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経営と美徳を広める導師  2014.12.29




経営と美徳を広める導師

稲盛 和夫(いなもり・かずお)氏

[京セラ、日本航空名誉会長]


 もう30年以上前になります。盛和塾をつくって、

 中小中堅企業の経営者の方々に、社員のため

 に素晴らしい経営をしていただきたいという話を

 始めたのは。そこで伝えてきた中身は、『生き方』

 という本にもまとめました。日本で100万部ほど

 売れて、中国でも売れ続けています。


 私は経営者なんですけれども、京セラという会社

 をつくって55年間、1回も赤字を出さず、1回も人員

 整理をせずに安定した経営を続けて、(売上高が)

 1兆5000億円ぐらいになりました。その経験から、

 自分が信念として守ってきたことを必死でしゃべる

 んですね。


 話した人の数は、今年でちょうど10万人ぐらいに

 なりました。多くの方々に大変喜んでいただきました。


 振り返れば、私は自分の信念を色々な形で伝えて

 きました。盛和塾をつくった翌年には、イノベーティブ

 なことをやった人を応援しようという思いで「京都賞」

 を創設しました。


 イノベーティブなことをやる人は、それはもう好奇心

 の塊で、探究心の赴くままに研究に没頭し、これまで

 成し得なかった研究や開発を完成させる。


 ただ技術的なことだけ進化発展しては近代文明は

 危ういものになってしまいます。人類の精神面の進化

 や豊かな人間性がなければ危なっかしい。そこで

 精神的なもの、哲学的なものも取り入れようと、

 先端技術部門や基礎科学部門と別に、思想・芸術

 部門をつくりました。それがノーベル賞との違いです。


 日本が未来に残さないとならんものというのは、

 日本人の美徳といいますか、親切心やおもてなしの

 心、礼儀正しさといった人間性です。


 経済力で世界で何番目というように下がってきても、

 そんなのは全然困らない。軍事力で世界に誇れなく

 てもいい。日本人として、世界の人たちに信頼され、

 尊敬され、好意を持たれる状態であり続けることが

 日本の宝です。


 ただ、現代は宗教の力も弱っていますから、どうしても

 それを家庭で教えないといけません。


 両親にも日本人としての美徳や価値観が薄らいで

 きている可能性があります。世界に誇れる日本で

 あり続けるには、やはり親御さんの教育といいますか、

 親にしっかりしてもらうことが大事じゃないかと思い

 ますけどね。
 

 



京セラ、日本航空名誉会長 稲盛 和夫 氏
京セラ、日本航空名誉会長 稲盛 和夫 氏
(『日経ビジネス』 2014.12.29号 P.058)






『日経ビジネス』の今週号(2014.12.29)は、
特集記事が通常の約1.5倍(通常は25ページ
前後で、今週号は36ページ<24ページ目から
59ページ目まで>)に達しました。


「遺言 日本の未来へ」と題して各界の著名人
34人を紹介しています。


その関係なのか、「編集長インタビュー」は掲載
されませんでした。


そこで、年末恒例の紅白歌合戦ではありませ
んが、オオトリを飾るに相応しい稲盛和夫さんの
記事を、「日経ビジネスのインタビュー」に代え
させていただきます。


稲盛さんが、破綻に瀕した日本航空の立て直しを
計画より前倒しで実現したことに対し、多くの債権者
に泣いてもらったり、国に特別措置を講じてもらった
からだ、という批判を一部の人がしました。


あるいは、京セラなどが有利になる条件を引き
出した、といった批判もされました。


私が考えるには、そうような批判をするなら、
「あなたはやれましたか?」
と問いたい。
批判するなら、対案を示し、実践することです。
一般週刊誌などの記者や一部のジャーナリストは、
終始批判するだけの無責任な輩がいます。
それでお金がもらえるのですから「良いご身分」です。


