を多角的に見直しているところです。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(53)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(53)


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● 2011.05.30
 (No.5)<223>
アジアから目指す世界一

柳井 正(やない・ただし)氏
[ファーストリテイリング会長兼社長]

日本を食べさせていくのは、グローバル化した企業とグローバル化した日本人なんです。日本を支えていくには海外展開しかありません。この思いは震災を経てますます強くなりました。


短期間でグローバル化を果たしたアップルやグーグルのように、5年、10年といったスパンで一気呵成にグローバル化を果たしたいと思っています。


今までは欧米でナンバーワンになることが世界一になる近道でした。しかし、これからはアジアでナンバーワンになることが、世界一につながるかもしれない。


僕たちはアジアについて勉強しなければなりませんし、「一緒にやっていきましょう」とお願いする立場にある。そうした認識を持っていない人はいまだに多い。日本はアジア各国よりも進んでいると思い込んでいる。上から目線なんです。


それは全くの錯覚で、日本は20年もの間、成長から遠ざかってきました。あと10年もすれば、アジア各国に完全に追いつかれるでしょう。こうした認識を持ったうえでアジア展開に取りかかることが大切です。



● 2011.05.23
 (No.4)<222>
効率至上主義は限界に

上釜 健宏(かみがま・たけひろ)氏
[TDK社長]

TDKはインドやインドネシア、フィリピン、南米にも生産拠点を構えています。これらの国々に比べ、中国は人材が豊富です。やはり、「世界の工場」と呼ばれるだけのことはあります。TDKの海外生産比率は約85%に達していますが、中国だけで約65%に上ります。


最近は世界の工場としての役割よりも、消費市場としての重要性が増したと言われますが、生産地としての中国の優位性は依然として高いのではないでしょうか。



● 2011.05.16
 (No.3)<221>
利益なくして安全なし

稲盛 和夫(いなもり・かずお)氏
[日本航空会長]

以前からお話ししておりますが、JALを上品で高級感のある航空会社として存続していくという考えに変わりありません。多くのエアラインがある中で、粗rなりの料金を頂戴しながら、お客様に喜ばれるサービスを提供する会社であり続けたい。料金で対抗するLCC(格安航空会社)が出てくるでしょうが、ビジネス客や余裕のある人に、こぞってお乗りいただく。高級感はあるけど偉ぶらないサービスをして、生き残っていかなければと思います。


初年度の売上利益率が10%超えている状態でした。1兆3000億円の売上高で、1800億の利益というのは約14%の利益率です。売り上げが10%程度下がっても、利益分ガ吹き飛ぶだけでまだブレーキが利く。20%下がってもイーブンでいけるだろうと。30%になってしまうと月次で赤字転落は仕方ないですが、大体2割程度の変動には耐えられる力があると思っています。


JALの再生には何もマジックを使ったわけではありません。社員の意識を変えたから、やる気を出させたからです。何も分からない、誰も引き受けないもの、引き受けたら大変なことになると誰もが危惧するものを引き受けて、成功させていったことに産業界復活のキーがあるはずです。


私は徒手空拳で資金もありません。ただ強い意志とガッツを持ってきて、それをJALの幹部に移植した。その手法しか日本産業が復興する方法はないと思います。



● 2011.05.09
 (No.2)<220>
「総合」だから危機に強い

小林 喜光(こばやし・よしみつ)氏
[三菱ケミカルホールディングス社長]

理科系の人間は時間軸で考えます。


当社は進むべき方向を「KAITEKI価値」という尺度で見ています。2015年にはLEDや記録メディアといった機能部品と、医薬を中心としたヘルスケア、そして汎用品(コモディティー)をバランスよく3分の1ずつにしたい。


中国やインドは今、コモディティーがものすごく必要とされる社会です。機能商品については、先進国でも中国やインドでも求められています。一方、非常に高度なファッション性のあるような製品は今は先進国でなければ求められません。ただ、必要とされる製品は時代とともに動いていく。だから時間軸を意識して、どの製品もやっていかなければなりません。



● 2011.05.02
 (No.1)<219>
未来に評価される復興を

村井 嘉浩(むらい・よしひろ)氏
[宮城県知事]

宮城県でも復興会議というものを独自に立ち上げました。全国レベルで活躍されている有識者の方に集まっていただき、復興計画の中身について大所高所からアドバイスを頂きます。


6月に県議会がありますので、それまでにたたき台を作って、8月に国に予算要求をしていきます。9月の県議会までに正式なものを作って、県の復興計画とし、具体的な事業を進めていくことになります。それを市町村に渡して、そこから市町村で自分たちの街に合ったものを作ってもらう。


内容は、第1次産業から第3次産業までのバランスが取れたものを目指します。特に今回最も被害を受けたのは、少子高齢化が顕著な第1次産業ですから、少人数で利益がしっかり出る構造に持って行きたい。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(52)

日経ビジネスのインタビュー
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● 2011.04.25
 (No.4)<218>
原発の安定化へ総力戦

中西 宏明(なかにし・ひろあき)氏
[日立製作所社長]

福島第1原発を安定化させるために全力を尽くさねばならない。その責任はあります。3月11日の地震発生直後から、24時間体制の「原子力緊急対策室」を立ち上げ、総力を挙げて事態の改善に向けて取り組んでいます。


ただ、今回の件に関して、当社が賠償責任を負うことはない、と考えています。津波によって引き起こされたトラブルに対してまで、原発設備を納入している製造者が責任を負えるのか、ということです。


破損した核燃料の処理に関しては、日本は素人です。その経験やノウハウを持っていないので、欧米の支援を受けているわけです。



● 2011.04.18
 (No.3)<217>
アジアでも自前主義貫く

高原 豪久(たかはら・たかひさ)氏
[ユニ・チャーム社長]

商売に何が大事かということです。答えを先に言うと、それはお客さんですね。商売はすべてそうなんです。商社だけでなくて、本質的なことは、どこの業界でも一緒だと思います。


日頃から、いかにお客さんをつかみ、情報を集めるかが大事なんです。繊維時代は、どんなブランドが人気なのか、将来人気が上がるのか、デパートが欲しがっているのか、といった情報を必死に集めていました。


我々はどちらかというと繊維、食料という生活消費関連に強みがあります。資源みたいに一発で何百億円儲かるというのとは違いますが、地道にやっていけば、安定した利益になる分野ですね。資源はやらないかというと、指をくわえて見ているわけにはいかないから、もちろんやりますよ。だけどあくまで生活消費関連と資源というものの両方を見ながらやっていきます。



● 2011.04.11
 (No.2)<216>
「答え」は現場が知っている

岡藤 正広(おかふじ・まさひろ)氏
[伊藤忠商事社長]

経営というのは、我田引水できたところが勝つと僕は思っているんです。自分たちが優れた水田の経営モデルを作れれば、そこに水を持ってくるのが一番。世の中のためにもなる。


