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サッカーで地域経済を再生  2015.06.29






サッカーで地域経済を再生

岡田 武史(おかだ・たけし) 氏

[FC今治オーナー]





 きっかけはFC今治のオーナーが先輩だったから

 なんですが、育成世代からトップまで同じ哲学、

 同じプレーモデル、同じトレーニング手法でやる

 クラブを作りたかったんです。

 FC今治全体で1つのピラミッドを作りたい。

 高校も中学も少年団も全部、FC今治が関わって、

 頼まれれば指導者を派遣して同じサッカーを目指す。


 10年かかっても、一からできるところということで。

 やるからには、株式を51%取得して、要は覚悟して

 やれよということです。


 大体、今年いっぱいは資金のメドが立ちました。

 でも今からの収入はほとんどないんですよ。

 入場料を取れない。四国リーグは入場料を取って

 ないんですよ。

 来年、日本フットボールリーグ(JFL)に上がって

 規模を大きくするには、今のスポンサーに続けて

 もらえるかが大きなポイントなんです。

 露出で考えると、本来価値のないところにお金を

 出してもらってることに対していかに価値をつけて

 いくか。

 四国リーグって8チームしかないから、ホーム7試合

 ですよ。テレビに映るわけでもない。

 要するに、僕が夢やビジョンを語って、それに対して

 面白いって共感してスポンサーをやってもらってる。


 大手ではデロイト(トーマツ・コンサルティング)と

 (EXILEなどが所属する芸能事務所の)LDHと三菱商事

 がスポンサーになってくれていますが、3社が化学反応

 を起こして、新しいフィールドができるかもしれない。


 人の心だったり価値観だったり考え方が変わらないと、

 次の時代は来ないと思います。


 大事になるのは何かといったら、GDP(国内総生産)や

 売り上げやそういう目に見える資本ではなくて、人と人と

 の信頼や関連性など目に見えない資本で経済が動いて

 いく。そんな新しいフィールドが作れたらいい。


 サッカーだけでやろうとは思っていません。

 全てのスポーツの力でやるんです。

 スタジアムは、都市公園法に引っかからない範囲で、

 ホテルや、今治ラボというトレーニングを指導する施設

 も作ります。

 ワールドカップのドイツ代表を分析した(FC今治のビジ

 ネスパートナーで独IT=情報技術=大手の)SAPが

 データを分析する施設や選手を治療するところも入り

 ます。

 そういう施設があれば、いろいろなトップアスリートが

 集まってくるでしょう。

 EXILEのダンス教室をやったり、ダンスの祭りを今治で

 やったりする。

 松岡修造君には「テニススクールをやってくれないか」と

 持ちかけています。

 うちのアドバイザーには野球の古田敦也さんとか、

 ラグビーの平尾誠二さんがいます。例えば僕ら3人で

 リーダーシップ論の講座をやったら人が集まるでしょ。

 いろいろなスポーツによって、町が活性化してきますよ。


 育成世代からトップまで同じサッカーをやる。

 16歳までに基本のメソッドをマスターして、16歳から

 それを破って自由にやっていく。

 日本は、子供のとき自由にやらせて、大人になってから

 型にはめる。これはおかしいとずっと思っていました。


 要するに、武道で言う守破離ですよね。型を守って破って

 離れていく。自由なところから自由な発想って出ないんで。

 何か型があるから、それを破って驚くような発想が出るん

 じゃないかと。そういう発想です。


 岡田メソッドを使うと、いい選手が下から育ちます。

 外から買ってこなくて済みます。プロサッカーで一番お金

 がかかるのは人件費です。

 高額年俸の選手を買ってくるから。うちは育てて売るわけ

 です。

 だからお金をかけなくてもチームが強くなるのです。


 FC今治が強くなって、うちから5人代表が出たら、

 日本のサッカーが変わるんじゃないか。

 ドイツのサッカーが変わったのは、バイエルン・ ミュンヘン

 から5人以上代表選手が出るようになってからだし、

 スペインはバルセロナから5人以上出るようになって変わ

 ったんですよ。

 僕らにもできることがあります。僕らはその責任を分担

 して、やるべきことをやるべきだと思う。

 民主主義と一緒で、みんな権利を主張するばかりで、

 責任を分担するっていうことを忘れてはいけない。


 実は僕、サッカーというのは成熟したスポーツで、

 これ以上劇的な変化はないと思っていたんです。

 例えば「攻撃は広く深く」って言うでしょ。

 そうだと思い込んでいました。

 でも、深くっていうのは、30m以上正確にボールが蹴れる

 選手、またはフォワードでボールをしっかり受け止める

 選手がいて成り立つ。

 日本の選手は25m以上のパスになったら精度ががくっと

 落ちます。だったら深くない方がいいんじゃないかと。

 そう考え出すと、いろいろな可能性がまだあります。

 日本人がいろいろなスポーツで世界で勝った時というのは、

 常にそうなんですよ。

 回転レシーブだったりウルトラCだったり、新しい発想から

 入っている。


 最初はみんな、本当に諦めていた。この十数年で今治大丸

 は清算され、今治デパートもなくなってしまった。

 でも今、ようやく、みんな、「あれっ、ひょっとしたら」と思い

 始めている感じですね。何で岡田が来たの。

 「ひょっとしたらこれは」と、役所関係も含めて、ようやくちょっと

 立ち上がりかけてくれたところかな。
 

  (PP.090-093)




FC今治オーナー 岡田 武史 氏


(『日経ビジネス』 2015.06.29 号 P.091)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.29






キーセンテンス


キーセンテンスは、

 大事になるのは何かといったら、 
 人と人との信頼や関連性など目に 
 見えない資本で経済が動いていく 
です。

経済合理性だけでは人は動かない、
と言っているのです。


感性マーケティングあるいは感情マーケティングの
考え方と共通する点です。


そうした定性分析だけでなく、SAPやデロイトなどの
外資を活用し、ビッグデータ解析による定量分析をし、
現場にフィードバックしていこう、と考えているのです。






ポイント1


岡田メソッド


「育成世代からトップまで同じサッカーをやる」
「武道で言う守破離ですよね。型を守って破って
離れていく」
「うちは育てて売るわけです」


こうした岡田さんの言葉から分かることは、
小資金の企業でもやり方や考え方次第で、
不可能が可能になるということを実証しようと
していることです。





ポイント2


夢やビジョンを語る


壮大な構想を実現可能にするためには、
トップが夢やビジョンを語ることが極めて重要です。


本田宗一郎氏が起業したホンダや、孫正義氏が
起業したソフトバンクが創業間もなく、
名もないちっぽけな会社であった時、
大言壮語で社員を鼓舞したという話は有名ですね。
当時の大半の社員は「何を言っているんだ!」
という気持ちが強かったでしょうが。