そうな人たちには、到底できなかったと思います。
稲盛さんは、国からも日航立て直しを依頼され
ましたが、何度も固辞したそうです。


さらに、周囲の人たちから
「晩節を汚すようなことはやめた方がいい」
とも言われたそうです。


それでも、断りきれなくなったそうです。
そうした事情を理解せずに、批判するだけでは、
その人の人格が疑われます。


稲盛さんの「盛和塾」は、中小企業経営者と酒を
酌み交わしながら、「経営の基本」「経営者の
あるべき姿」などを、稲盛さんが直接教える場です。
いわば、「稲盛教」とでも言うべき存在です。


中小企業経営者たちは、稲盛さんの「信者」になる
のです。


よく言われることですが、信じる者と書いて儲ける、
あるいは儲かる、ということになるのでしょうか?


稲盛さんは技術者ですが、仏門に入ったこともあり、
科学技術のみならず、心の在り方、精神の大切さを
盛和塾や講演会、書物などを通じて語っています。


20年近く前になりますが、日経BP社の主催の講演会
に参加したことがあります。その講演会に稲盛さんが
スピーカーとして出席することが分かったからです。


今では、稲盛さんが話された内容は覚えていません
が、稲盛さんが登壇された時、さすがに名経営者と
言われる人物は違うな、と感じました。


発する言葉だけでなく、体全体からオーラを発散して
いるような感覚を味わいました。


時代が変われば、価値観も変わります。
ですが、すぐに、そんな考え方は古い、と決めつけない
ことが大切です。


稲盛さんが指摘しているように、
「日本人の美徳といいますか、親切心やおもてなしの
心、礼儀正しさといった人間性」
を忘れないようにしたい、と改めて思いました。


稲盛さんの最後の言葉が耳に痛いです。
「世界に誇れる日本であり続けるには、やはり親御さん
の教育といいますか、親にしっかりしてもらうことが大事
じゃないかと思いますけどね」。





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技術と技術を「編集」する  2014.12.22




技術と技術を「編集」する

御手洗 冨士夫(みたらい・ふじお)氏

[キャノン会長兼社長 CEO]


