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現場主義でブランド再生  2015.07.27






現場主義でブランド再生

魚谷 雅彦(うおたに・まさひこ) 氏

[資生堂社長]





 僕が社員に一番強調したのは、何のために資生堂

 が存在するのかを皆で考えようということです。

 お客様視点とか、現場基点とか、言うのは簡単ですが、

 それをどう実践するか。

 単に化粧品を提供するだけじゃなく、究極的に言うと、

 お客様がきれいになって幸せになってもらうことだと。

 そのために我々の商品やサービスを使ってもらう。

 それは、業態や販路が変わっても普遍的なものです。


 銀座の資生堂ビルでメーキャップ法などをお教えする

 サービスがあります。僕も妻に1回行ってみたらと

 言ったんです。

 そしたら先日、妻から「今日は何時に帰るの」とメール

 が来たんですよ。

 最初は何かと思ったんですが、そうか今日行ったのか、

 と。

 その日は急いで帰ったら、妻の目がぱちっとしている

 わけです、やっぱり。何か常識が変わるような化粧法

 をプロの人に教わったらしい。僕もそこは勇気を出して

 言いましたよ、「きれいじゃん」と(笑)。


 経営層には役割と責任がもちろんあるんですが、

 やっぱり現場感覚を経営者自身が持つこと。

 その行動を見ている社員に、自分たちはもっと頑張らな

 きゃと思ってもらうことが大事です。

 経営陣も社員もお互い刺激し合わなきゃいけないと思う

 んです。


 研究員が持てる知識や意欲で世の中にないものを作っ

 てみようと、こういう感じがだいぶ出てきたと実感して

 います。

 これをもっと発展させるため、横浜に新しい研究所として

 「グローバルイノベーションセンター」をつくることを決め

 ました。


 マーケティングや革新のための投資がこの数年間細って

 いたのも事実で、ここは量をしっかり投じていく。

 向こう3年間、広告宣伝、プロモーション、ネット系も含め

 累計でマーケティング費用を1000億円以上増やします。


 僕はよく言うんです。新たな設備投資に100億円を使うと

 なったら、会社の中でものすごく議論を重ねますよね。

 一方、広告に毎年100億円使っている会社はいっぱい

 ある。だったら、経営層がマーケティングにもっとちゃんと

 関わるべきと考えます。

 あとはお客様があってこそ。お客様が商品を買ってくれる

 ことで、原材料費や広告宣伝費、そして社員や株主に分配

 するお金になる。こうしたサイクルがきちんと回っているから

 こそ会社が継続的に成り立ちます。そこに研究開発や生産、

 営業がすべて集中する。

 そういう感覚を強く持てるかどうかです。


 資生堂の今日があるのは、長い歴史の中でチェーンストア

 制度という圧倒的な成功体験があるおかげです。

 ただし、最近ではドラッグストアやeコマース(電子商取引)

 など販路が多様化して、化粧品専門店の販売構成比が

 下がってきているのは事実です。

 でも、そうした厳しい状況の中でも、若い経営者が経営学や

 マーケティングを勉強して、生き残りを模索する専門店もある。

 消費者の購買行動がますます多様となる中で、化粧品も自分

 自身に合うものとか、自分の価値観に合うものが求められる

 ようになっています。そうしたニーズに応えていく上で、専門店

 の存在は重要です。
 

  (PP.068-071)




資生堂社長 魚谷 雅彦 氏

資生堂社長 魚谷 雅彦 氏
(『日経ビジネス』 2015.07.27 号 P.069)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.27