ポイント3


中期計画を策定


ただ夢やビジョンを語るだけではダメで、
いつまでにどんなことを実現するのか、
を明確にすることが大切です。


自分たちの「想い」や「志」だけでは実現しません。
スポンサーが長期にわたって支援してくれない
ことには、計画は頓挫します。
その結果、破綻するかもしれません。


岡田さんの構想では、8年後にスタジアムを建設し、
10年後には、FC今治をJ1で優勝争いができる
チームに育て上げ、さらに日本代表にFC今治から
5人以上を出すことです。


現時点では、ゴールははるか彼方にあり、
見ることはできませんが、イメージは出来上がり
つつあるでしょう。


一歩一歩着実に階段を上がっていって欲しい、
と思います。


そして、いつの日か、私がファンの横浜F・マリノス
と名勝負を見せて欲しい、と願っています。


これはサッカーに限った話ではなく、
他のスポーツや音楽活動などを媒介にして、
今治の地域経済を再生していかなければ、
夢のままで終わってしまいます。


今治の挑戦が成功すれば、地域経済再生
の新たなモデルとなり、全国的に拡大する
かもしれません。


2015年4月から四国リーグがスタートしています。
勝負も夢の実現も、今、始まったばかりです。





私見



岡田さんがサッカー日本代表監督として、
2010年W杯南アフリカ大会でベスト16に
導いたことは、あなたもご存じでしょう。


そうした実績を買い、Jリーグの複数のチームから
監督要請があったそうです。


ですが、岡田さんは断ったそうです。
「岡田メソッド」を導入することになれば、
現スタッフやコーチ、選手の大掛かりな入れ替えが
避けられません。


その点で、一からスタートできるFC今治なら、
10年というスパンで階段を上がっていけると
考えたことと、債務超過に陥っていた、
当時のFC今治のオーナーから要請を受けたことで、
岡田さんはFC今治のオーナー就任を決断しました。


大きなリスクは間違いなくある、と思います。
それでも、岡田さんは「岡田メソッド」を忠実に実行
していけば、日本のサッカーを変え、さらに世界を
驚かすことができる、と確信しています。


もちろん、これからの10年で、いろいろな課題が
発生することでしょう。


ですが、岡田さんは自分一人で解決しようとはせず、
それぞれの強みを生かし、責任分担して、総体として
強化していこうとしています。


それは、協働であり、共創でもあります。


岡田さんの夢とビジョンが実現するかどうかは、
確定していません。


しかし、私は可能性は十分にある、と考えています。
それはサッカーだけでなく、スポーツや音楽などを
通じて、辺境から盛り上がらせ、活性化させることが、
「草の根」活動を一過性のものにせず、根付かせ、
持続させる原動力となるからです。


外部から動かそうとしても、なかなか思うように
いきませんが、内部から沸き起こるエネルギーは、
強力かつ巨大であるからです。
マグマのようなものだからです。




マグマ

マグマの画像 Wikipedia から





岡田武史氏「日本人に合った型を作る」
FC今治新体制発表会


こちらをご覧ください。
『日経ビジネス』の編集長インタビューを補足する
内容の記事と動画があります。


8年後にスタジアムを作るというのは、・・・


育成のピラミッドが良くなって、・・・


2025年に日本代表選手を輩出したいということだが、・・・


岡田武史氏「メソッドを作ろうと決めた」
FC今治新体制発表会【動画】








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ソフト力で丸の内に魅力  2015.06.22






ソフト力で丸の内に魅力

杉山 博孝(すぎやま・ひろたか) 氏

[三菱地所社長]