問題は、優れた水田の運営方法をきちんと提案できて、それを現地に賛同してもらえるかどうか。郷に入っては郷に従えというだけではないんです。


それから、水田ではほかの作物を作り始めてはいけない。やっぱりお米に専念することです。ユニ・チャームで言えば、あくまでも不織布吸収体という主力事業から派生させつつ、ターゲットを選び分けていく。


その代わり、ユニ・チャームは赤ん坊からお年寄りまで、人生の隅々まで接点を持てる商品を展開している。人口動態の変化に対しても非常に対応しやすいし、景気変動に対しても、どこかが下がっても上がったところで埋めていくことができる。これをうまく使わない手はありません。



● 2011.04.04
 (No.1)<215>
日本はいい国になる

佐治 信忠(さじ・のぶただ)氏
[サントリーホールディングス会長兼社長]

当社でも節電のため照明や暖房を消していますが、これでも仕事ができているわけですから、それは反省しますよ。今まで贅沢していたなぁと。


ただ、こういう経験をすると、これを境に日本はこれからいい国になっていく気がします。


海外の人も絶賛しているけれども、今回の日本人の行為を見ると、改めて素晴らしい国民だと思います。


東北の被災地の復興とともに、日本はいい国になる可能性がある。今年はしんどいかもしれないけれど、皆で盛り上げて、我々もそのお手伝いをする。希望があるんじゃないかと。


大変な悲劇ですが、いい国になる原動力にしたい。いや原動力にしなければなりません。


特に東京は被害が少ないんだから、我々が元気にならんと、被災地の人たちは元気になりません。


元気でいることを幸せに思って、数倍努力していかなければなりません。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(51)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(51)


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● 2011.03.28
 (No.4)<214>
外食界の革命児、再出発

長谷川 耕造(はせがわ・こうぞう)氏
[グローバルダイニング社長]

会社の立て直しのためもう一度、足元を見直しました。


好調のライバル店のやり方も研究しました。


そうした中、自分自身、かつてやっていた方法を忘れていることに気がつきました。


それは、自分が目配りしやすいように近距離にできるだけ多く出店をすることです。


その範囲に4タイプのレストランを展開するのです。


毎日、それぞれの店をじっくり回ることができ、効率よく運営できました。


そこで最近、原点に戻って組織を作り直すことにしました。


まず、業態ごとの組織割りを改め、銀座、六本木・白金、西麻布・代官山といった具合に7つの地域ごとにCL(センターリーダー=いくつかの店舗を統括する役職)が統括する組織に改めました。


それぞれの地区には異なる業態のレストランがあります。



● 2011.03.21
 (No.3)<213>
被災地支援、義援金より当座の資金を

鈴木 盈宏(すずき・みつひろ)氏
[愛知県社会福祉協議会ボランティアセンター運営委員会委員長]

阪神・淡路大震災で、私がボランティアをした時、最初の2週間は全く役に立てなかった。


被災者からの支援要請の電話を受けてもうまく応えられず、周囲の人に教えてもらう体たらくでした。


結局、仕事ができるようになったのは3週間目に入ってからです。


企業に提案したいのは、ボランティアが現地に入るようになると、そこですぐに使える資金を支援することです。


義援金を贈る企業は多く、それは重要です。


ですが、義援金は被害の全容が確定するまでは事実上プールされ、後から現地での復興支援に使われるのが普通です。


そのため、被災間もない現場ではボランティアの活動資金が枯渇するというケースが頻発します。


義援金と併せて、当面の活動資金を寄付することが、現場のいち早い復興に役立つことを理解してもらいたいと思います。



● 2011.03.14
 (No.2)<212>
国や店の枠組みは要らない

ハワード・シュルツ(Howard Schultz)氏
[スターバックスCEO(最高経営責任者)]

この40年間、スターバックスは主に小売企業だった。


結果、世界中に約1万7000の店舗ができ、週に6000万人のお客様にサービスを提供し、20万人を雇用する企業に成長した。


これは喜ばしいことだ。


だが一方で、将来的には、スターバックスは小売業者であり続けると同時に、ブランドの強みや信頼を生かし、店舗内外で新製品を市場へ送り出していく予定だ。


スターバックスは、店舗と同時に消費者向けの製品を扱う会社を持ち、大規模な消費財メーカーを構築することになるだろう。


これまでにない企業が、近々生まれると思う。


ライバルは内にある。


すなわち、我々自身がライバルであって、外の世界ではない。


スターバックスの運命は、私たち自身が切り開いていく。


だが一方で、常に謙虚な姿勢を失ってはいけない。


私にとっての成功とは、成功を共有できることだ。



● 2011.03.07
 (No.1)<211>
おせち届かず、すみません

アンドリュー・メイソン(Andrew Mason)氏
[米グルーポンCEO(最高経営責任者)]

まず、販売数の設定ですが、「目が胃より大きく」なってしまいました。


つまり、目算が甘く、本当に作れる量と配れる数を把握できなかったのです。


じっくり客数と製造能力などを考えて「どこまで増やしたら限界か」を見極めることが大切です。


今後は、例えばレストランならテーブルや従業員の数、営業時間、さらにクーポンの発行数と実際の利用数の関連性などを事前にしっかり確認して、取引の概要を決める。


リスクを減らすためのきめ細かさを徹底します。


料理の質も高めなければなりません。


当社には協力するお店と話し合うプランナーが大勢おります。


信頼できる店かどうか。


料理の味はどうか。


特におせち料理のように私たちが扱った経験の少ないもの、地域性の強いものについては、より慎重な対応が大切です。


ウェブサイトでお客を集める前に、取引先や社内の運営体制に問題はないか点検する「チェックリスト」を強化します。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(50)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(50)


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● 2011.02.28
 (No.4)<210>

渋沢の原点はパリにあり

鹿島 茂(かしま・しげる)氏
[明治大学国際日本学部教授]

渋沢(栄一)は生涯に数多くの株式会社を起こし、鉄道事業に関わり、銀行を設立しました。


このように資本主義のインフラを精力的に整備した渋沢が、その着想をどこで得たのか。


私はその答えが、フランス・パリにあるのではないかと仮説を立てました。


渋沢は明治維新のさなかにパリ万国博覧会への使節団に随行しています。


ここで渋沢は、サン=シモン主義に触れたのではないかと考えたのです。


サン=シモン主義とは、高度資本主義の地盤が全くないところに、インフラを整備して外部注入的に資本主義を植えつけてしまう方法論です。


フランスで提唱され、実践されていたこの考え方と、帰国後に渋沢が実践した資本主義導入のプロセスがそっくりだったことから着想しました。


この人は、人間が好きなんだろうなあと思いますよ。


人格者であり禁欲主義者のように思われていますが、妻妾を同居させるということもしています。


女性好きの井上馨や伊藤博文とは馬が合ったようです。



● 2011.02.21
 (No.3)<209>

ゲームのデフレを突破

岩田 聡(いわた・さとる)氏
[任天堂社長]

