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M&Aはギブ&テーク 2015.05.25






M&Aはギブ&テーク

森 雅彦 (もり・まさひこ) 氏

[DMG森精機社長]


 相手のことをよく知りもしないのに、売上高の3~4倍もの

 金額を支払って買収するなんて、絶対にうまくいくはずが

 ありません。統合プロセスをどう進めていくかについては、

 私と(DMGのCEO=最高経営責任者=を務める)カピッツァ氏

 で決めました。統合というと、とかく資本に目が行きがち

 ですが、極端なことを言えば金を借りさえできればいつでも

 できる。

 それよりむしろ、CRM(顧客情報管理)のシステム統合や

 新製品の共同開発といった実務を先行させた方がいい。

 早期に統合効果を得られるからです。

 我々は現時点ですでに、CRMなど販売面で9割、

 共同開発で8割、人事で7割の統合作業を終えています。

 他の部分でもだいたい5割は終わっていますね。

 2020年までにこれら全ての領域で統合を完了させる計画

 です。


 基本的にはDMGの手法を採用しました。


 DMGのやり方を優先させるのには、いくつかの理由があり

 ます。

 まず、経営者の視点から見れば、手法の違いはそれほど

 重大なことではありません。現場は「違う」と思っているかも

 しれないけれど、経営者目線で見たら95%が「一緒」です。

 図面の表記だってそう。どちらの表記方法を使ったところで、

 工作機械は作れる。だったら、そこで「日本が正しい」と主張

 するのはばかげています。

 単に両者のやり方を比べた時、DMGの方が優れているから

 採用したケースもあります。

 設計者が使用するCAD(コンピューターによる設計)ソフト

 ウエアなんかはそうです。


 世界の顧客が使用しているのは、日本製のCADではなく

 欧州製か米国製です。DMGはそのグローバルスタンダード

 に近かったので、DMGのCADに森精機が合わせることに

 しました。

 こちらがDMGに合わせることで、DMGの社員たちに感謝

 されることも理由の一つ。感謝されれば森精機の社員たちも

 うれしいでしょう。手法を相手に合わせたところで死ぬわけ

 じゃないし、自分たちのプライドをちょっと捨てればいいだけ

 ですから。


 (「今や、世界トップの工作機械メーカーとなりました。

 トップであることの意義はどこにあるのでしょうか」という飯田

 展久編集長の質問に対して)