 レンズ交換式デジタルカメラ(レンズ交換式)は

 景気に左右されやすいので、景気が良くなれば、

 着実に回復していくと思います。


 コンパクトでもレンズ交換式でも、やみくもに数量

 を追わないという姿勢を維持します。安売り競争に

 巻き込まれないように、付加価値の高い製品を

 提供し利益優先主義で事業を進めていきます。


 先進国、特に欧州は経済状況が芳しくありません。

 落ち込むのは致し方ありません。

 その分、新興国での需要をしっかり取っていきます。

 
 新興国では、カメラは一番身近なぜいたく品なん

 です。中国に次ぐ市場として、中近東やアフリカなど

 にも今後市場拡大のチャンスがあると思っています。

 
 戦略的にBtoB(企業向けビジネス 註:藤巻隆)を

 強化しています。BtoC(消費者向けビジネス)の

 製品は多かれ少なかれファッション性が求められ

 ます。従ってはやり廃りの回転がとても速い。

 過当競争になってしまえば、研究開発費を回収する

 前に次のトレンドへと移ってしまいます。


 私は23年間米国にいましたが、その時の米ゼネ

 ラル・エレクトリック(GE)業種転換が非常に印象的

 でした。ジャック・ウェルチ氏がトップの間に、BtoC

 製品はほとんどなくなり、完全にBtoBへと転換しま

 した。その戦略が、後に大きな成長へとつながり

 ました。


 我々もBtoBの比率を現在よりもさらに高めていき

 たいと考えています。

 BtoBシフトの動きは2000年代に入ってから着々と

 準備してきました。今、この戦略がようやく形になり

 始めています。


 私が社長に就任してからは、売上高研究開発比率

 は8%程度を維持しています。他社に比べても非常

 に高い数字です。そのため、とがった技術がどんどん

 社内で生まれています。

 そして現在、このとがった技術をどのような製品に

 応用していくかを検討しています。他のどんな技術

 を組み合わせてどんなものを作り出すのか。これを

 考えるのが最も難しい。


 弊社は2010年に1億2000万画素のセンサーを開発

 しました。1km先の車のナンバーも見える超高画素

 で解像度の高いセンサーです。今まさに、この技術

 を核に編集作業をしているところです。監視カメラ

 にはもちろん、宇宙開発にも応用できると考えて

 います。


 柱となる大きな事業を育成するためには10年単位

 の時間が必要ですが、BtoB事業の柱となる新規

 事業を進めるために、とがった技術をどんどん蓄え、

 そしてそこに投資していきます。


 世界には我々が気付いていないが、今後大きく

 伸びるであろう産業はいくつもあります。そういった

 ものを手掛けるベンチャー企業を積極的に買収して

 いきたいと思っています。


 リーマンショック後の1ドル75~80円という水準は

 デフレを後押ししました。そして何より、異状な円高

 により生産拠点は海外に出ていき失業率も高くなっ

 てしまったという現実を忘れてはいけないと思い

 ます。


 我々も工程管理を「%」から「個数」に変えました。

 不良品の発生率も「0.1%」と聞くと少なく聞こえ

 ますが、カメラを1000万台作っている我々にとっては

 0.1%でも1万台になってしまいます。ものすごく厳しい

 生産管理と品質管理が必要になってくる中で、

 ロボットで作ったほうがいい工程も増えてきている

 のは確かです。

 産業構造の転換で強みを失わないためにも、

 モノ作りの在り方を見直していく必要はあると思い

 ます。
 

 



キャノン会長兼社長 CEO 御手洗 冨士夫 氏

キャノン会長兼社長 CEO 御手洗 冨士夫 氏

(『日経ビジネス』 2014.12.22号 P.077)






キャノンは「カメラメーカー」、というイメージは
捨てなければならないかもしれません。


下のグラフをご覧ください。
売上高構成比を見ると、カメラ関係(イメージング
システム)の比率は、39%です。


カメラ(デジタルカメラ)に絞ると、39%のうちの
67%ですから、全売上高比では、約26%でしか
ありません。つまり、カメラの売上高構成比は
約4分の1ということになります。


それでも、製品別売上高で見ると、最も大きな
比率を占めています。


カメラが、キャノンの主力製品であることは
変わりません。今後もその方針に変更はない
はずです。


キャノンの事業構成2013


キャノンの事業構成2013
 「キャノンの事業構成は?」 から



ニコンと並び、キャノンのカメラは世界中のプロ
カメラマンから絶大な信頼を寄せられています。


スポーツ写真を撮影しているプロカメラマンを
見たことがありますか?


超望遠レンズの本体が白(キャノン)か、
黒(ニコン)にきれいに色分けされます。
このコントラストがとても印象的です。


果たして、白が多いのか、それとも黒が多いのか?
ぜひ、競技場でお確かめください。


長年カメラの研究開発で培ってきた技術や、
ノウハウは、キャノンのあらゆる製品に生かさ
れているはずです。



御手洗さんは、GEの元CEO、ジャック・ウェルチ
氏について語っています。


ウェルチ氏は名経営者として名高い存在です。
たまたま、「日経ビジネス」の今特集記事はGE
です(「日経ビジネスの特集記事」のブログは、
2014年12月24日から3日間にわたって投稿
します。こちらもぜひ、ご覧ください)。


偶然だったのか、インタビューの流れの中で
出てきたのかは分かりませんが、ウェルチ氏は、
御手洗さんが尊敬する3人の経営者のうちの
1人だそうです。


その3人について、田村修一編集長が、
「傍白」の中で、語っています。



 23年間に及ぶ米国生活で御手洗会長は

 3人の尊敬できる経営者に出会ったそう

 です。筆頭は今号の特集で取り上げた

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のCEO

 だったジャック・ウェルチ氏。2人目は

 RJRナビスコのCEOからIBMに転身して

 同社のビジネスモデルを大きく変えた

 ルイス・ガースナー氏。最後がシティバンク

 (現シティグループ)を世界最大規模の

 金融機関に飛躍させたジョン・リード氏

 です。いずれも大胆な企業改革を遂行

 した経営者たちです。

 