資生堂は国内では圧倒的な強さを見せるが、
海外での存在感が薄いと言われたことがあります。


ですが、今では海外でも高く評価されるようになって
きました。


日本では肌の美しさを強調する化粧品が評価され
ますが、海外では目の周辺に印象的なイメージを
与えることがポイントになるようです。


その点が、日本の化粧品メーカーが海外でなかなか
認められなかった理由のようです。


私は化粧品については詳しくありませんので、
これ以上のコメントはできません(苦笑)。





キーセンテンス


キーセンテンスは、

 やっぱり現場感覚を経営者自身が持つこと 
です。


経営者はとかく現場から遠い存在になりがちです。


部下からの情報を得て、現場が分かったつもりに
なっているケースがよくあります。


階層が多ければ多いほど、情報がスクリーニングされ、
1次情報と大きく食い違うケースが出てきます。


経営者が現場に足を運び、1次情報を掴んでおけば、
スクリーニングされた情報との違いに気づくはずです。






私見



化粧品に限らないかもしれませんが、マーケティングと
広告に力を入れることは不可欠なことでしょう。


また、口コミは効果絶大で、ヘビーユーザーに、プラスの
情報を流してもらえれば、企業が行うマーケティングや
広告戦略との相乗効果が見込めるでしょう。


今後、資生堂は日本のブランドだけでなく、世界のブランド
にするための戦略が実行されていくことでしょう。


いずれ、資生堂が日本ではなく、世界のブランドと認知
される時代がやってくる、と推測しています。







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次の次まで読む 6割の勝算で十分  2015.07.20






次の次まで読む 6割の勝算で十分

古森 重隆(こもり・しげたか) 氏

[富士フイルムホールディングス代表取締役会長兼CEO]





 写真フィルムという「コア中のコア」が急激に

 失われていく状況で、会社のトランスフォー

 メーション(転換)を考えました。

 目標は2兆円から3兆円の売り上げで、

 営業利益率は10%。

 技術的にはリーディングカンパニーとなり、

 高品質の製品を出し続けることでした。


 ようやく、5000億円のM&A(合併・買収)を

 やりつつ、3年間で株主に2000億円超を

 還元できる状況になってきた。

 新たに進出して、まだ成果が十分に出て

 いない分野も確かにあります。

 だけど種はまいたし、時間があれば芽を出す

 はずです。

 医薬などは2018年から2020年にかけて花開く

 でしょうね。そうすると、私が意図した会社の

 転換は一区切りがつくのかな。


 イチかバチかなんてことをやったら経営者は

 終わりですよ。それは「ばくち打ち」と同じ。

 少なくとも6割ぐらいは勝算がないと。

 6割あれば、あとはやり方次第で何とかなる。

 空振りにはならない。


 再生医療というのは、究極で最後の医療です。

 iPS細胞から心臓を作り出し、悪い心臓と取り

 換えられるわけですから。

 今のようにドナーを待ったり、生体拒絶反応を

 心配したりする必要はなくなります。

 我々はiPS細胞の培養に不可欠な「足場材」に

 強く、今回、(iPS細胞の製造を手掛ける)CDIを

 得ました。これは非常に大きいですよ。

 ビジネスにスピード感が出てきます。


 iPS細胞というのは工業製品なんです。

 性質や性能にばらつきがないことが大事になる。

 非常に良質なiPS細胞を作れれば、創薬支援に

 応用できます。この点でCDIは先進的な技術と

 特許を持っていました。


 日本の学者が発明しても、工業化で米国に先を

 越される。そんな例を繰り返してはならない。


 2018年ぐらいに医薬品が収益に寄与するように

 なれば、相当大きな柱になります。(エーザイの

 アルツハイマー型認知症治療薬)アリセプトが

 特許切れを迎える前、年間に数千億円の売り

 上げがありました。(富士フイルムが準備している)