 大手町と丸の内、有楽町に本社を置いている企業の

 売上高を合計すると、日本企業の総売上高の約10%

 になるはずです。集積している強さは確かにあると思い

 ます。

 しかし単にオフィスがある、ビルがあるだけではいけ

 ません。街ににぎわいを持たせるタウンマネジメントが

 必要です。それが街の強みになると思います。

 街というのはハードだけじゃなくて、ソフトがあって魅力的

 になるのです。その意味でソフトが非常に充実している

 ことは大きな強みです。


 人が楽しめる街や通りにするといった構想は舛添要一・

 東京都知事も表明されています。


 当社は東京駅前の新丸の内ビルディングで2007年の

 開業以来、ベンチャー企業の育成に取り組んできました。

 EGG JAPANというベンチャー育成のための場を用意し、

 外資系のベンチャー誘致にも力を入れています。


 外国人の方への生活の支援という意味では、英語の話せ

 るスタッフが常駐するクリニックも設けました。

 2012年秋に大手町にできた高層ビル、大手町フィナンシャル

 シティに進出してもらった聖路加国際病院のクリニックです。


 我々が考えているのは、東京がグローバルな都市間競争、

 特にアジアの都市との競争の中でどういう位置を占められ

 るかということ。今それが重要になっていると思っています。


 一時期は2016年から2017年頃にオフィスビルの大量供給が

 あると言われていましたが、工事費が上がったこともあり、

 計画が先送りされているケースもあるようです。

 2020年の東京オリンピックまで、それほど大きな供給がある

 わけではないですね。

 一方、需要の方は企業業績の改善でオフィスニーズが高まっ

 ているという感じがあります。

 我々の場合、丸の内に隣接する大手町では今、高層ビル

 建設を柱にした開発を進めていますが、強い引き合いを

 頂いています。

 当面はタイトな需給が続くと思います。


 我々は、投資資金が入るのであれば出し手は海外の投機家

 でも構わないという考え方はしません。

 むしろ重要視するのは、開発する街をどうマネジメントするか、

 どう魅力を高めるかという点です。

 そこが折り合わなければパートナーとなることはありません。


 ゼネコンさんは今まで厳しい環境下に置かれていた。

 足元で需給がタイトになっているわけですから、これまでの分

 を取り戻そうという気持ちがあるのでしょう。

 一方、我々は巨額の建設投資をつぎ込み、それによって頂く

 家賃を計算してプロジェクトが成り立つかどうかを考えています。

 当然、出せる工事費には限界があるわけです。

 三菱地所は設計会社も持っており、工事費がどの程度かかる

 のか、どうすれば下げられるのか、いろいろなノウハウがあり

 ます。それとゼネコンさんの考え方をすり合わせていくしかない

 のだと思います。


 シンガポールでアジア有数の不動産会社、キャピタランドと

 一緒に、当社としてはアジアで初めてのオフィスビル開発を

 進めてきました。

 約1270億円の事業費で当社のシェアは約10%。今年1月から

 テナントの入居が始まりました。

 他の東南アジア諸国連合(ASEAN)の国でも、バンコクや

 ジャカルタなどちゃんとした物件の選び方をすれば、

 十分面白いのかなと思っています。

 欧州でもパリで9階建てのオフィスビルを昨年末取得しました。

 ロンドンでは30年以上、ビジネスをやっていて7棟のビルを保有

 しています。

 米国も同様で、これらの国では我々はもうローカル企業だと

 思っているくらいです。


 現場とのコミュニケーションを大事にしています。

 でもただ言うだけではだめ。「実現するためにはどうすれば

 いいかを考えて提案しろ」と言っています。

 まだ具体化したものはありませんが、談論風発の場であり、

 教育の場として大事にしています。
 

  (PP.050-053)




三菱地所社長 杉山 博孝 氏

三菱地所社長 杉山 博孝 氏
(『日経ビジネス』 2015.06.22 号 P.051)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.22






キーセンテンス


キーセンテンスは、

 街というのはハードだけじゃなくて、
 ソフトがあって魅力的になる 

です。


建物はハードです。それをどう使うかはソフト力に左右されます。
街づくりを考える場合、職住近接を考慮する必要もあるでしょう。
オフィス街だけを作って、土日祝日は人通りがなく、ガラガラの
状態ではいただけません。生活の場でなくてはなりません。


『日経ビジネス』は、FILE.丸の内 「『脱・10%の街』へ改造に向け
10年の計」というタイトルで丸の内のスペシャルリポートを掲載して
います。


その記事の中に、50年前の丸の内と、現在の丸の内を比較した
写真が掲載されています。50年間で大きく変貌したことが分かり
ます。



丸の内仲通りも様変わりした

丸の内仲通りも様変わりした
(『日経ビジネス』 2015.06.22 号 PP.046-047)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.22








ポイント1


都市間のグローバル競争の中での位置付け


アジアの金融センターを考えますと、シンガポールに差を
付けられています。


日本がシンガポールを抜いて、アジアの金融センターに
なれるか、注目していきたいと思います。


外資系企業のオフィスが東京にどれだけあるかということ
も重要です。東京に魅力がなければ、企業は集まって
きません。当然、人もです。


東京の魅力的な都市(街)づくりが、大きなテーマです。





ポイント2


長期的視野に立って協力できるパートナー探し


米国の不動産投資ファンドは、不動産を取得した後、
十分な収益が得られると売却するというのが、
基本的なスタンスです。「ハゲタカ・ファンド」と揶揄
されましたが、彼らは全く意に介さなかったですね。
勝負に勝てばいい、という考え方が優先されたから
です。


一方、三菱地所などの日本のディベロッパーの多くは、
数十年という長期的な視野に立ち、収益を上げてゆく
ことを基本にしています。


どのような街づくりをしようと考えているか、いないか
の違いです。単なる金儲けだけではありません。
エコ・システムも考慮の対象です。


杉山さんは、「重要視するのは、開発する街をどう
マネジメントするか、どう魅力を高めるかという点です」
と述べています。





ポイント3


海外事業


国内のオフィス需要を見込んでのビル建設だけではなく、
海外の不動産を取得し、長期的にマネジメントしていく
ことも成長のために大切なことです。


不動産事業には莫大な金額がかかります。
短期間で回収しようとすれば、無理が生じます。
日本のディベロッパーは、米系企業のように、割り切って
金儲けすることに躊躇する気持ちが強いようです。


「厚顔無恥」という評価を受けることを潔しとしないからだ、
と考えています。





私見



2020年に開催される東京オリンピックは、
多数の訪日観光客を呼びこむ絶好の機会です。
あと5年のことです。


新・国立競技場建設計画が、当初の予定から
大きくズレました。建設費用が高騰したからです。
設計図面通りに建設することはできなくなりました。
とりわけ屋根の建設にコストがかかることが判明
したからです。


また、オリンピック開催期間中は真夏で、
炎天下で競技を行なうことに懸念も表明されました。
ですが、今さら日程の変更はできそうもありません
ので、予定通り実施しなくてはなりません。


競技を行なうトラック内などの温度を下げるシステム
開発が急がれるでしょう。そうした措置をとらないと、
好記録は望めません。


交通機関の利用しやすさや、案内図や標識などの
表示方法などオリンピック開催期間に限定した措置
ではなく、今後も訪日観光客を増やすための工夫が
必要です。路線図や地下街の案内図など、
私たちにも分かりにくい表示が多いですね。


セキュリティや危機管理の問題も大変重要です。
テロ対策は特に重点的に講じてもらいたいものです。


オフィスビルを含めた街づくりは、何も東京に限定
された課題ではありません。


大都市圏(東京、大阪、名古屋、横浜、札幌、福岡の
周辺地域)のどの地域でも、規模の違いはあるにせよ、
共通の課題と言えます。


近い将来、新幹線網が日本全国に拡大されます。
ますます物理的な距離が縮まります。
インターネットだけでなく、空と陸の交通機関の拡充に
よって、人々の移動する手段や、情報伝達手段が増え、
情報量が幾何級数的に増大していくことでしょう。


今後は、どこに住み、どこで働くかが、果たして重要な
意味を持つのか、を考えるべき時代がやって来ると、
私は考えています。


物理的な距離は、心理的な距離を反映していました。
遠く離れていると、気持ちも離れていくという現実が
ありました。


ですが、物理的な距離が一旦縮まれば、心理的な
距離も縮まるのでしょうか?