  (P.079)


ジャック・ウェルチ氏は、在任中、「中性子
爆弾(ニュートロン・ボム)」というあだ名を
つけられました。大規模なリストラを敢行
したからです。


建物(会社)には損害を与えず、中の人間
(従業員)を抹殺(解雇)する例えに習って、
そう言われました。


ですが、名経営者であることは間違いありま
せん。


ルイス・ガースナー氏は、マッキンゼー・アンド・
カンパニーの著名な経営コンサルタントでした。
RJRナビスコ、IBMで辣腕を奮いました。


ジョン・リード氏は、シティバンク(現シティグループ)
を世界最大級の銀行にした名経営者と言われて
いますが、「人となり」は詳しく知りません。





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拡大路線には戻らない  2014.12.15




拡大路線には戻らない

益子 修(ますこ・おさむ)氏

[三菱自動車会長兼CEO (最高経営責任者)]


 国内販売をどうするかは我々にとっても

 非常に大きな課題です。消費税が上がって

 反動減が長く続いているという単純なもの

 ではなく、構造問題なんだと認識しています。


 何とかテコ入れをしようと努力していますが、

 これさえやればいいという妙案があるわけ

 でもない。地道な活動を続けていくしかあり

 ません。


 軽については選択肢が3つありました。

 一つは撤退する。次が、他社からOEM(相手先

 ブランドによる生産)でもらう。そして3番目が、

 開発を続けるという道です。結果的には3番目

 を選んだのですが、自社だけでは物理的に

 難しかったので、日産自動車と一緒にやって

 いこうとなったのです。


 基本的な考え方として、OEMは生産台数を維持

 するための基礎部分になりますね。生産する

 ボリュームが増えれば1台当たりの開発費は

 当然少なくなります。その結果、売りやすくなる

 し投資の回収も早くなる。そうするとコンスタント

 に次の車、あるいは現行車の改良などにも

 しっかりとお金が使えるようになる。これは

 やっぱり、基本的に大事なことじゃないかと

 思いますけどね。


 最近、社内で「外部環境に大きく左右されない

 会社にしたい」と言っています。これまで大きな

 外部環境の変化で随分と苦労したんですよ。

 例えばリーマンショック、それから東日本大震災、

 タイの洪水。為替問題は別にしても、自分たちの

 力でマネージできない大きな外的環境の変化

 というのを何度も経験してきました。


 三菱自動車の過去の失敗を見ていると、やっぱり

 拡大戦略が失敗しているんですよ。その後始末に

 苦労してきたこともあるので、ここで気を緩めたり、

 安心して大きな会社と同じようなことができると

 思ったら大きな間違いだぞと。我々はもっとレベル

 アップをしなければなりません。


 僕が「成長を急ぎすぎない」と言っているのも、

 今ある水準を後退させてもいいと思っている

 わけではありません。着実に前進して、それで

 持続的な成長を実現するんだということです。


 思い切ってスリム化できたということは言える

 でしょう。オーストラリアと欧州で工場を閉め

 ましたし、車種もまだ十分ではありませんが、

 だいぶ絞ってきました。


 面白いと言ったらちょっと不謹慎だけど、面白い。

 というのは社内の考え方と、外の見方と、数字で

 突き付けられる現実との間にやっぱりギャップが

 あるんですよ。


 10年間の再生期間の中で「改革疲れ」があるの

 は理解しています。だけどやることとやらないこと

 の線引きはしっかりしておかないといけません。

 やっぱり、やる決断よりやめる決断の方がはるか

 にきついですから。
 

 



三菱自動車会長兼CEO (最高経営責任者) 益子 修 氏

三菱自動車会長兼CEO (最高経営責任者) 益子 修 氏

(『日経ビジネス』 2014.12.15号 P.085)