 アルツハイマーの治療薬は適用範囲がもっと広い

 から、会社のフェーズが変わるぐらいの売り上げと

 収益性が見込めます。


 医薬品というのは大変なんです。

 たまにホームランが出るけど、その間がなかなか

 耐えきれない。特に中小メーカーにとって厳しい。

 だけど、富士フイルムの場合は、ホームランが

 出るまで他の事業で支えられる。

 これは、有利に働くと思いますよ。


 (社長に就任して)1年半ぐらいは、富士フイルムの

 ポテンシャルは何で、どんな分野なら適用できるか

 という「読み」の作業を徹底的にやりました。

 それで、医薬や化粧品に参入しました。


 候補者の年齢を考えて、次の次ぐらいまで組み

 合わせを読まないといけないでしょうね。

 経営者にとって、若さは必ずしもプラスには働かない

 から。


 経営者の力だけでは転換はできません。

 笛を吹いても、付いてくる社員が踊らなかったら意味

 がない。踊らない社員を動かすのも経営者の仕事で、

 相当なパワーが必要なのも事実だけれど。

 強い相手にチャレンジする企業文化も大きかった。

 富士フイルムは米イーストマン・コダックに正攻法で挑み、

 それをねじ伏せてきた。

 そういうDNAがあるから、転換できたんだろうね。
 

  (PP.042-045)




富士フイルムホールディングス<br />代表取締役会長兼CEO 古森 重隆 氏

富士フイルムホールディングス
代表取締役会長兼CEO 古森 重隆 氏
(『日経ビジネス』 2015.07.20 号 P.043)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.20






今回のインタビューは、今週号(2015.07.20)の特集、
「次はiPS 富士フイルム 古森重隆、本業を培養する」
のPART.4に組まれています。


富士フイルムは危機をバネにして変革してきました。
銀塩フィルムで世界一になったと思ったら、
デジカメが登場し、あっという間に取って代わりました。


富士フイルムは、長年培ってきた独自技術を活かし
異業種に参入してきました。


化粧品や医療の分野です。
一見すると関連性がなさそうに見えますが、
富士フイルムの基礎技術とコア技術を応用すれば、
可能になったのです。


下図をご覧ください。
これだけの基礎技術とコア技術を保有しています。
iPS細胞への取り組みも「奇異」ではありません。
富士フイルムなら納得できると思わせます。

富士フイルムの技術力

富士フイルムの技術力







キーセンテンス


キーセンテンスは、

 少なくとも6割ぐらいは勝算がないと 
です。


10割の勝算を待っていたら遅すぎ、かと言って
「イチかバチかなんてことをやったら経営者は
 終わりですよ」ということになります。


経営者に不可欠な能力は、「読む力」「決断する
勇気」そして「リーダーシップ」が後継者に必要な
能力だ、と古森さんは述べています(P.045)。


これらは古森さん自身の能力と言い換えて差し
支えないでしょう。






私見



富士フイルムはただでは起きない、したたかで
柔軟な組織体だと思います。


「経営者の力だけでは転換はできません。
 
 笛を吹いても、付いてくる社員が踊らなかっ
 
 たら意味がない。踊らない社員を動かすのも

 経営者の仕事で、相当なパワーが必要なの

 も事実だけれど」

と古森さんは語っていますが、経営者に先の3つ
の能力がなければ、変革はできません。


変革できているのは、経営者にその資質がある
からに他なりません。







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1兆円達成で挑む次の10年  2015.07.13






1兆円達成で挑む次の10年

平野 信行(ひらの・のぶゆき) 氏

[三菱UFJフィナンシャル・グループ代表執行役社長]





 2005年に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が

 発足して今年でちょうど10年を迎えるわけですが、

 私どもが積み重ねてきた努力が一定の成果を上げた

 と言うことはできます。しかし、今なおできていないところ、

 あるいは挑戦しなくてはいけないところがむしろ明確に

 なりました。次の10年をどう考えようかということから

 見つめ直し、このほど中期経営計画を1年かけてまとめた

 ところです。


 シニア世代を中心に個人金融資産は1700兆円規模あると

 言われていますが、これを次の世代に継承していくという

 動きが強まるのは間違いありません。「運用」と「継承」に

 大きな流れができるでしょう。


 大企業と中堅・中小企業の金融サービスを別々に捉える

 のではなく、両者をつなぐ役割が果たせるのもメガの強み

 ですね。


 注目している分野の一つが、金融とEコマース(電子商取引)