これはなんとも言えないと思います。
いつでも連絡できる、いつでも会えるということに
なれば、むしろ煩わしさが先に立つと考えられるから
です。束縛されることを嫌うのは普通の感覚でしょう。


人間の願望には際限がなく、ある一定の願望が満た
されると、さらにもっと多くを望むようになります。
不便や不快の解決策を提示するのが企業の重要な
役割の一つですが、不便や不快は尽きることがあり
ません。


それが進歩ではないか、と言われれば、「そうです」
と答えるしかありませんが、一旦立ち止まって、
じっくり考えてみることが大切だ、と思っています。






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我々だって安泰ではない  2015.06.15






我々だって安泰ではない

片野坂 真哉(かたのさか・しんや) 氏

[ANAホールディングス社長]



今週の「日経ビジネスのインタビュー」は、
変則的になります。


インタビューの内容を読んだだけでは、
ANAがなぜスカイマークのスポンサーに
躍り出たのか、投資ファンドのインテグラルと
共同スポンサーになったのか、
という経緯が分からないからです。


『日経ビジネス』は、今週号(2015.06.15)の
時事深層に、下記のタイトルで記事を掲載
しました。



「スカイマーク劇場」の舞台裏
ANAの執念、4つのヤマ場



そこで、この記事の内容をかいつまんで
ご紹介します。


そうすることで、少しは分かりやすくなる、
と考えたからです。


スカイマークが経営危機に陥り、再建のために
債権者とスポンサー、スポンサー間の仲裁役
が入り乱れ、再建案は二転三転しました。


「スカイマーク劇場」の登場人物(法人や個人)を
書き出してみます。

インテグラル(投資ファンド 佐山展生代表)

ANAホールディングス(片野坂真哉社長)

イントレピッド・アビエーション(米航空機リース会社、
 スカイマークの最大債権者)

エアバス(米航空機メーカー)

多比羅氏(スカイマークのフィナンシャル・アドバイザー
 を務めるGCAサヴィアンの監督委員)



1月28日、スカイマークは民事再生法を申請。

インテグラルとANAがスポンサーとなることを名乗り
出る。


スポンサー間の交渉が一時決裂する。
両者とも権利を主張し、譲らなかったため。


イントレピッドの幹部たちが佐山氏のもとに
訪れる。「ANAをスポンサーにレコメンドしたい」


イントレピッドがリースしているエアバス社の
A300の継続使用を求めることが目的だった。


一方、ANAはスカイマークの主力機のボーイング社
のB737の削減を求めると、スカイマーク側が猛反発
する。インテグラルは人員整理はしないと約束して
いたため。


ANAは4月8日、
「スカイマークが使用していたA330を7機引き取る
 意向表明書(LOI)を、イントレピッドと交わした」


「4月16日午後、スポンサー選定でスカイマークの
 フィナンシャル・アドバイザーを務めるGCAサヴィアン
 のオフィス。監督委員の多比羅がインテグラルと
 ANAに、出資比率などの妥協案を提示」


「出資比率はインテグラル側が50.1%、ANAと同社が
 指名する出資者が合計で49.9%。
 出資総額は180億円で、取締役は両陣営3人ずつ――。」


最終的に、インテグラル側は大幅譲歩する。
ANAは「株式譲渡制限に関する条項」にこだわり続け、
インテグラルに認めさせる。


ANAが「株式譲渡制限に関する条項」にこだわり続けた
理由は、株式がJALに渡ることを最も危惧したからである。


「ANAは、同社以外の航空会社に株式は譲渡できない
 という一文を株主間契約に入れ込み、JALの影を消し
 去った」



『日経ビジネス』は、この記事の最後で、次のように
書いています。


「スカイマーク劇場とは、JALを“仮想敵”として意識し
 続けたANAの物語と言っても過言ではない」


スカイマーク再建交渉は、これで終わったわけでは
ありません。スカイマークとエアバスとの直接交渉が、
まだ残っています。



***
「『スカイマーク劇場』の舞台裏
ANAの執念、4つのヤマ場」
『日経ビジネス』(2015.06.15 号 PP.010-013)
を藤巻隆がまとめる
***




スポンサー2社のトップが語る、<br />大口債権者との交渉の行方


スポンサー2社のトップが語る、
大口債権者との交渉の行方

(『日経ビジネス』 2015.06.15 号 PP.010-011)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15



インテグラルは大幅に譲歩した<br />・「多比羅裁定」で決まったインテグラルとANAの力関係


インテグラルは大幅に譲歩した
・「多比羅裁定」で決まったインテグラルとANAの力関係

(『日経ビジネス』 2015.06.15 号 P.012)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15



ギリギリまで攻防が続いた<br />・株主間契約で焦点となった内容と結論


ギリギリまで攻防が続いた
・株主間契約で焦点となった内容と結論

(『日経ビジネス』 2015.06.15 号 P.013)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15







我々だって安泰ではない

片野坂 真哉(かたのさか・しんや) 氏

[ANAホールディングス社長]