自動車業界は、国内では厳しい状況が今後も
続いていく、と考えられます。


その理由は、日本は今後、確実に人口が減って
いくことと、若者たちが車にあまり興味を持って
いないことがあります。


スマートフォンでLINEしたり、YouTubeの動画を
見ることに時間を費やしています。


出かけるよりも、家の中にいることの方を好み
ます。


さらに、売れている車種を見ると、大半が軽自動車
です。あまり儲かりません。それでも、売れている
ので製造するしかない、というのが実態です。


成長が続くアジア諸国がありますが、輸出するに
せよ、現地生産するにせよ、簡単なことではあり
ません。


三菱グループに限った話ではないかもしれません
が、一枚岩ではありません。


三菱自動車は長年、三菱重工業から部品の供給
を受けていました。


ところが、IHI(旧・石川島播磨重工業)から部品
供給を受けることになりました。コスト削減を考慮
し、グループ内の高価格な部品よりも低価格の
「ケイレツ」外のIHIを選んだのです。


もちろん、軽自動車の生産で日産自動車と提携
したことは無視できませんが。


日産自動車は宇宙航空事業をIHIへ売却した、
という経緯があります。


このあたりの話しは、
日経ビジネスの特集記事(78)
三菱重工 遅すぎた改革、最後の挑戦(2)

をご覧ください。





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テーマパークにこだわらず  2014.12.08




テーマパークにこだわらず

グレン・ガンペル(Glenn Gumpel)氏

[ユー・エス・ジェイ社長]


 USJは常に、ゲストが何を目的に来園

 しているのかを重視しています。

 特定のキャラクターなのか、アトラクション

 などの乗り物なのか、それとも何かの

 ショーなのか――。このようなデータや

 綿密な調査を駆使して、我々がターゲットと

 する女性や若者、子供たちが今、何を欲し

 ているのか、何をしたいのかを見極めます。


 なぜ、来園者を重視するのか。それは、

 来園者こそが再びUSJを訪れてくれるで

 あろうリピーターになる人たちだからです。

 友人や仲間たちにUSJのことを話し、新しい

 人を引っ張ってきてくれる可能性も高いで

 しょう。そういう意味でも、来園者の動向から

 ヒントを得ています。


 足元の来園者数のうち、外国人の占める

 割合は5%超です。しかし、ハリー・ポッター

 エリアの開業で外国人はアジアを中心に

 増えると見込んでいます。ハリー・ポッターの

 施設はアジアではうちしかありませんから。


 そもそも外国人は、USJや東京ディズニー

 ランドなど、テーマパークを目的に来日する

 ことはないと思います。


 海外旅行をしようと考える際、多くの人は
 
 いくつかの手順を踏んで目的地を絞ります。

 まず決めるのは国です。

 次に考えるのは都市です。

 目的地と旅行期間が決まったところでようやく、

 どこに行こうかという話が出てきます。


 私が言いたいのは、インバウンド需要を

 増やすためには日本に来てもらう旅行者自体

 を増やさなければならないということです。

 それには政府の支援が必要不可欠です。


 日本をもっとユーザーフレンドリーな国にする

 ことが重要だと思います。

 駅や空港はもちろんのこと、街中の案内表示

 ももっと英語表記をすべきです。加えて、

 タクシーの運転手をはじめとする観光客受け

 入れ施設や交通機関のスタッフに、英語を

 話せる人を増やしていかなければなりません。


 海外でテーマパークを運営するという選択肢も

 十分あり得ます。これまで、中国のテーマパーク

 事業者と提携交渉などもしてきました。

 ハリー・ポッターの完成を優先させるべく中断して

 いましたが、今後は再開し、注力していく方向です。


 資金面においても、もはや10年前のUSJではあり

 ません。経営体質は改善し、利益を生み出せる

 事業体になりました。(我々に資金を貸してくれる)

 銀行との厚い信頼関係は築けていますし、株式

 上場していなくとも株を買いたいと言ってくれる

 投資家もたくさんいます。資金調達に関して、

 さほど心配することはなくなったのです。


 USJは今、収益力、集客力ともに世界レベルの

 テーマパークになりました。


 将来のことは誰もわかりません。私の進退に

 ついても同様です。 
 

 