無料で手に入るものと有料のものが同質ならば、無料にいくのは道理ですよね。


お客様から見れば今、ゲームと名のつくものは、かたや無料あるいは無料に近い値段で遊べ、片やそうではないという状態です。


そこで僕らは、いかに同質にならないかだと思うのです。


任天堂はなぜ任天堂なのか。


ハードとソフトを一体で提案することで、お客さんを驚かす手口をより多く使えるからと思っています。


任天堂は無料や安価といった世界とは一線を画します。


出口を増やすのではなく、出口を最適な場所に絞り込んでお客さんに価値を認めていただくという方向でやっています。


私は必ず、任天堂はゲームソフトのデフレに対応できると考えています。


それには我々が彼らにできないことをしないといけない。


異質なものを提案して価値を認めていただけるかどうかに、すべてがかかっているのではないでしょうか。



● 2011.02.14
 (No.2)<208>

与謝野氏去り、小党揺らぐ

平沼 赳夫(ひらぬま・たけお)氏
[たちあがれ日本代表、衆議院議員]

2011年1月13日、政党「たちあがれ日本」の共同代表だった与謝野馨・衆議院議員から離党届を受け取りました。


事前の相談などはなく、私にとっては突然の出来事でした。

(中略)

与謝野氏は政界きっての財政通という認識が私にはありました。


政治を立て直したいという情熱は強く感じます。


宗旨替えの批判は甘んじて受け、今は菅政権で頑張っているようですから、頼むから晩節は汚さないでほしい。


成果を出す行動をしてもらいたいと思うばかりです。

与謝野氏の離党はもう過去のこと。


もう済んだことです。


たちあがれ日本の国会議員は5人になってしまいましたが、もう一度、結党時の原点に返って一致団結していきたいと思います。



● 2011.02.07
 (No.1)<207>

失敗は挑戦の結果

田口 三昭(たぐち・みつあき)氏
[バンダイ副社長]

我が社は、定番商品のリニューアルなどを含めると。年間1000商品以上を投入します。


そのうちどのくらいの商品が成功するかというと、残念ながら3割程度にすぎません。


7割は失敗するのです。


子供の話題を独占できるようなヒット商品の足元には、うまくいかなかった数多くの商品が転がっています。


まさに死屍累々。


言い方は悪いかもしれませんが、“多産多死”モデルと言っていいでしょう。


3割のヒット商品がどれだけ売れるかで業績が大きく変わります。

失敗は、挑んだ結果です。失敗の規模は、その社員がどれだけ周囲を巻き込めるかを測る指標です。


だから、過去に大きな失敗をした人間は、それだけチャレンジ精神に溢れ、周囲の人間を動かす力量があると判断します。

これは、売り出す商品の3割しか成功しない我が社だからこそできる発想かもしれません。


失敗は避けられないという意識が全社員に共通認識としてありますから、「失敗=能力がない」とは考えないわけです。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(49)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(49)


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● 2011.01.31
 (No.5)<206>
液晶の”次”でも勝つ

片山 幹雄(かたやま・みきお)氏
[シャープ社長]

液晶テレビが産業として、変わり目に差しかかっていることは確かです。


今の延長線上で考えれば、技術的な進化も限界が近づいています。


大型化といっても、人々が求める大きさには限界があります。

ですからシャープは次のステージに移行します。


かつてブラウン管テレビを液晶テレビに替えてみせたように、産業の新たなステージを切り開いてみせます。

それができなければ、垂直統合モデルを追求している意味がありません。


具体的にはまだ話せませんが、液晶テレビが有機ELに転換するというレベルのものではないことだけは言っておきます。

的外れのことをしていたら、次の10年は市場から干されてしまいます。


しかし、チャンスをしっかりつかまえれば、次の10年も大きく成長できます。


もっとも、新ステージに移行しても、5~10年も経てば、低価格化が進み、また「水平分業の方がいいのではないか」などと言われそうです。


そうなれば、また次のステージにシフトするまでです。



● 2011.01.24
 (No.4)<205>
永遠におもねらない

ウランツ・フェーレンバッハ(Franz Fehrenbach)氏
[独ボッシュ取締役会会長兼CEO]

創業者の最後の遺書には、「会社の社会貢献と、持続的な成長を両立させる道を探せ」とありました。


その遺志に従って後継者の見つけた答えが、非営利の慈善財団が会社を所有するという企業形態だったわけです。


株式の7%を持つ創業家の存在も重要です。会社の後ろにボッシュがいる。


そのことが、社員のアイデンティティーにつながるからです。

自動車業界の値下げ圧力はすさまじい。


毎年、3~5%の値下げを要求されます。


しかし、技術でイノベーションを起こし、競争を先んじることができれば、数年はそのプレッシャーから逃れることができます。

金融危機後、世界の自動車業界は新興国のローコストカーにシフトしています。


技術だけではなくコスト面でもリーダーシップを取らないといけない。


技術のイノベーションは、短い間しか我々を守ってくれませんから。



● 2011.01.17
 (No.3)<204>
女性が働き続けるニッポン

西田 厚聰(にしだ・あつとし)氏
[東芝会長]

坂東 眞理子(ばんどう・まりこ)氏
[昭和女子大学学長]

<坂東>女性が働き続けていくことを後押しする制度作りでも、日本は米国から大きく後れを取っています。


日本政府は2005年に、「社会のあらゆる分野で2020年までに、指導的な地位の女性の割合を最低で30%程度になるよう期待する」という閣議決定をしています。


閣議決定までしているのに、ほとんどの日本人はその事実すら知りません。

<坂東>21世紀に入って10年が経ちました。今こそ政府は「男性の公共事業」から「女性の公共事業」へと、雇用対策の軸足を移すべきです。

<西田>製造業からサービス業へ、産業構造を転換すべきというご意見ですね。


おっしゃる通り、製造業はどちらかというと男性中心の職場でしたが、サービス業は女性の労働力にもっと頼ることができる産業です。


ただ、米国と比べれば、日本は経済の構造転換が遅れているのが実情です。

<西田>これからは新興国など海外事業が拡大していくことになるでしょう。


ですが、東芝は日本の会社ですから、日本で雇用を確保していきたい。


そのために国内にも積極的に投資を続けていきます。


ただ、日本の労働人口が減ることを考えれば、女性をもっと積極的に活用しなければなりません。



● 2011.01.10
 (No.2)<203>
歩みが遅いわけではない

豊田 章男(とよだ・あきお)氏
[トヨタ自動車社長]