 最終的には“分度器”で計算したような数字に決まりました。

 出資総額をインテグラルの出資比率で割り返すと、

 (同社がスカイマークに出すとしていた90億円に)ぴったりに

 なるじゃないかと。これを(インテグラルが用意できる資金を

 前提に企業価値が算出されたのではないかと)面白おかしく

 報じるメディアもありました。

 ただ、せっかく笑顔で握手したわけですし、これはもう水に

 流すべき話です。出資総額は180億円ですが、これとは別に

 運転資金として100億円が用意されます。

 スカイマークの月商が40億~50億円ですから、約2カ月分に

 当たる額です。


 我々としてはスカイマークの再生に向けて精いっぱいお手伝い

 をするというスタンスでいます。今後の債権者集会に向けて、

 これからスカイマークがエアバスと交渉を進めていきます。


 機材の引き取り以上に大切な貢献は、安全面でのサポート

 です。それはインテグラルの佐山展生代表も認め始めている

 と思います。

 例えば今、スカイマークには雷に打たれて故障中の飛行機が

 あります。早く飛ばしたくても、整備会社は台湾企業で、

 しかも債権者になっているから、修理ができずにいる。

 我々は、こうした修理についても支援できます。


 4月にはスカイマークのオペレーション・デューデリジェンス

 (運航面の精査)のために、整備部門などのスタッフをスカイ

 マークに送りました。現場で交流が始まってみると、

 スカイマークには我々への静かな信頼感が生まれつつある

 と聞いています。

 こうした貢献が、一番重要ではないでしょうか。


 ただ、1つだけお伝えしたいことがあるとすれば、持続性が

 大事だということです。安い運賃を出して一時的にお客様を

 喜ばせたとしても、持続性がなければ結局は破綻し、

 競争が減ってその路線の運賃は余計に上がってしまいます。

 それは、利用者にとって不利益でしょう。そういう意味でも、

 持続性のある形で再生を遂げてもらいたいですね。


 現在、米メガキャリア3社の売上高はそれぞれ3兆円台です。

 欧州もメガキャリアは3社に淘汰され、売上高はおよそ2.3兆~

 4.2兆円。

 対して、アジアはまだ群雄割拠の状態です。

 我々の売上高が1.7兆円で、日本航空(JAL)が1.3兆円。

 アジアの大手、キャセイ・パシフィック航空やシンガポール航空

 も売上高は1兆円台です。

 今後は東南アジアの航空自由化をきっかけに統合や提携が

 進む気がします。


 私のキーワードは「新規路線」です。ANAもJALも同じところに

 飛んでは意味がないですから。先日も、成田~ブリュッセル路線

 を新規開設すると発表したばかりです。


 もちろん、すべて成功するわけはないし、撤退する路線もある

 でしょう。ただ仮にダメでも、「また別のところに飛べばいい」と

 思えるくらいの冒険心があっていいんじゃないかと思います。


 私たちの世代までは間違いなく、JALに追いつけ追い越せで

 やってきました。私はまだ全然追いついたと思っていませんが、

 国内線の収入や旅客数はもう我々の方が多い。

 国際線の収入も我々が上に行きました。けれどこれで安心して

 はいけない。これからの世代には、もっと挑戦していってもらい

 たいと痛切に感じています。


 欧米では、消える航空会社もあれば、新しい勢力も生まれている。

 日本の航空業界にもそういう世界がいつか訪れると思っています。

 だからこそ、気合を入れないといけない。

 我々だって、決して安泰ではありません。
 

  (PP.046-049)




ANAホールディングス社長 片野坂 真哉 氏

ANAホールディングス社長 片野坂 真哉 氏
(『日経ビジネス』 2015.06.15 号 P.047)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15






キーセンテンス


キーセンテンスは、

 我々だって、決して安泰ではありません。 
です。


トップが常に危機感を抱き、粛々と事業を遂行する一方で、
敢えてリスクにチャレンジすることをこれからの世代の
人たちに教えていくことの大切さも、忘れてはなりません。


その点で、片野坂さんは、
「これからの世代には、もっと挑戦していってもらい
 たいと痛切に感じています」
と述べています。






ポイント1


スカイマークの支援


スカイマークの支援は、決して善人ぶっているわけでは
ありません。


他社(JAL)に奪われたくないという強い気持ちがあった
からです。


インテグラルと衝突を繰り返してきた後、「水に流す」決断
をしたのも、ここで降りたら今までの交渉が無意味になる
と考えたからでしょう。いや、上手くいくと確信していたかも
しれません。





ポイント2


持続性が大事


サステナビリティ(持続可能性)は、現代のキーワードの一つ
ですが、スカイマークの再建に不可欠なことは、LCC(格安
航空会社)のような戦略を採用することではない、と片野坂
さんは考えています。


「安い運賃を出して一時的にお客様を喜ばせたとしても、

 持続性がなければ結局は破綻し、競争が減ってその

 路線の運賃は余計に上がってしまいます」





ポイント3


近い将来メガキャリアに肩を並べる


現在、世界のメガキャリアとは、売上高で大きく水をあけ
られています。その差を速く埋め、日本のみならず、
世界の航空会社に認められたい、ということです。


「今年、我々は2025年度までに売上高を現在の1.7兆円
 から2.5兆円にするという長期戦略を発表しました」
(P.049)


そのためには、片野坂さんがキーワードと話す「新規路線」
の就航が必須になります。






私見



スカイマークの再建が決まったわけではありません。
あくまでも「再建案」です。
最終的には、スカイマークがエアバスと交渉しなけれ
ばなりません。エアバスがOKしなければ再建は頓挫
します。


もっともエアバスも合意するでしょう。
このままではエアバスも、にっちもさっちもいかない
からです。


ANAもインテグラルも、スポンサーに過ぎません。
スカイマークとエアバスの交渉の成行きを注意深く
見守っていくことでしょう。


きっと上手くいくと思います。






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一貫生産に再度こだわる  2015.06.08






一貫生産に再度こだわる

上釜 健宏 (かみがま・たけひろ) 氏

[TDK社長]