 の境界領域です。金融機関がEコマースをどう扱うのか、

 この分野に参入する自由度は欲しいなと思っています。

 具体的には決済のビジネスを「B to B プラスC」に広げて、

 企業間取引と消費者をつなげる新しいサービスが提供でき

 ないかと考えています。


 Eコマースの運営企業は決済や取引履歴を得ることができ

 ます。これを基に私どもがテナント企業に運転資金を提供

 するなどして、信用力を下支えできないだろうかと考えて

 います。これは必ずしも銀行が手掛けなくてもいい。

 例えば、グループ傘下の三菱UFJニコスはクレジットカード

 会社でありながら、ペイメント(代金決済)サービスの機能も

 持っていますから。


 私どもは国内にしっかりと軸足を置いて、そのうえでさらなる

 成長の機会を海外に求めていきます。これは次の10年も揺る

 がない。

 なぜかというと、これは2008年秋のリーマンショックの時に痛い

 ほど経験したことですが、国内に比べて海外の事業基盤が

 過大になった金融機関が経済環境の悪化に対していかに脆弱

 なことか。端的にはスイスの金融機関がそうですし、オランダ、

 英国など枚挙にいとまがありません。

 でも私たちは違う。米中に次ぐ世界3位かもしれないけど、

 日本という極めて大きな経済圏を持っている。


 規模を追うよりも市場、お客様ごとにきめ細かく対応することが

 海外戦略のコアです。


 まずシャープが様々な課題を抱えていることは間違いありません。

 私どもは2013年、金融支援だけでなく人材も送り込み、

 一緒に経営改革に取り組んできたという思いです。


 私どもも反省するところは多くあります。だからこそ、シャープが

 持続的な発展をできるように改めて支援していこうというわけです。


 今回は同じ過ちを繰り返してはいけないわけですから、

 私どもも思い切ったサポートを行うし、シャープにも思い切った改革

 をやってもらう。先だって発表された事業計画では詳細が明らかに

 なっていないところや課題がいくつもある。

 だから不退転の覚悟で迅速に意思決定し、具体的な施策を実行に

 移してもらう。それを一緒になってフォローしていきたいと思います。


 どちらかと言えば三菱グループが従来、率先して株式をお互いに

 持ち合ってきたのは事実でしょう。でも三菱グループでも経営の課題

 は率直に申し上げる。先方は銀行のそのやり方は悪いんじゃないか

 と率直に言われます。その関係はどの企業とも同じです。
 

  (PP.082-085)




三菱UFJフィナンシャル・グループ代表執行役社長 平野 信行 氏

三菱UFJフィナンシャル・グループ代表執行役社長 平野 信行 氏
(『日経ビジネス』 2015.07.13 号 P.083)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






タイトルの中の「1兆円達成」とは、「前記決算で最終的
なもうけを示す連結純利益が邦銀で初めて1兆円を超え」
(P.082)たことを指しています。


金融機関のトップとして、平野さんは一歩踏み込んだ
意見を述べています。


「私どもは2013年、金融支援だけでなく人材も送り込み、

 一緒に経営改革に取り組んできたという思いです。


 私どもも反省するところは多くあります。だからこそ、

 シャープが持続的な発展をできるように改めて支援して

 いこうというわけです」



シャープは現在、相当厳しい状況にあります。
以前、『日経ビジネス』は「シャープの解体は免れない」
という主旨で記事を掲載したことがあります。



 「一体全体、誰が事業を見るんだ」

 方志(教和専務)と中山(藤一専務)を取締役から

 外す人事に、各工場から悲鳴が上がった。

 液晶パネルや電子部品の技術に明るい方志と、

 複写機事業に精通した中山は現場の人望も厚く

 「自力再建」を引っ張るけん引車だった。


 髙橋(興三社長)が何を言おうと、銀行には逆らえ

 ない立場に今のシャープは置かれている。

 方志、中山が姿を消した今、「解体」の流れを止め

 られる人間は、社内に残っていないだろう。

 もちろん、今すぐ「解体」というわけではない。

 事業売却には買い手が必要だし、撤退する場合も

 顧客に迷惑はかけられない。
 

  (『日経ビジネス』 2015.05.25 号 
  「それでもシャープは解体される」 P.020)


