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究極の個店しか生き残れない 2014.03.24

究極の個店しか生き残れない

柳井 正(やない・ただし)氏

[ファーストリテイリング会長兼社長]


 役員は圧倒的に外国人が多くなっていると

 思います。各国、各地域の経営層もローカルの

 人が増えているはずだし、店舗では、スタッフ

 は もちろん店長のローカル化も進んでいる。


 日本人が海外で働く場合もローカル化してもらう。


 今から、かつて新卒でユニクロに入社した執行

 役員の数が増えていくと思います。その水準まで

 近づいている人はたくさんいるので、海外に出

 して経験を積んでもらう。


 日本にある本部を、本当のグローバル本部に

 しないといけないと思っています。


 できるだけ早く3分の1を外国人にしたい。

 今ようやく10分の1くらいですね。


 特に米国の東海岸と西海岸で勝つということが

 大事だと思います。アジアと米国とは環太平洋で

 一体化しつつありますよね。だから西海岸で勝つ

 ことはアジアに跳ね返ってくる。一方で、欧州の

 文化は東海岸です。

 特にニューヨークなど東海岸の大都市は欧州の

 文化と密接に結び付いているので。


 ただ、基本的な考え方は全く変えませんよ。

 変えたら負けると思うので。目線を変えたらもう

 その途端に終わり。世界で、甘い企業で成功して

 いる企業は一社もないですから。特に労働集約的

 な産業で甘い企業で成功している企業は一社も

 ないと思う。


 3月11日に実施する「FRコンベンション」で

 初めて社員に伝える予定ですが(インタビューは

 同イベントの前、2月27日に実施された)、

 まず一つには、パートタイマー、アルバイトの人

 をほとんどを地域社員化しようと思います。


 こうした地域社員(R社員)が店舗運営の主役に

 なるでしょう。各人が店長代理の機能を果たして

 もらう。それと、地域に限定せず全国どこでも転勤

 して働けます、という社員(N社員)。そして

 グローバルにチャレンジする社員(G社員)。

 社員をこの3つに分けようと思っています。


 海外のそれぞれの国の経営がローカル化していく

 ように、日本は日本で地域に根ざしたR社員や

 N社員によってもっとローカル化していく。

 徹底して高い水準でやっていけば、結果として

 グローバルにも通用する。というよりも、

 そういう地域密着のローカルの店、究極の個店

 しかグローバル競争で生き残れない。そういう

 ことだと気付いたんですよ。今年の我々のスロ

 ーガンである「グローバル・イズ・ローカル、
 
 ローカル・イズ・グローバル」というのは

 そういうことです。


 僕は1人ずつの人を説得したら変えられると

 思ったんです。でも人はやっぱり自分の過去とか

 自分の経験とか自分の能力とかいったことで

 変えられない人もいる。でも変えられない人を

 否定してもしょうがないなということなんです。


 『経営は何をすべきか』という本があって、

 これから生き残るために必要になるのは

 「一人ひとりが主役になる経営」というような

 ことが書いてある。




柳井さんの発言で注目すべきキーワードは、
「ローカル化」と「R社員」そして「個店」の3つです。


ユニクロが以前からの経営方針を180度転換した、と言っても
おかしくないほどの衝撃を受けました。


社員をコストと考え、正社員を減らし、パートやアルバイト、
契約社員という非正規社員を雇うことで、人件費を売上高に
連動しない固定費から売上高に連動する変動費へ変えることを
当然と考える、経営者が増えてきました。


柳井さんは、この流れと真逆のことを行うと宣言したのです。
以前までの「店長が主役」という考え方から「スタッフ一人
ひとりが主役」という考え方に変更する経営を目指すことに
なったのです。


考えてみますと、顧客の価値観が多様化し、ユニクロブランド
のあるA商品は好きで購入するが、B商品は好きでないから
購入しない、また時には高級ブランドも買いたい、という人は
いくらでもいます。


顧客が「個客」になっている現在、スタッフも含めた社員は
「個員」、店は「個店」と、一人ひとりの価値観を認め、個性
的な店作りをしていかない、と生き残れなくなってきたのです。


『個客ジャーナリズム』(谷口 正和 ダイヤモンド社 1995年
2月刊)という本を15年以上前に読みました。


その当時から、一部のマーケターは、大衆という固まりとしての
顧客ではなく、一人ひとり異なる個別客と認識し「個客」に焦点
を当てて、マーケティングすべきだ、と語っていました。


そのことに気付いていた経営者は少なかったように思います。


「個人として自立した「個客」を徹底取材せよ。個客からの情報
を収集、編集し、すばやく提案する。「個客ジャーナリスト」
になれば、事業は成功へと導かれる」(上掲書の紹介から)


この本の考え方を、ふと思い出しました。


尚、今週(2014.03.24号)の日経ビジネスの特集記事の
一つは、『ユニクロ大転換』です。


この特集記事の概要を掲載しますので、合わせて
ご覧ください。





記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




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