 将来を見据えて工場を建てるなら、中国などよりも

 むしろ日本でやるべきだろうと考えています。

 私の信念は「ロケーションフリー」。

 どこで作っても同じ品質の製品が出来上がるという

 意味ですが、秋田はその中心になります。


 最近、「インダストリー4.0」という単語をよく聞くように

 なりました。ドイツが発祥の言葉で、4回目の産業革命

 を意味します。


 そこで私は「インダストリー4.5」を目指せと提唱して

 います。4.0に加える「0.5」は、TDK独自の品質に対する

 こだわりです。

 品質を重視した工場を造るなら、日本でやった方が目

 が届きやすい。


 安い賃金を求めて動くという感覚は、もう捨てるべき

 でしょうね。市場があるから進出するという戦略が重要

 になると考えています。


 私が社長になってから何度かリストラを実施しましたが、

 結果として全員が萎縮しちゃうんです。赤字部門を切る

 選択をすると、黒字の部門まで引っ張られてしまう。

 ならば、強い部門に「伸びろ、伸びろ」と言い続けた方が

 企業全体にとってメリットがある。

 磁石あるいは磁性製品はTDKの「DNA」です。

 赤字だからといって磁石を捨てたら、当社に何が残る

 のか。

 競合の電子部品メーカーにできないことを考えた結果、

 磁石は絶対にやめないという決断に至りました。

 5月の人事で取締役専務執行役員を磁性製品の専任に

 したのは、私の意志の表れです。


 TDKはもともと一貫生産が得意な会社でした。

 それが、カセットテープが爆発的に売れたことで、

 変な成功体験ができてしまった。

 材料から完成品まで自前で全部やらなくても、

 仕事が何となくできてしまう。

 かなり昔の話ですが、ある意味で「ミーハー」になっちゃっ

 たんですよ。

 自分の手を汚して試作して、足を使って顧客に届ける

 よりも、電話一本で外注業者に依頼する方が格好いい。

 カセットテープがヒットした頃から、社内でそういう雰囲気

 が出始めた。要は「手配師」が増えたんですね。


 自社の不得意な分野を外に任せるのではなく、

 人手が掛かりそうだから、あるいは面倒くさいからという

 理由で、外に業務を投げてしまう。

 そういったことを続けるうちに、業務が細分化されて部分

 最適が進行。社内で一貫してモノ作りをする能力が失われ

 ていった。


 もちろん反省はあります。就任直後は、社長が言っている

 んだから社員は理解していると思い込んでいたのです。

 でもそれは大きな間違いだと、2~3年前に気付きました。

 5年前の年頭所感では「スマートフォンの時代が来る」と

 言いましたし、大量生産からカスタム品へのシフトも強調

 してきました。

 ところが社員は「スマホって何」って感じで、なかなか付いて

 こない。私は裸の王様だったんです。


 TDKは今年、創業80周年を迎えます。100周年に向けて

 成長を加速するには、今から手を打たないと間に合いま

 せん。

 重要になるのが、創業者の精神や行動指針を末端の社員

 まで理解させること。だから私は、漫画家を雇って絵で伝えろ

 と言っているんです。文字だけだと誰も読みませんからね。


 今後、スマホはあらゆるものの「鍵」となります。

 クルマのロックを解除したり、エンジンを起動したりする

 のもスマホ次第。家のドアも、スマホで開閉するように

 なるでしょう。加えてスマホには、持ち主のあらゆる情報が

 格納されるようになる。健康関連の情報はスマホに蓄積され、

 医者にもそうした情報が伝達されます。

 そんな世界が到来したとき、スマホが壊れたらどうなるか。

 人の生き死にに関わる問題を引き起こしかねない。

 だからこそ、電子部品の品質をもう一度問い直す必要があり

 ます。そのためには、自前でやらないと問題点を把握でき

 ません。


 磁性といえばTDKと、世界中で評価されるような会社を目指す

 のが、私の考えです。

 磁石は、技術を持っているからといって必ずもうかるような

 事業ではありません。材料から地道にこつこつ続ける必要も

 ある。

 外部から後ろ指を指されないためには、営業利益率やROE

 (自己資本利益率)で2桁を達成するのが大事になるでしょう。

 世の中から、磁気は決して無くならない。物理の原理原則に

 照らしても明らかです。TDKはやっぱり、ここを大事にして

 いきたいと考えています。
 

  (PP.076-079)




TDK社長 上釜 健宏 氏

TDK社長 上釜 健宏 氏
(『日経ビジネス』 2015.06.08 号 P.077)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.08









キーセンテンスは、

 「磁性といえばTDKと、世界中で評価されるような 
 会社を目指すのが、私の考えです」 
です。

自社の強みはどこなのか? 他社と差別化する技術は何か?
中核となる事業(コア・ビジネス)をしっかり定義することが、
とても重要だ、と考えています。


上釜さんは、好調な現在だからこそ、積極投資し、原点回帰
するタイミング、と述べています。


コスト削減のため、人件費の安い海外生産を行なう企業が
多くありました。ですが、新興国も年々人件費が上昇し、
コスト削減が難しくなってきました。


だからこそ、「ロケーションフリー」という言葉が出てくるのです。


国内であれば目が届きやすく、品質管理がきちんとできる、
と考えているからです。






ポイント1


磁石あるいは磁性製品はTDKの「DNA」


カセットテープ全盛時、TDKテープをよく購入したものです。
安心感があったからです。


TDKのもとの名称は、東京電気化学工業です。
SONYが東京通信工業であったのと同様に、世界を目指す
企業となるには、文字の少ないアルファベット表記が適切
と考えたのは、至極自然な流れです。


磁石あるいは磁性製品は、TDKの遺伝子として引き継がれ
てきたものですから、これを捨てるわけにはいきません。


自らの強みを強化していかなくてはなりません。





ポイント2


変な成功体験


「成功の復讐」という言葉があります。
成功するとあぐらをかき、同じ手法をとり続け、しっぺ返しを
食らうということです。


「大企業病」とか「茹でガエル現象」などと同じことですね。
マンネリ化してきてしまうのです。


つい楽な方を選択してしまうのです。地道にコツコツと行なう
ことを軽視してしまうのですね。





ポイント3


部分最適


業務を細分化することで、全体が見えにくくなってしまうのです。
自部署だけのことを考えればよい、という流れになってしまい
ます。


組織横断的な「クロスファンクショナルチーム」の運用が有効で
あることが指摘されます。縦割りの弊害を取り除くために、
組織を強制的に横串にして、全体最適を目指します。
決して簡単なことではありませんが。


今までしてこなかったのですから、直ぐに結果が出るはずは
ありません。ですが、明確な指針を打ち出し、この方向で前進
していくのだ、というメッセージを発信し、末端の社員まで浸透
させることが大切です。


ただし、組織が大きくなればなるほど、困難になってきます。
だからこそ、大企業でも小組織にして迅速に動けるようにし、
単位あたりの売上高や利益を算出し、きちんと管理しています。


京セラの創業者、稲盛和夫さんが「アメーバ経営」を考えだした
のも、それが原点です。




TDKの業績の推移を見てみましょう。



TDK(株)【6762】 Yahoo!ファイナンス から



有利子負債を除き、全ての項目が前期の業績を上回っています。
売上高、営業利益、経常利益、当期利益が大幅に増加しています
ので、EPS(一株当たり利益)が3倍になりました。