インド市場はチャンスが大きい。

保有台数がまだ少なく、新規保有がどんどん伸びている。

エティオスの発売で、本格的なモータリゼーションの波に乗りたい。

先進国と比べて、新興国は本当に元気だ。

その成長に遅れないようトヨタも頑張りたい。

エティオスをベースにしたクルマでインド以外の新興国も開拓する。

トヨタにはスピード感が足りないという声もあるようだが、決して遅いということはない。

開発や人材の育成に時間をもらったということだ。

エティオスを展開する中で、クルマを生産する人材やアフターサービス担当の人材が育っていく様子を見てから、再度評価してほしい。



● 2011.01.03
 (No.1)<202>
「社会的責任」よりも「社会の共有価値」創出を

マイケル・E・ポーター(Michael・E・Porter)氏
[米ハーバード大学経営大学院教授]

CSVは米ハーバードビジネスレビュー誌の2011年1月・2月合併号に共著で発表した『Creating Shared Value(共有価値の創出)』で提唱した。

2006年の論文に「戦略的CSR(企業の社会的責任)」と表現したものを発展させた。

従来のCSRは企業の名声を高めるため取り組むことが多く、慈善事業や寄付でいいと思われていた。

だがCSRが戦略と分離しては意味がない。

名声が高まるのはよいが、それを目的にするようでは社会に大きなインパクトをもたらせず、利益にもならない。

企業の利益につながり、社会にも新しい価値を生み出すには『共有価値の創出』が重要だ。

それがCSVだ。

CSVは、資本主義の本質を変えながら利益を生み出していく企業活動だ。

CSRの発想からもっと先に進まなければならない。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(48)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(48)


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● 2010.12.20・27
 (No.3)<201>
「2人で経営」という選択

ジム・ハガマン・スナーベ(Jim Hagamann Snabe)氏
[独SAP共同CEO(最高経営責任者)]

共同CEO(最高経営責任者)という経営のあり方は、SAPにとって自然なことです。

創業以来、ほぼずっとこの体制でやってきました。

(中略)

2人CEO体制の狙いは技術的な施策を考える「イノベーター」と、効率的な事業運営に詳しい「ビジネスパーソン」のスキルを組み合わせることです。

その狙いは奏功していると言えるでしょう。

(中略)

企業が勝ち残るためには、熱意と顧客視点に立った綿密な計画が必要です。

つまり、大きな「夢」を示し社員をやる気にさせる一方、問題を解決する「各論」も示せるリーダーシップが不可欠です。

夢は大事ですが、それだけでは不十分なのです。

その点、ビル(米国人のビル・マクダーモット)はこれまでずっと顧客対応の役割を担ってきましたし、私も開発畑ながらキャリアのうち大きな部分を顧客対応に費やしてきました。

SAPのCEOに必要な資質は、ビルと私のスキルを合わせることで満たせていると思います。


● 2010.12.13
 (No.2)<200>
勝つ法則は自ら創る

野路 國夫(のじ・くにお)氏
[コマツ社長]

中国で事業モデルを確立するうえで欠かせなかったのが、GPS(全地球測位システム)などを使って建機の稼動状態を遠隔監視する『KOMTRAX(コムトラックス)』です。

全世界で導入台数は19万台に達し、最多なのが中国です。

もともとは盗難防止を目的に開発したシステムですが、機械の動いている地域や台数を逐一把握でき、将来の需要を予測しながら効率的に生産できるようになりました。

さらに資金回収の面でも効果を発揮しました。

中国で油圧ショベルの主な顧客となるのは、いわゆる個人事業主です。

先進国と違って建設業界が未成熟で、大企業はまだ少ない。

製品単価が高いため割賦販売が主流ですが、顧客の信用力に応じて選別していては販売先が限られます。

コムトラックスがあれば信用力の低い個人事業主が相手でも、資金回収に気をもまずに済みます。

なぜか。

販売後に油圧ショベルが稼動しているかを追跡すればいいからです。

動いていれば顧客は作業代金をもらっていることを意味し、支払い能力があると判断できます。

一方、稼動していなければ不払いとなるリスクが高いと判断し、場合によっては機械を差し押さえます。

仕事があるのに支払わない悪質な顧客には、遠隔操作でエンジンを止めることで対応し、回収リスクを大幅に低減できました。

米キャタピラーを含む競合に先駆けて導入したコムトラックスは、市場シェアと利益率の両面で大きく貢献しました。


● 2010.12.06
 (No.1)<199>
米失業率、高止まりの謎

北尾 早霧(きたお・さぎり)氏
[米ニューヨーク連邦準備銀行調査部シニアエコノミスト]

米国の失業率が高止まりしている。

2008年の金融危機後、それまでの5%を下回る水準から急上昇し、2009年10月には約25年ぶりの水準である10.1%を記録した。

現在まで失業率は9.5%から1%の狭い範囲内で推移している。

雇用の低迷は景気回復を遅らせる最大要因なだけに、懸念される。

“自前主義”を捨て、補完関係のある相手と組む必要がある。

(中略)

何が失業を高水準にとどめているのだろうか。

1つの答えが、米シカゴ大学のロバート・シャイマー教授が理論化したミスマッチによる失業にある。

労働市場で何らかの摩擦が生じると、需要(求人)と供給(求職)がうまくかみ合わず、双方が同時に上昇したり、一方が上昇しているのに他方が下落しないという状況が生まれる。

一例が、看護師の求人は増えているが、求職しているのはベテラン機械工といった、職業や技術のミスマッチだ。

(中略)

記入危機以降の景気後退でミスマッチが拡大し、雇用の回復を妨げている可能性は高い。

(中略)

ミスマッチとは別に、景気対策のための政策変化が、失業を増加させている可能性もある。

(中略)

失業の主要因が総需要の減少による循環的なものなら、雇用保険の延長など失業者の一時的な生活保護、法人税の引き下げや新規雇用への助成金など、短期的な救済や経済刺激政策は有効だろう。

一方、求人・求職の構造的ミスマッチに起因するなら、長期的視野に基づいて人材再配置を促す政策が求められる。

例えば、職業訓練への助成や成長分野での公的投資・雇用、不動産市場改革などだ。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(47)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(47)


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● 2010.11.29
 (No.5)<198>
社員の力を新会社に糾合

松田 譲(まつだ・ゆずる)氏
[協和発酵キリン社長]

企業の中では、個人は小さな歯車に過ぎない。

1人では空回りするだけなんですよね。

(中略)

今のままでは、研究欲を満たすだけの会社になってしまう。

“自前主義”を捨て、補完関係のある相手と組む必要がある。

(中略)

何のために仕事をしているのかがはっきりしていれば、社員はついてくる。

でも普通、合併や統合ではそこをスキップしがち。

とにかく速くやることが大事だ、と。

でも、それでは社員はついてこない。

(中略)

企業は、社長の能力以上にはなれない。

私が能力を高めることが、会社全体の力を底上げすることだと思います。

(中略)

カットとか廃止とか、最近の世の中はダウンサイズのことばかりですね。

でも、明るいニュースがあるとテンションが上がる。

頑張れば、こんなふうになれると打ち出さないと。

じゃないと、若い人たちが元気に仕事をできないでしょう。



● 2010.11.22
 (No.4)<197>
弱みを公開して強くなる

矢澤 正睦(やざわ・まさよし)氏
[コーセー人事部グループマネジャー]