ユー・エス・ジェイ社長  グレン・ガンペル 氏
ユー・エス・ジェイ社長  グレン・ガンペル 氏

(『日経ビジネス』 2014.12.08号 P.117)




関東の東京ディズニーリゾート、関西のUFJ。
ともに外資のテーマパークですが、日本の
出資者も多く存在します。


ガンペルさんがUFJの社長に就任したのは、
10年前の2004年です。
当時を振り返って、ガンペルさんはインタビュー
でこう語っています。


 私が日本に来た時のUSJは、まだ大阪市を

 含む40余りの会社が出資する第3セクター

 でした。日本やアジアの国では、出資をした

 会社に社員を送り込む習慣があることに

 まず、驚きましたね。いわゆる「出向社員」

 というやつです。これは欧米では見かけない

 システムでした。

 社内には40もの会社からやってきた社員

 であふれかえっていましたが、誰一人テーマ

 パークを運営した経験のある人はいません

 でした。その上、皆それぞれ自分に利益の

 ある取引をしようとするので会社のコストは

 膨らんでいました。


 このままいけば、USJは5年も持たなかった

 でしょう。そこで、最初にやったことは社内改革

 でした。会社にかかる費用を身の丈にあった

 ものに戻し、ブランド、マーケティング戦略の

 立て直しを短期間で行いました。
 

  (P.118)


私の想像するところでは、東京ディズニーランドを
意識しすぎ、自分たちの身の丈にあった規模を
考えていなかったのではないか、と思います。


ガンペルさんがUSJの社長に就任した当時は、
苦労の毎日だった、と想像されます。


そこは、しがらみのないガンペルさんですから、
思い切った手を打つことが出来たのでしょう。


5年で黒字体質に転換させたのですから。


私は関西にはほとんど行ったことがありません。
国内旅行で出かけたのは、社員旅行で、北海道、
京都と奈良、九州の他に、報奨旅行で能登半島、
高校の修学旅行で四国でした。結局、大阪は
素通りしてしまいました。


ですから、当然のことながら、USJには訪問した
ことがありません。


いつの日か大阪に出かけることがあったら、
ぜひ、USJを訪れたいと思っています。


ガンペルさんが語ったように、過去10年間に、
USJは倒産の危機から復活したことを知りました。





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製造業の覇権は渡さない  2014.12.01




製造業の覇権は渡さない


ローランド・ベルガー(Roland Berger)氏

[独ローランド・ベルガー名誉会長兼創業者]