三菱UFJフィナンシャル・グループは、シャープを支援し
続けることができるのか、という点が一番の注目点です。





キーセンテンス


キーセンテンスは、

 注目している分野の一つが、金融とEコマース 
 (電子商取引)の境界領域 
です。


このキーセンテンスに続いて、平野さんは次のように
述べています。


「Eコマースの運営企業は決済や取引履歴を得る

 ことができます。これを基に私どもがテナント企業

 に運転資金を提供するなどして、信用力を下支え

 できないだろうかと考えています」


つまり、三菱UFJフィナンシャル・グループは、
Eコマースの運営企業(アマゾンや楽天など)と、
テナント企業の間に入り、テナント企業に資金面の
サポートをしていきたいという意向の表明です。


それは、テナント企業にとって「金融機関の信頼性が
強みにな」(P.084)るからです。






私見



下の表をご覧ください。
世界のトップ1000銀行ランキングのベスト10の
顔ぶれです。


三菱UFJフィナンシャル・グループは10位に
ランクインしています。


ですが、徐々にランクが下がってきています。
一方、中国系銀行は4行がベスト10にランクイン
していて、しかも大きくランクアップしていること
がわかります。


The Top 1000 Banks in the World 2014

The Top 1000 Banks in the World 2014

The Top 1000 Banks in the World 2014
Financial Services Club Blog by Chris Skinner から



三菱UFJフィナンシャル・グループには、
何とかベスト10位内に踏み止まってほしい
と思います。


グローバルバンクとして、国内、海外で
プレゼンス(存在感)をさらに高めてもらい
たいものです。







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安心している暇はない  2015.07.06






安心している暇はない

中西 宏明(なかにし・ひろあき) 氏

[日立製作所会長兼CEO(最高経営責任者)]