一言で言えば管理職の360度評価だが、通常の360度評価と大きく違うのは、管理職が自分が受けた評価を自ら同じ立場の管理職たちに公表し、さらに自分を評価した部下たちにもそれに対する思いを述べて、次期の目標を宣言する点にある。

(中略)

連結売上高約1700億円の当社は、国内化粧品会社では3番手の位置にある。

とはいえ、上位2社との開きは大きい。

連結売上高が約6400億円に上る国内トップの資生堂は、中国をはじめ積極的に海外展開し、当社から見ればはるかに手の届かない所にいる。

2番手の花王・カネボウ化粧品は、ビューティーケア事業の売上高で5400億円規模を誇る。

こちらも、企業としてのスケールが違う。

縮み続ける国内化粧品市場で、売上高2000億円に満たない当社がこれら上位2社に追いつこうとしても難しい。

国内の序列では3位だが、上位2社を追いかけても、恐らくコーセーに将来はないだろう。

(中略)

近年、管理職は若返る傾向にある。

以前は50歳手前くらいの年齢で部長になったが、今では40代前半で部長になる者も増えてきた。

当社が世界で独特の存在感を持つ企業になるために、過去の成功体験を捨て、新しい時代に適応しチームを盛り立てられる優れた管理職を1人でも多く増やしたいと考えている。



● 2010.11.15
 (No.3)<196>
成長幻想からの覚醒を

村上 智彦(むらかみ・ともひこ)氏
[夕張医療センター センター長]

何が気にかかるのか。

それは、経済は成長させなければならないということを前提においている点だ。

新聞やテレビなどで、経済学者やエコノミストと呼ばれる人たちの言説を読んだり聞いたりしても、総じてこの前提を崩してはいないようだ。

しかし私には疑問に思えてならない。

高度成長を経て成熟したこの国に、そもそも成長の余地が残っているのかと。

輸出主導にせよ、内需主導にせよ、経済成長を求める人々の姿が、私には「ないものねだりをしている子供」のように見えて仕方がない。

(中略)

そもそも生活水準が多少下がっても、今まで贅沢していた部分がなくなるだけ。

満足度が大きく低下することはない。

例えば日本の医療は世界保健機構(WHO)などから「世界一」と評価されており、ある程度レベルを下げても質の高い医療を提供できる。

にもかかわらず、医療に対する日本の国民の満足度は低い。

日本よりも医療レベルが低い英国などの満足度が高いのとは対照的だ。

これも、常に明日が今日よりも良くなることを前提とする日本人の成長志向の弊害だろう。

経済が縮小しても、生活水準が大幅に下がるわけではない。

ましてや幸福度が大きく損なわれはしない。

我々は手遅れにならないうちに「下り方」を考えるべきである。



● 2010.11.8
 (No.2)<195>
変化する力で危機を突破

ケン・シュノールト(Kenneth I.Chenault)氏
[米アメリカン・エキスプレス会長兼CEO(最高経営責任者)]

柔軟にニーズに合わせて変わっていける組織作りに必要なのは、リーダーシップです。

そうした時にリーダーはまず、自分の言動に対する忠実さ、誠実さを示さなければいけません。

従業員はチームに対する信頼感がなければ、動けないからです。

それはただ正直であるという意味ではありません。

そうではなく、「言動が常に一貫している」ことを指すのです。

また、包容力のあるリーダーであることも重要です。

これだけ複雑な世の中です。

すべての課題を1人が掌握することはできません。

違った文化の、違った市場で、違ったものの見方、違った考え方をする人と出会い、受け入れていくことも重要です。

(中略)

リーダーは、限られた時間内で迅速に意思決定をしなければいけない時もあります。

必ずしも、すべての意見に耳を傾ける余裕はありません。

そういう時は、「こっちに行くと決めた」と明確に意思決定をしなければなりません。

その一方、できるだけ多くの人の意見を聞く必要がある場面もあります。

最高のリーダーとは多くのマネジメントスタイルを、環境に応じて使い分けられるリーダーだと思います。



● 2010.11.1
 (No.1)<194>
経営者が陥る失言の罠

ディディエ・コシン教授(Didier Cossin)氏
[IMD ファイナンスとガバナンス教授]

良い判断とは根拠に基づき進むべき正しい道を決定する能力のことである。

それは、知識というハード的な要素と、直感というソフト的な要素から成り立っている。

まず、1つ目の要素である知識は、どのように習得されるのか。

前提として、知識は個人の努力だけではなく、組織的支援によって育まれるということを忘れてはならない。

それは、2008年に起きたサブプライムローン問題の例でも明らかだ。

当時、多くの経営者は、銀行が投資しているサブプライムローン商品の実態を理解していなかった。

問題に気づいていたのは専門家だけで、正しい情報が経営者に報告されていなかったのである。

(中略)

知識に加え、正しい判断を支えるもう1つの要素が直感だ。

それは、知識よりもソフトな側面を持ち、個人に深く根ざしたものである。

直感は感情に依存しており、ほぼ間違いなく、それ自体が感情の大部分を形成している。

実際、もし、物事を意識させる生理的な高ぶりが感情であると考えれば、直感は極めて感情的なものと言える。

直感とは何かを考える時、いわゆる虫の知らせや第六感、不安や疑念のような身体的感情を引き合いに出す人も多い。

トップレベルで意思決定を下す人は、その際、脳における知識の処理だけでなく、むしろ基本的な生理的反応である直感にも頼っている。

しかし、知識だけでは世界の複雑性に対処するのに不十分であるのと同じように、直感だけでも判断を誤る。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(46)

日経ビジネスのインタビュー
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● 2010.10.25
 (No.4)<193>
脱“ガラパゴス”の3カ条

ドミニク・テュルパン教授(Dominique Turpin)氏
[IMD学長]

日本企業はどのようにグローバル化したらよいのか考えてみよう。

参考になる例が、オランダにある。

日本の大企業よりずっと規模が小さいながらも、競争が激化しているGPS(全地球測位システム)を使ったナビゲーションシステムで、世界をリードするトムトム(Tom Tom)である。

同社は、取り外しができる簡易型カーナビで市場を席巻している。

日本の大手メーカーが数十万円もする車載型カーナビで、AV(音響・映像)機能などを充実させることに血眼になっている隙に、安いものでは1万円程度で売られる簡易型カーナビで瞬く間に急成長した。

本格参入したのは2002年だが、2009年の連結売上高は約15億ユーロ(約1700億円)。

2010年第2四半期における簡易型カーナビ市場シェアは欧州で49%、米国では23%と、米ガーミンと世界市場をほぼ二分している。

(中略)