 ご存じのように、第1次産業革命は蒸気機関と

 機械、第2次産業革命は電気と大量生産方式

 の発明、第3次産業革命はコンピューターと

 自動化技術によってもたらされました。

 そして、今、我々が直面するのは Internet of

 Things(IoT、モノのインターネット)です。

 IoTは、資源調達から設計、生産、物流、

 サービスまで、企業のバリューチェーン全体を

 結び付けます。これにより何が起きるかというと、

 バリューチェーンの短縮化です。付加価値を

 生まない中間業者はどんどん消滅していく

 でしょう。


 インダストリー4.0は、ローランド・ベルガーを

 含む調査機関が、ドイツ政府や業界団体向け

 の報告書としてまとめたものです。


 ゴールは生産性の向上、つまり、より革新的で

 質の高い製品を安く生産できるようにすること

 にあります。そして、それを通じ、国民を豊かに

 することが目的です。


 私の考えでは、産業全体のバリューチェーン

 のうち、IoTが既に影響を与えているのは25%

 ほどにすぎません。ドイツが得意とする自動車

 や機械といった産業を含め、残りの4分の3は

 これから刷新が始まるのです。


 インダストリー4.0に関して政府の役割が必要な

 のには幾つか理由があります。

 一つはインフラ整備です。通信やインターネット

 の技術は、高速の通信環境を整えるのに政府

 の協力がいります。

 もう一つは、「ゲームのルールを決めること」です。

 政府の役割が不可欠である理由の3つ目を

 ご説明します。大幅な生産性向上が実現した

 場合、余剰な労働力が生じます。特に余るのは

 「インダストリー3.0」時代の労働者たちです。


 官民が協力して既存の労働者の再教育をする

 必要がありますし、子供たちには我々の時代とは

 違う教育を施さねばなりません。特に35歳以上

 の労働者の再教育は簡単ではありません。


 ドイツの中堅・中小企業は、少なくともテクノロジー

 に関する限り、非常に賢い人々の集まりです。


 ITの分野でも米国がドイツよりはるかに先を走って

 いることは認めざるを得ません。米国にはグーグル

 やアマゾン・ドット・コムなど、インターネットで成功

 を収めている企業が無数に存在します。


 ドイツがIoTの技術を活用してモノ作りやバリュー

 チェーンの刷新を進めなければどうなるでしょう。

 グーグルの自動運転車を見ても、ドイツの自動車

 産業が市場を奪われるリスクが存在することが

 分かります。


 まず申し上げたいのは、変化はコンサルティング

 会社にとってチャンスだということです。なぜなら、

 新しい世界に企業が適応できるようにサポート

 するのが、コンサルタントの役割だからです。

 我々は生産性の向上や社員の再教育、組織作り

 の面で顧客を支援しています。これがポジティブ

 な変化です。

 2つ目の変化として、我々自身の業務にも影響が

 あるでしょう。今後は、我々の仕事のどこに付加

 価値があり、どこには価値がないのかということを

 真剣に考え直す必要があります。

 これから重要になるのは、データを分析し、

 解決策を見つめて実行するプロセスを、

 シームレス(連続的)に回す能力です。


 コンサルタントには、ITへの理解と、より科学的で

 実行重視のアプローチが求められるでしょう。
 

 



独ローランド・ベルガー名誉会長兼創業者 ローランド・ベルガー 氏

独ローランド・ベルガー名誉会長兼創業者 ローランド・ベルガー 氏
(『日経ビジネス』 2014.12.01号 P.081)




最近、よく目にするのは、
IoT(モノのインターネット化)
というキーワードです。


家電やクルマ、屋内などあらゆるモノを
インターネットに接続し、生産性向上の
ために、企業が価値を提供し、その結果、
自らの企業価値を高める時代になった、
と考えています。


ベルガーさんが指摘しているように、
「ITの分野でも米国がドイツよりはるかに
先を走っていることは認めざるを得ません」
というのが実態です。


つまり、ドイツはアメリカのビジネスの
スピードに非常に危機感を抱いている
のです。


日本は、アメリカに10年遅れている、
とよく言われます。アメリカの動きを見ていれば、
いずれ日本でも実現するので、それまで待てば
いいと勘違いしている人たちや、企業があります
が、そのようなスタンスでは世界に取り残され
かねません。


アメリカの方ばかり見ていると、アジア諸国の
技術力の向上に気づかず、振り返ると、
いつの間にか、真後ろにまで接近していた、
という現実に直面することになります。


自社や国の進むべき方向を見誤ると、自船や
日本丸は座礁したり、沈没してしまいます。


[傍白]で田村俊一編集長は、こう語っています。


 ここで気になるのが日本です。日本もドイツと

 同様、中小企業が9割を超え、製造業は国

 全体の競争力の源泉。高コストであることも

 同じです。だとすればドイツの取り組みに

 もっと敏感になるべきでしょう。
 

  (P.083)





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藤巻隆

Author:藤巻隆
こんにちは。

管理人の藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

私は、『本当に役に立つビジネス書』というメインサイトのほか、『こんなランキング知りたくないですか?』や『新・大前研一名言集(改)』などのブログを運営しています。

日経ビジネスのインタビュー』という同じタイトルの携帯やスマホのサイトがありますが(PCでも閲覧可能です)、新たにFC2ブログ版を追加しました。

より多くの方にご覧いただきたい、と考えたからです。

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