 現状の課題を乗り越えて、さらに大きな成長を

 続けるには、やはり発想を変えないとだめです。

 危機のときは何とかリカバリーしようと、

 みんな火事場のばか力が出る。

 「攻め4割、守り6割」と川村さんが言っていたが、

 実態はみんな攻めも含めて相当、頑張ったわけ

 です。

 それが、過去最高益とか褒められるようになって

 くると安心して、いつの間にか半分守りになって

 しまう。

 今は「攻め7割、守り3割」で行け、と言っている

 のに、みんな褒められて安心して、3割ぐらいしか

 攻めてないんじゃないか。こういうマインドセットを

 どうやって乗り越えられるか。

 そんな課題が今期見通しの数値に出ています

 よね。


 ある国、ある地域、ある事業領域というふうに

 限れば、確かにHITACHIのプレゼンスは世界で

 かなり高くなりました。これを周辺へどれだけ広げ

 られるようになるかというのがこれからの勝負

 どころだと思います。


 事業のトップが誰かというのは非常に重要だと

 思いますね。鉄道事業は外国人をグローバル

 CEOにしたことで、過去にとらわれず、いろいろな

 ことにスピード感を持ってチャレンジしています。

 その効果は経営の数字にも反映され始めていて、

 受注は好調過ぎて、生産能力が足りないくらい。

 ここに2月に買収を発表したアンサルドSTSの信号

 システムが加わると、鉄道関連の事業範囲が急速

 に広がります。


 マーケティングから販売、開発や生産、アフターサー

 ビスまで、フルバリューチェーンが海外で丸ごと必要

 になるでしょう。

 そうなると日本人が海外にのこのこ出かけてオペレー

 ションを全部やろうとするのは無理。

 経営幹部はほとんど外国人の現地人材になり、

 立ち上げ時は日本人が経営トップにいたとしても、

 いずれは現地人材をリーダー格に引き上げる必要性

 が出てきます。


 ドメ(米州総代表に就任したジョン・ドメ氏)がCEOを

 務めている日立データシステムズ(HDS)は、

 彼のリーダーシップで社員のやる気と規律を高めて

 きた実績がある。

 「働きやすい会社」だという賞をもらうぐらい、

 外部からも評価される会社になった。単に処遇や報酬

 だけでなく、社員の目標設定の仕方、意思決定の透明

 性などの改善を彼が率先してやった結果です。


 HDSほどうまくいっているところばかりではないですが、

 事業範囲は幅広く、海外に権限を与え、人事評価制度

 もグローバルで統一して改革している事実は、

 外国人にも魅力だと思います。


 もっと露骨に言うと、今までの日立のやり方では、

 優秀な外国人は絶対に来ないから、これを変えたら

 効果が出てきた。

 「小さく産んで大きく育てる」なんて真っ赤なウソで、

 それでは夢も希望もない。腕に覚えがあり、

 野心のある人材も来ない。

 もっと大胆に、これまで事業部ごとに作ってきた

 小さな海外販売会社を、各地域で全部統合して

 大きくしちゃった方がいいのかなと思っています。


 守り7割のままだと、世界で勝てません。

 しかし、「それじゃだめだ」と言って、パっと直るもの

 でもないから難しい。ただ、それも現実なので、

 社内コミュニケーションには結構、パワーを使って

 います。これは永遠の課題でしょうね。


 事業ポートフォリオについては、毎日のように頭の

 中でいろいろ考えていて、これはもう終わりがない

 ですよね。市場やニーズは変化しますから。

 そのためにも、まずは利益率を上げなきゃいけ

 ない。

 グローバルの競合が利益率10%以上ですから。

 そこに到達しないと、様々な事業再編の選択肢を

 考えたとき、キャッシュの動員力がネックになって

 しまう。

 競合が今やれる決断を、今の我々の懐具合では

 できない現実がある。


 日本の会社ではありますから、日本人でないと分か

 らない部分はいっぱい出てくるでしょう。

 それは外国人には、ちょっとハンディになってしまう

 かもしれない。

 シーメンスはグローバル企業ですが、やはりドイツの

 会社という一面が残っています。GEでさえ、まだ米国

 の会社です。

 
 社会イノベーション事業を世界展開する今の路線には、

 自信があります。

 「社会イノベーション事業は、コングロマリットのデメ

 リットを覆い隠し、そのメリットを前面に出す仕掛けに

 すぎない」という皮肉な指摘も承知している。

 とはいえ、それが社会に受け入れられるのなら、

 自信を持って「それでいいじゃないか」と言いたい。
 

  (PP.046-049)




日立製作所会長兼CEO(最高経営責任者) 中西 宏明 氏

日立製作所会長兼CEO(最高経営責任者) 中西 宏明 氏
(『日経ビジネス』 2015.07.06 号 P.047)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06