なぜ、トムトムは短期間でグローバルブランドへと成長できたのか。

その成功要因を抽出すると、次の3つに集約できる。

1つ目は、消費者が抱える普遍的な悩みを解決する製品作りに集中したことである。

トムトムの場合、それは「道に迷う」というドライバーの悩みだった。

2つ目が、当初から世界展開を目指し、市場の地理的多様性を広げてきたことである。

そして3つ目は、すべてを消費者目線で考え、柔軟な組織で変化に機敏に対応している点だ。



● 2010.10.18
 (No.3)<192>
景気の二番底は来ない

ジョン・デイナ(John P.Daane)氏
[米半導体工業会(SIA)会長、米アルテラ会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)]

今(先端技術である)40ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセス技術を使ってASIC(特定用途向けIC)を開発するとすると、500万~1000万ドル(約4.3億~8.5億円)もの初期コストが必要になります。

そうした余裕を持つ企業は、限られます。

特に社会インフラなど、数が出ない市場向けにASICを開発するのは難しくなっています。

一方で、顧客企業が独自機能を自由に追加できるプログラマブル・ロジックなら、ASICのような大きな初期開発コストがかかりません。

例えるなら、プログラマブル・ロジックの半導体は、白紙のキャンバス素材に似ています。

アルテラは絵の具や筆を提供し顧客自身に絵を描いてもらうことで差別化します。

市場への投入期間を短縮できるうえ、環境変化に応じて回路設計を書き換えられます。

一方でASICは、既に完成した絵画作品のようなものです。

どちらの方が使い勝手がいいかは明らかでしょう。

この利点から、プログラマブル技術を採用する顧客が増えているのです。

(中略)

イノベーションのカギを握るのは、個人の創造性です。

広い視野で物事を考え、リスクを背負える人が必要です。

米国の西海岸のシリコンバレーには、そうした環境が用意されています。

実験をして失敗し、そこから学び、さらにイノベーションに挑めるような風土が、長年にわたって育まれています。

しかしこれは、決してシリコンバレー特有のものではありません。

私はかつて、ソニーの久多良木健氏(元副社長)と一緒に仕事をしたことがあります。

彼は(ゲーム機の)プレイステーションで、以前とは違った概念やシステムをゲーム業界に持ち込もうと考え、それに成功しました。

日本にもイノベーションの芽は眠っています。



● 2010.10.11
 (No.2)<191>
このままではLEDも負ける

中村 修二(なかむら・しゅうじ)氏
[米カリフォルニア大学サンタバーバラ校材料物性工学部教授]

韓国や台湾などのメーカーと日本メーカーを比べると、まず投資規模が1ケタ、2ケタ違います。

韓国メーカーなどは、世界トップを取ると決めて、非常に積極的に動いています。

日本以外の国の企業は、最初からグローバル市場を考えているので、生産規模が半端ではありません。

ところが、日本メーカーはまずは国内市場を固めようとするので、投資規模が小さくなります。

そのうえ、意思決定が遅いのです。

確かに優れた技術は持っていますが、量産段階では海外メーカーに負けてしまうと思います。

日本メーカーの経営者は、その多くがサラリーマンです。

リスクが取れず、大規模な投資をタイミングよく意思決定することができません。

最大の問題は、持っている優れた技術や製品をグローバル展開できないところです。

携帯電話と同じです。

(中略)

韓国サムスン電子がLED素子に投ずる設備投資は、2020年までに7000億円と聞いています。

大規模な設備投資だけでなく、世界中から優秀な人材を集めています。

(中略)

若い時から海外にどんどん出すべきです。

そうしないとせっかくいい技術を持っているのに、世界に売り込めません。

グローバル化の波に置いていかれてしまいます。



● 2010.10.4
 (No.1)<190>
ステーキ大手、上場廃止

南 慎一郎(みなみ・しんいちろう)氏
[どん社長]

2006年に大阪証券取引所(大証)第2部に上場していたダイエー子会社のフォルクスを買収し、存続会社をフォルクスとして合併することで上場会社となりました。

そして後に社名を「どん」に変更しました。

しかし、存続会社の役員の大半が旧どんの出身者だったことなどから、「不適当な上場維持」という指摘を大証から受けました。

上場を維持するには、合併してから3年以内に再審査を受けなければいけませんでした。

しかし当社はこの再審査を受けることができず、今年7月に上場廃止になってしまいました。

2010年2月期の決算で当期純損益が約28億5100万円の赤字となり、再審査を受けるための条件(純利益1億円)を達成できなかったからです。

(中略)

存続会社は合併初年度(2007年2月期)の決算で純損益が8億1700万円の赤字を計上しました。

その後も業績不振が続き、2008年2月には経営の立て直しと資金調達の目的で第三者割当増資(15億円)を実施して、吉野家ホールディングスの傘下に入りました。

(中略)

コストを削減するだけでは企業は成長しません。当社には、全店舗合わせて年間約2000万人の来客があります。

その中には、年に1回程度しか来店していないお客も多い。当社が成長するための戦略は、こうしたお客の来店頻度を増やすことだと考えています。

長期的な成長のために、味の改良や接客サービスの向上など地道な取り組みを続けていきます。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(45)

日経ビジネスのインタビュー
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● 2010.9.27
 (No.4)<189>
邦楽市場は“ガラパゴス”

高木 哲実(たかぎ・てつみ)氏
[タワーレコード社長]

一番の誤算は邦楽のラインアップが揃わなかったことです。特にライトユーザーの多くが好むJポップのヒット曲などを揃えることができなかった。

ナップスターに登録された約1000万曲のうち、9割以上が洋楽でした。

邦楽の登録数が増えなかったのは、ナップスターが定額制のサービスだったことが関係しています。

日本の音楽配信ビジネスは、1曲ダウンロードするごとに課金する単曲販売のサービスが主流です。

このため、定額で聴き放題というナップスターのコンセプトが、日本のレコード会社には受け入れられなかった。

レコード会社の多くは「定額サービスは採算が見込みにくい」と考えていたようで、ナップスターでの配信に消極的でした。

(中略)

欧米の動きを見ていると、今後の音楽配信ビジネスの主流はストリーミング(逐次再生)やDRMフリー(著作権保護機能がつかないファイルを配信)になる可能性が高いと感じます。

世界の潮流に沿って日本市場も変化していれば、新システムに移行した後も日本のサービスを継続できたかもしれない。

定額制のコンセプトが受け入れられなかったこともしかり、最大の敗因は日本市場が世界の潮流とは違う形で独自進化を遂げる「ガラパゴス化」していることです。

私たちはこの壁を乗り越えられなかった。

日本の音楽業界は、今もストリーミングやDRMフリーなどに対して“鎖国的”な姿勢を取り続けています。



● 2010.9.20
 (No.3)<188>
見えない存在になる努力

会田 法行(あいだ・のりゆき)氏
[報道写真家]