私見



上釜さんは、
「営業利益率やROE(自己資本利益率)で2桁を

達成するのが大事になるでしょう」
と述べています。


営業利益率は6.69%で、ROEは7.20%(いずれも
2015年3月期)になっています。
あとわずかのところまで来ています。


おそらく2桁を近いうちに達成するでしょう。



飯田展久編集長は、傍白で「なかなか正直な人です」、
と上釜さんを評していますが、たしかにそうですね。


「もちろん反省はあります。就任直後は、社長が言って

 いるんだから社員は理解していると思い込んでいた

 のです。でもそれは大きな間違いだと、2~3年前に

 気付きました。


 私は裸の王様だったんです」


創業家出身ではないにもかかわらず、上場企業の
社長として9年務めています。


そこで、飯田編集長が、
「これまで手を打ってなかったのですか」
という、結構辛辣な質問をしました。


その質問に対する回答が上記のものだったのです。


目下、業績好調という高材料はあるにせよ、
過去は過去として真摯に受け止める姿勢は、
立派だと思います。


スマホの基幹部品は日本メーカーが製造しています。
TDKや村田製作所、ソニーなどの部品がなければ、
スマホを製品化できません。


アップルもサムスンも完成品を販売し利益を上げて
いますが、黒子に徹している日本メーカーがあるから
こそ成り立つ構図です。


ところで、今週の特集で、産業ロボットメーカーの
「ファナック」が取り上げられています。


この特集記事を読んで初めて知ったことですが、
「中国などの工場では、『ロボドリル』と呼ばれる

ファナックの機械がスマホの筐体を大量に削って

いる」 (『日経ビジネス』 2015.06.08 号 P.033)
ということです。


日本の技術は、凄いですし、驚きましたし、素晴らしい
(SOS、箱田忠昭さんの言葉)ですね!






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描くは「2040年」の東京  2015.06.01






描くは「2040年」の東京

舛添 要一 (ますぞえ・よういち) 氏

[東京都知事]


 今は「この国に行きたい」というより、「世界の

 この都市に行ってみたい」という時代ですから、

 世界の都市同士が競争しています。

 参考になるのが森記念財団(東京都港区)の

 シンクタンクである都市戦略研究所がまとめる

 「世界の都市総合力ランキング」です。

 2014年版では首位はロンドン、以下ニューヨーク、

 パリと続き、東京は7年連続となる4位です。

 けれども、5位のシンガポール、6位のソウルに

 差を縮められています。

 交通・アクセスや市場の魅力への評価が伸び

 悩んでいるためです。


 2020年のオリンピック・パラリンピックの成功の

 ためには、やはり地震発生に備え、防災にも

 気をつけないといけない。

 幅広い分野で東京の評価を高め、「世界一」を

 目指そうというのが大きな狙いです。


 過去20年もデフレによる経済の低迷が続く間に、

 アジアの金融センターの座はシンガポールに

 取って代わられてしまいました。

 まずはこのマネーの面を何とかしたい。


 海外から資金や人材を呼び込むには、

 「東京に多くのビジネスチャンスがある」と思って

 もらえることが条件です。

 外国の銀行や証券会社は金もうけができないと

 入ってきません。


 都は、都の信用力を生かして資金を呼び込もうと、

 官民連携の「再生可能エネルギーファンド」を創設し、

 今年度内には高齢者施設や子育て支援施設の

 整備資金を供給する官民連携の「福祉貢献インフラ

 ファンド」も設立します。


 今度はさらに、公金の運用先に外銀を加える運用

 改革に乗り出すことにしました。


 もう一つは、東京を創薬を中心としたライフサイエンス

 分野のメッカにしたいと考えています。

 創薬関連ビジネスは高い付加価値を生みます。

 日本橋地区には製薬大手が拠点を構えており、

 ここに世界中の創薬の研究者など産官学が集い、

 ビジネスにつなげていけるように環境を後押しして

 いきます。


 あとは、都内で水素社会の実現を目指したいですね。

 都も都内での燃料電池車の普及や水素ステーション

 の設置を支援していきますし、中央区晴海に整備する

 五輪の選手村を五輪のプラスの遺産として水素タウン

 にしたい。

 今回の東京五輪をきっかけとした目玉は水素社会の

 実現だと考えています。


 東京がニューヨークやシンガポールなどほかの大都市

 と比べた時の最大のマイナス点は英語力です。

 東京にいながら海外生活や異文化に触れることが

 できる「英語村(仮称)」を開設し、児童や生徒に生きた

 英語や文化の教育の機会を提供したりしますが、

 これは息の長い取り組みになります。


 東京五輪は日本、東京にとって絶好の機会ですが、

 これを生かすことに失敗したら日本の再生などあり

 得ないと思っています。

 これを機に、何とかリカバリーショットを打ちたいという

 のが今の状況ですね。


 五輪はあくまで通過点であり、一里塚にすぎません。

 10年後、20年後、そして30年後の東京というものを

 見据え、様々な計画や政策を打ち出していく必要が

 あります。

 昨年12月には今後10年間の都政の工程表となる

 「長期ビジョン」を策定しました。


 その中では2020年の五輪の成功に向けた多くの取り

 組みや、少子高齢・人口減少社会の到来など東京が

 直面する幅広い課題に対処するための具体的な数値

 目標などを示しています。

 そのうえで、今度は長期ビジョンのさらにその先である

 2040年代をにらんだグランドデザインの検討に着手する

 ことにしました。

 交通体系の整備や都市づくりは相当、長期的な時間軸

 で取り組む必要があるからです。


 街というものは、いったん整備しても30年もすれば古く

 なるもの。東京都心の各地域がそれぞれの特性に応じて

 多様な都市機能を持つ拠点を作っていけば、東京全体

 の競争力を高めていくことにつながるはずです。

 常に躍動的な街づくりをするためのグランドデザインを

 描きたいと考えています。


 都内で今、大規模な再開発をうまくやっている地域は、

 官民がうまく協力しているという共通項があります。

 例えば虎ノ門には森ビルがあり、東京駅周辺は三菱地所、

 三井不動産が、渋谷には東急グループがある。

 様々な交渉や地道な作業も含め、開発する能力は

 デベロッパーしかないのです。

 役人の頭だけでやっては駄目です。

 こうした民の知恵や能力を存分に活用し、支障となる規制

 などがあれば特区など様々な手段を活用して都が後押し

 する。

 都市づくりにはこうした官民の協力体制が欠かせません。


 地方の活性化と大都市の発展は二律背反の関係ではなく、

 プラスサムゲームにしないといけません。

 一つのカギは交通体系など国全体の国土計画です。

 
 航空路線も含め、交通体系を重視した国土政策なしに

 地方創生などあり得ないと思っています。


 大阪都構想の賛否を巡る住民投票が反対多数となり

 ましたが、大阪は行政組織の改革に集中するより

 「金もうけが先だろう」と言いたいですね。

 東京は金もうけになることをこれからも、どんどんやって

 いきますよ。
 

  (PP.064-067)