日立製作所は一昔前まで、
「技術力はあるが、デザインがダサい」
と言われたことは事実です。


ですが、最近の高速鉄道車輌のデザインを
見ると、まったくダサいと感じません。


「クールジャパン」を象徴するようなクールな
デザインが目を引きます。



イギリスGWML・クラス800

イギリスGWML・クラス800

高速鉄道車両 Wikipedia の画像から




『日経ビジネス』最新号(2015.07.06 号)の特集は、
「外弁慶 HITACHI 世界から壊す成長の壁」
です。


この特集の最後に、中西宏明会長兼CEO(最高
経営責任者)のインタビューが組まれていました。


好業績に驕ることなく、謙虚に、率直に意見を述べ
ています。


このような精神が継承されていけば、日立製作所は
いつまでも「外弁慶企業」と揶揄され続けることなく、
日本国内でも強みを発揮していくことでしょう。


謙虚で、率直に述べる態度は、確固たる自信の
裏付けがあるからだ、と思います。





キーセンテンス


キーセンテンスは、

 「小さく産んで大きく育てる」なんて真っ赤なウソで、 
 それでは夢も希望もない 
です。


「小さく産んで大きく育てる」という言葉が流行した
時期がありました。


私もこうした考え方はリスクを最小限にしたうえで、
果実を手にすることができる、と長い間考えて
きました。


ですが、中西さんはグローバルな視点に経つと、
「夢も希望もない」ということになるそうです。


外国人、特に米国人は貪欲で、成果を上げ、
地位と多額の報酬を得て、自分の価値を高め、
更に上を目指して転職しようとします。


外国人の立場に立てば、大きな権限委譲がされる
企業に魅力があり、集まってくるのは当然のことと
なります。


日立製作所を外国人に魅力ある企業にするという
ことは、グローバルに事業を展開し、推進していく
ためには必要不可欠な条件になります。






ポイント1


攻め7割、守り3割


「攻撃は最大の防御なり」とは言い古されている
ようですが、やはり欠かせないことです。


守りに入ってしまうと、受け身になり、
自ら仕掛けることができなくなります。
現状打破ができなくなります。
それは後退を意味します。


積極果敢に行動することは、グローバルの世界で
戦うための条件の一つです。


「判断、決断、断行」のスピードが重要だからです。





ポイント2


利益率を上げてキャッシュリッチ


日本のメーカーの利益率は全般に低いことは、
以前にも『日経ビジネス』で取り上げられました。


グローバルな世界で戦い、認められるには、
利益率が二桁以上あることが求められます。


と同時に、キャッシュリッチでないと、
魅力的な企業が見つかり、M&A(合併・買収)
したいと考えた時、実行できないことになります。


潤沢なキャッシュがあれば、M&Aに素早く行動
に移せます。





ポイント3


社会イノベーション事業


日立製作所にとって「社会イノベーション事業」
とは何を示すのか、私も最初は、ハッキリと掴む
ことができませんでした。


そこで、具体的にどのようなものなのか、
調べてみました。


『日経ビジネス』(2015.07.06 号)の特集に、
次のような記述がありました。



 ストレージ技術はセンサー技術と並んで、

 スマートシティーやスマートグリッド、

 ヘルスケアなど日立が言う社会イノベーション

 事業を進める上で不可欠な要素。
 

  (P.037)


つまり、ストレージ技術やセンサー技術を
コア技術と位置付け、磨き上げることに、
日立製作所は自信を深めているということ
です。


この点について、「日経ビジネスの特集記事」
で詳しく取り上げますので、ぜひご覧ください。





私見



日立製作所は総合電機メーカーとして、
博士号を持つ研究者が多いことで知られています。


残念ながら、私が調べた範囲では、博士号を持つ
研究者数が掲載されたサイトを見つけることが
できませんでした。


そこで、代わりに研究者数をご紹介します。


日本の3大総合電機メーカー、日立製作所、東芝、
三菱電機で、研究者数を公表(2014年3月現在)
しているのは、日立製作所だけです。



研究開発費と研究者数

研究開発費と研究者数





3社比較は次のとおりです。

日立製作所、東芝、三菱電機の比較

日立製作所、東芝、三菱電機の比較





日立製作所は売上高、純利益とも他社を
圧倒しています。
総合電機メーカーの中で、日立製作所の
強さは随一です。


今後は、世界の巨人たちとの熾烈な競争に
打ち勝っていかないといけません。


日本を代表する企業であり続けるために。







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管理人の藤巻隆(ふじまき・たかし)です。

私は、『本当に役に立つビジネス書』というメインサイトのほか、『こんなランキング知りたくないですか?』や『新・大前研一名言集(改)』などのブログを運営しています。

日経ビジネスのインタビュー』という同じタイトルの携帯やスマホのサイトがありますが(PCでも閲覧可能です)、新たにFC2ブログ版を追加しました。

より多くの方にご覧いただきたい、と考えたからです。

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