新聞社に所属していた頃は、そこで起こっている事件や事柄を追いかけていましたが、今はそれに関わる人々の喜怒哀楽を撮りたいと思っています。

大学で学んでいた当時、報道写真で大切なことは「invisible」だと教えられました。

つまり、被写体にカメラを向けてシャッターを押している時に、目に見えない存在と思われるくらいのコミュニケーションを取りなさいということです。

この言葉が、今も自分の礎となっています。

長期的なドキュメンタリーに取り組む時は特に、取材対象者と十分なコミュニケーションを取ります。

自分がどんなテーマで写真を撮りたいのか、何のために、どういうことを伝えたいのかなどを根気強く話します。

相手にあきれられることもありますが、自分が納得するまでは妥協しません。

そうすることで、その人の素顔やそこにある事実、抱えている問題が浮かび上がってくるのです。



● 2010.9.13
 (No.2)<187>
リーマンショックは去らず

桂木 明夫(かつらぎ・あきお)氏
[リーマン・ブラザーズ証券元在日代表]

今回の金融危機が起きた原因について、多くの専門家が検証を行い、書籍も出版されています。

私も渦中にいた1人として、当時の状況を振り返った日記や原因を私なりに分析したものをまとめています。

金融危機が起きた原因は、端的に言うと過大なレバレッジを利かせて収益の増大を追求しすぎたのだと思います。

レバレッジが高すぎて金融機関が破綻した事例は、過去にもあります。

例えば1998年に大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が破綻した時もそうです。

しかし今回の金融危機は、過去とは違った側面があります。

金融派生商品はかってないほど複雑化、グローバル化しています。

このため、個々の金融派生商品に内在しているリスクの管理が難しくなっているのです。

IT(情報技術)化が進んだ現在の金融市場でいったん“メルトダウン”が始まると、そのリスクがどのような形と速度で世界に伝播するのか。

それを誰も想像していなかったし、研究対象にもなっていなかった。

複雑な金融取引でも瞬時にコンピューターで処理されてしまうため、ある国の市場で起きた出来事が一瞬のうちに世界に広がる世の中になったのです。

金融システムのIT化と金融工学の進歩は、とどまるところを知りません。

金融派生商品は今後、さらに複雑化する可能性があります。

ですから行きすぎた金融取引を規制しようとする米政府の方向性は、私は正しいと考えています。



● 2010.9.6
 (No.1)<186>
「売ってなんぼ」の営業を全員で高める

大塚 裕司(おおつか・ゆうじ)氏
[大塚商会社長]

業績が悪化して、まず考えたのは営業の底上げでした。

社員を「良い子」「悪い子」「普通の子」に分け、「悪い子」である営業成績が下位の30%を「U30(アンダー30)」と名づけ営業のイロハから指導することにしました。

(中略)

営業支援システムの導入は、個人の情報を全社で共有することで、組織としての力を引き出すことも意図していました。

しかし、システムを使いこなせない部署もありました。

これらを変えていく取り組みが、U30研修の実施であり、組織横断的なマーケティング組織である総合プロモーション部の新設です。

リーマンショックに直面して、大塚商会は複合機などハード機器に依存した収益構造を改革していくことが求められています。

新しい収益分野の開拓は、1人の力ではなし得ません。

個々の社員の底上げと共に、その社員の力を全体として発揮していく仕組み作りが必要になっています。

今ほど組織の基礎体力作りが求められている時代はありません。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(44)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(44)


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● 2010.8.30
 (No.4)<185>
食べないものは売るな

玉村 豊男(たまむら・とよお)氏
[エッセイスト、画家、ワイナリー代表]

県内で食べないものを県外に売ろうとするのは、そろそろやめた方がいい、というのが私の持論である。

宮崎県民が誰も食べない1個数千円のマンゴーを県外に売り込むことで知事が名を上げるような時代は、過ぎ去ったのではないのか。

B級グルメが流行っているのはなぜだろう。

それは、宇都宮には餃子の店がいっぱいあって地元の人たちが餃子を食べているし、富士宮には焼きそばの店がいっぱいあって地元の人たちが焼きそばを食べているからだ。

地元の人たちが好んで食べているものだからこそ、おいしいですよ、といって差し出した時に説得力がある。

もし、世界中で流行っているスシに憧れて日本にやってきた観光客が、日本のどこを探してもスシ屋がなく、日本人がスシを食べていなかった・・・と知ったらどう思うだろうか。

自分たちが食べていないものを、他人に売ろうとしてはいけない。

これは食べもの商売の鉄則だが、外商よりもまず地消を、外需を頼る前にまず内需の拡大を、と考えるのは、ほかのあらゆる分野にも適用できる発想ではないだろうか。



● 2010.8.23
 (No.3)<184>
新しい価値観を創る喜び

須藤 シンジ(すどう・しんじ)氏
[フジヤマストア、ネクスタイド・エヴォリューション代表]

例えば、丸井やスポーツメーカーとともに開発したスニーカー。障害者用の靴と言えば、甲の部分が面ファスナーになったベルクロ式が一般的です。

着脱はしやすいものの、デザイン的にはいま一つのものが多いんですね。

それを、シューレース(靴紐)を残したまま、両側にファスナーをつけることで、踵の部分が大きく開いて簡単に着脱できる、デザイン性の高いスニーカーに改良しました。

また、障碍者向けの靴は限られた店や売り場でしか購入できませんが、このスニーカーはファッション感度の高い若者が集まるショップで販売しています。

顧客はこのスニーカーを「履きたい」という視点で選び、商品のタグを見て初めて、ハンディのある人にも履きやすいことに気づくのです。

ハンディのある人にとっても、一般に売られれば買いやすくなる。

格好良いスニーカーを履いて街へ出る、人に会うといった行動は、心身の健康にもいい影響を及ぼすはずです。

私がこのプロジェクトを始めたのは、次男が重度の脳性麻痺で生まれたことが契機でした。

息子に障害があり、一生歩けないだろうと医師から告げられた時は、不幸のどん底に落とされた気がしました。

しかし、それは間違いでした。

ハンディがある次男を育てる過程で、それまで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなく、小さなことにも大きな喜びや幸せを見いだせることに気づいたのです。

ハンディは障害ではなく、可能性なのです。

(中略)

現在は、毎月1週間は家族の暮らすニュージーランドでゆっくり過ごすライフスタイルを送っています。

「絶対に歩けるようになる」という私の信念が通じたのか、次男は今ではあのシューレースのスニーカーを履いて、元気に歩いています。

安定収入があり、身体的ハンディもない。

多くの人はそんな状態が幸せだと考えるかもしれません。

けれど、本当の健康や幸せはもっと精神的なものに負うところが大きい気がします。



● 2010.8.9・16
 (No.2)<183>
デフレ放置が日本を滅ぼす

山田 久(やまだ・ひさし)氏
[日本総合研究所・ビジネス戦略研究センター所長]