東京都知事 舛添 要一 氏

東京都知事 舛添 要一 氏
(『日経ビジネス』 2015.06.01 号 P.065)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01









キーセンテンスは、

 「五輪はあくまで通過点であり、
 一里塚にすぎません」 
です。

五輪が終わったら、世界中の人たちの日本へ
の関心が薄れるようなことがあってはなりま
せん。


立て続けに施策を打っていく必要があります。
そのテーマを舛添都知事が示しました。
どれもが長期的に取り組むべき課題です。


と同時に、並大抵なことでは解決できない課題
ばかりです。






ポイント1


東京を世界一の都市に

舛添都知事は、次のように述べています。

「幅広い分野で東京の評価を高め、

 『世界一』を目指そうというのが

 大きな狙いです」。


ロンドン、ニューヨーク、パリが上位にあり、
シンガポールとソウルに追い上げられている
のが現状です。


目標は高く掲げたほうが良いですが、相当の
困難が伴うことでしょう。





ポイント2


海外からマネーを呼びこむ

「日本をアジアの金融センターに」という悲願を
達成するには、「金もうけができる国」に変貌
させなければなりません。 口で言うほどに
簡単なことではありません。 国内の金融機関
が犠牲を払う局面も出てくると思います。
それでもやりぬく覚悟があるのか、が問われます。





ポイント3


水素社会の実現

トヨタ自動車は、水素を燃料にした燃料電池車を
開発しています。 国内ではトヨタ自動車だけです
から、現状のままでは、同業他社は指を咥えて
眺めているだけという状況になります。


ただし、トヨタ自動車は1社だけで開発するのでは
なく、すべての特許を公開し、どこでも利用できる
ようにしました。 この措置によって、国内の自動車
メーカーのみならず、海外の自動車メーカーも開発
できる道が開かれました。


もちろん、その背景にはトヨタ自動車1社で大きな
リスクを負いたくないという考えがあるはずです。





ポイント4


英語力の底上げ

「英語力」をどの基準に置くかによって施策は
異なってきます。


日常会話程度なのか、それとも通訳ができる
レベルを想定するかによって、全く異なる施策
が必要です。


と同時に、日本人が自国の文化、歴史、伝統、
社会制度などを十分に理解しておく必要があり
ます。 私を含め、日本人は日本のことをどこ
まで理解しているか、どれだけの知識があるか、
今一度、振り返ってみることが大切です。


海外からの訪日旅行者の中には、日本について
よく勉強してきて、日本の事情に詳しく、いろいろ
な質問をしてくるかもしれません。


それらの質問にきちんと回答できるかどうかで、
日本人の真の「英語力」が問われることになります。


「英語力」と言っても、英語に関することだけでは
ありません。 英語「を」学ぶのではなく、英語「で」
学ぶとはこのことです。


Study English. ではなく、 Study something in English.
です。 英語(外国語)は目的ではなく、あくまで手段
だからです。





ポイント5


2040年代をにらんだグランドデザインの検討

大切なことは、現時点の延長線上には
未来のカタチは存在しないことです。


今までになかった技術や制度、法律が
生まれ、それらの枠組みの中でどう
取り組むかが、重要な課題になってくる、
と考えています。





ポイント6


官民の協力体制

役人は、「ハコモノ行政」と揶揄されるように、
立派な器だけ作って、中身が貧弱な建物や
制度を作ることが多いですね。


もう1つは、損益意識が乏しいことです。
予算が不足すれば補填してもらえばいい
という、安易な考え方がずっと継承されて
きました。


この意識改革の実現は、一朝一夕に
できるものではありません。


自治体が中心になって始めた事業が、
赤字ばかりというのも頷けます。





ポイント7


地方の活性化と大都市の発展をプラスサム
ゲームに


すべてを足すとゼロになるという、ゼロサム
ゲームが、しばしばビジネス書に取り上げ
られます。


舛添都知事は、

「地方の活性化と大都市の発展は二律背反

 の関係ではなく、プラスサムゲームにしない

 といけません。

 一つのカギは交通体系など国全体の国土

 計画です」

と述べています。


これを実現するためには、地方は大都市の
真似をしていてはいけません。 その地方
ならではの特徴を全面に出すことが必須条件
です。


日本全国どこへ行っても、大都市と変わらない
風景ではプラスサムゲームにはならず、
ゼロサムゲームに陥るだけです。 


最悪の場合には、マイナスサムゲームになって
しまうかもしれません。




私見


舛添都知事が何期都知事を務めるか分かり
ませんが、明白なことは、今回のインタビュー
で提示した課題の解決が、舛添都知事の
在任中に完了することはない、ということです。
何代にもわたる都知事の継続した実行力が
不可欠です。


2040年代というのは、今から25年以上先
の話です。 あらゆる局面でそこまで見通す
ことが可能なのか。


恐らく、現時点の延長線上には未来のカタチ
は存在していないと思います。 新たな技術や
枠組みが生み出され、良きにつけ悪しきにつけ、
予測と乖離することは十分に考えられることです。


それでも、今から20年後、30年後の「日本や
東京の姿」を描くことは、決して無駄なことでは
ありません。






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私は、『本当に役に立つビジネス書』というメインサイトのほか、『こんなランキング知りたくないですか?』や『新・大前研一名言集(改)』などのブログを運営しています。

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