日本では労働組合が、簡単に賃下げを受け入れる傾向が問題です。

景気が良くなったら、賃金が上がる流れができないと、拡大均衡は期待できません。

給料が増えると家計がお金を持つようになり、内需は自然に盛り上がります。

労使、それに政府が協調して賃上げに向けて動かないと日本は縮み志向から抜け出せません。

もちろん国内に製造業が立地しやすいような支援策も必要です。

法人税や関税を引き下げて、国内で企業が雇用しやすい環境を作るべきだと思います。

賃上げは、生産性の低い分野では国内で事業ができなくなることを意味します。

より付加価値の高い産業構造への転換を迫られる。

労働者の技能を高めるための教育への支援も必要です。
長期的な視野で10年くらいの具体的なロードマップを作って、日本は拡大均衡を目指すべきです。

早く手を打たなければ、日本はマイナスの連鎖に沈んでしまいます。



● 2010.8.2
 (No.1)<182>
組織変革でオペラ復活

ピーター・ゲルブ(Peter Gelb)氏
[米メトロポリタン歌劇場総裁]

レコード店は町から姿を消し、音楽家たちは昔ほどレコード会社との関係に気を配る必要がなくなりました。

しかしオペラは違います。

自分で録画したり、録音したりできるオペラ歌手はいません。

1つの公演に多くの人手と専門的な作業が必要であり、オペラ制作を専門とする会社が必要です。

今回の改革で、MET(米ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場)総裁の役割も変化しました。

すべてのデジタルコンテンツを自分たちで制作しますから、まさに「プロデューサー」の役割を果たすことになります。

すべての電子コンテンツを、ロボットカメラも含めた最先端の機材を場内に設置して撮影し制作しています。

最新技術、現代の才能と古典オペラの融合により、聴衆の裾野は明らかに広がりました。

顧客層の大幅拡大という、新しいビジネスとして興味深い成果を収めたのです。

とはいえ、今回の改革でMETが自律的に持続可能な組織になったとは、まだ断定できません。

METの約3億ドル(約262億円)の予算のうち、寄付が約1億4000万ドル(約122億円)です。

しかしコストは組合との団体交渉のたび上昇しています。

これまで、コスト上昇率より高い増益率を達成していますが、ライブビューイングを増やせば、その分のコストが増えます。

篤志家のオペラファンに対する資金集め活動は今後も重要です。










日経ビジネスのインタビュー バックナンバー(43)

日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(43)


ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
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● 2010.7.26
 (No.4)<181>
iPadは万能ではない

安藤 忠雄(あんどう・ただお)氏
[建築家]

デジタル化することで、確かに便利になるかもしれない。

しかしその過程で、喜びや怒りといった感情が、もっと言うと人間の生きる力のようなものがそぎ落とされる気がしてならない。

(中略)

私自身は、設計図面は鉛筆を使って紙に書く。コンピューターを使うと、自分と図面の間に距離ができてしまう感じが拭えないからだ。

恐らく古い人間なのだろう。

しかし、コンピューターで描いた「きれい」な図面には、感情が宿らない気がするのも事実だ。

(中略)

合理性や快適性だけを追求しては、本当にいい建築物は作れない。

自分の魂を埋め込める「隙間」がない建築物は、人々の記憶に残らない。

新しいビジネスや企業を作る時も、喜びや怒りが原動力になる。

経済合理性だけで起業しても、長続きしない。

iPadを使えば読書は「便利」になるかもしれない。

しかしその反面で、紙の本特有のアナログな感覚を失っていいものだろうか。

デジタル情報を処理することと、自らの体で体験することには、大きな差がある。


● 2010.7.19
 (No.3)<180>
新興国から世界ヒット商品

ジェフリー・イメルト(Jeffery R.Immelt)氏
[米ゼネラル・エレクトリックCEO(最高経営責任者)]

現地の顧客が求める商品を生み出すには、開発体制そのものをグローバル化させなければなりません。

市場をよく知る技術者を現地採用して、商品を開発する方が効果的だからです。

開発の現地化だけではなく、もっと大きな狙いがあります。

新興国で生まれたイノベーションを先進国など世界に輸出することです。

「リバース(反転)・イノベーション」と呼ぶこの手法に、私が力を入れるのにはある理由があります。

新興国で求められているのは、機能がシンプルで、低価格の商品が多い。

経済が発展途上の国では、最先端で高機能な商品が必ずしも求められていません。

設計段階における構造のシンプル化に加えて、部品を現地調達する比率を高めるなどして、低コスト化を実現しています。

実は低価格の商品に対する需要は、先進国の顧客の間でも高まっています。

2008年秋のいわゆる「リーマンショック」以降、米国、欧州、日本では経済の停滞が長引いています。

その結果、先進国でも、以前と比べて安価でシンプルな製品を欲しがる顧客が増えているのです。


● 2010.7.12
 (No.2)<179>
まず経営者から変われ

前田 新造(まえだ・しんぞう)氏
[資生堂社長]

日本人、日本企業がグローバル化を果たすうえでの大きな課題は、多様性に取り組むことだと思います。

自社ブランドだけではなく、買収した会社と価値を慈しみ合う気持ちが大事です。

今年3月に米国の化粧品会社ベアエッセンシャルを買収しました。

これで世界に通用するグローバル企業へと、大きく一歩を踏み出したと思います。

(中略)

自然派化粧品の市場は広がっています。

ターゲットもはっきりしており、思い切って乗り出したい。

その意味で、ベアエッセンシャルは補完関係が大きいのです。

ベアエッセンシャルは約85%以上の売り上げが米国市場です。

一方、資生堂は日本、中国などアジアを中心に強みがある。

これから世界的に大きく成長する自然派市場で、一緒に仕事をする仲間として迎え入れたことは、資生堂の将来にとって大きな財産になると思います。


● 2010.7.5
 (No.1)<178>
根拠なき楽観と決別

長谷川 閑史(はせがわ・やすちか)氏
[武田薬品工業社長]

私は、日本人の能力が外国人に劣っているとは思いません。

世間では、いわゆる「ゆとり世代」に対する懸念が強いようですが、彼らのような若い人たちも、優れた素質を持っている。

ただし、日本人だけでいると、せっかくの素質も埋もれたまま開花しない。

外国人と一緒に働くことで、彼らのアグレッシブな言動やハングリーさを目の当たりにして刺激を受ける。

そうすれば、日本人の社員たちも必ず覚醒してくれるはずです。

一例として、大阪市にある医薬研究本部の下に領域ごとの研究所があるのですが、中枢神経の病気を対象とした薬を探求する研究所の所長に英国人を起用しました。

現在、神奈川県藤沢市に新たな研究所を建設中ですが、ここにもミレニアアム(2008年に88億6600万ドル(約7979億円)で買収した米バイオ医薬品メーカー)や武田サンディエゴ(2005年に買収した米バイオベンチャーのシリックス)などから外国人の研究者を異動させ、人事交流を促進する計画です。










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