 3つあります。1つ目は、サステイナブル(持続可能)な会社に

 なるために、規模は必要不可欠であることです。


 持続する会社になるために、なぜ規模が必要かというと、

 経営を任せられる次世代の幹部候補を育てやすいからです。

 より競争の激しい環境の中で社員を育てるには、

 少なくとも1万人くらいの規模は必要です。


 2つ目は、マーケティング。規模のメリットはここでも生きて

 きます。

 DMGと統合した後は売上高が4000億円を超えますから、

 その2%として80億円をマーケティングに使える。

 100億円の会社なら2億円しか使えないところを80億円です

 から、それだけ規模の大きなマーケティング活動を展開できる

 わけです。


 最後は、実はこれが最も重要なんですが、知恵の集積です。

 我々は現在、月に約1000台の機械をお客様に納品して

 います。

 一方、多くの競争相手は50台くらい。我々は、月に1000の

 現場での最新事例を勉強できるのです。


 競争相手の場合、せいぜい日本と中国の事例しか学べない

 でしょう。でも(DMGと統合した)我々の場合、日本や中国は

 もちろん、欧州全域、米国の最新事例までも知ることができ

 ます。この差は大きい。

 ここでいう知恵とは、部品の材料、加工方法、使用している

 工具やソフトだけではありません。世界中に散らばる我々の

 サービス担当者がお客様の元に行くので、工場で働くワーカー

 の質やホストぶり(顧客の迎え入れ方)までも学ぶことができ

 ます。


 今回の件についていえば、もともとDMGの方から声を掛けて

 くれました。私も「交際相手」を探していたところ、向こうの方

 から「一緒になろうよ」と言ってくれたのです。それはいい。

 ぜひ進めようという話になりました。


 殺し合いまではしないのが流儀でもあります。

 ギブ・アンド・テークといいますか。

 その意味でも私は、DMGとの統合で、まずはギブすることを

 心がけてきました。


 謙虚であり続けることも大切です。日本がモノ作り大国である

 のは事実。工作機械の需要も、日本は中国、米国の次に

 大きいですから。

 だからといって「全てにおいて日本が優れている」と思うのは

 間違っています。日本は自動車や光学機器、金型なんかに

 ついてはかなり優れたモノ作り力を持っています。

 でも、航空機やエネルギー、医療の分野では、米国や欧州の

 方が先を行っている。

 だからこそ我々は、世界に工作機械を売って、そこから謙虚に

 学ばないといけないと考えています。

 それが産業全体のためにもなると思うのです。
 

  (PP.068-071)




DMG森精機社長 森 雅彦 氏

DMG森精機社長 森 雅彦 氏
(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.069)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25








キーセンテンスは、

 謙虚に学ぶ 
です。


森社長は、

 「日本は自動車や光学機器、金型なんかについては

  かなり優れたモノ作り力を持っています。

  でも、航空機やエネルギー、医療の分野では、

  米国や欧州の方が先を行っている。

  だからこそ我々は、世界に工作機械を売って、

  そこから謙虚に学ばないといけないと考えています。

  それが産業全体のためにもなると思うのです」

と語っています。


驕りは身を滅ぼします。



森社長のインタビュー記事の直前で、
「企業研究
 DMG森精機 独企業と“ゆっくり婚”」
という記事が掲載されています。


その中から一部をご紹介しましょう。
森社長のインタビュー内容の補足説明とご理解ください。


ポイント1

あえて「双頭体制」を採用する



 双頭体制とは、トップはもちろん、開発やマーケティング、

 財務などの役員ポストに、双方から人材を出し続けること。


 両者の経営陣が対等の精神でまず信頼関係を深めた上で、

 互いの長所、短所を慎重に見定め、相互補完できる関係の

 構築へと結びつけることだ。


 森精機とDMGは2013年8月、双方から役員を5人ずつ出し、

 共同の経営母体「ジョイントコミッティー」を設けた。

 重要な経営判断は、すべてここでの話し合いで決める。

 コミッティーの会長に、DMGのルーディガー・カピッツァCEO

 (最高経営責任者)、コミッティーのCEOに、森精機の森社長

 が就いた。

 まず取り組んだのが、トップ2人が敵対することなく、

 互いを信頼し合える関係を築くことだ。

 

  (PP.064-065)



ポイント2

金をかけてでも対面交流


 第2のポイントは、社員同士がひざ詰めで互いを理解

 できる機会を金を惜しまずに作ることだ。

 DMG森精機では、同じ事業に携わる社員たちがトコトン

 話し合う「合宿」を定期的に実施している。

 3000万円以上の費用をかけ、日本から約100人の社員

 を送り込んだ。

 その象徴的なイベントが2014年7月に開かれた。

 両社の社員が協力し、1つの会社として進むべき方向を

 決める1泊2日の合宿だ。ホストはドイツのフロンテン工場。

 森精機は工作機械を設計する技術者約100人を送り出した。

 飛行機代だけでも3000万~4000万円とばかにならないが

 「投資額以上の効果があった」(高山専務)。
 

  (P.065)



ポイント3


資本より業務統合を優先する


 第3のポイントは、提携当初からM&Aを前提にしながらも、

 事業の統合を資本関係より優先させたことだ。

 「相手のことをよく知りもしないのに売上高の3~4倍も

 払って買収するなんてうまくいくはずがない」という

 森社長の信念が背景にある。


 効率化だけではない。成長戦略のためにも、

 互いは欠かせないパートナーだ。

 「新しい技術が生み出す市場で主導権を握る」という、

 共通の目的がある。
 

  (P.066)



「盛る」新技術にDMGのノウハウを生かせる<br />・DMG森精機が開発した新型レーザー加工機

「盛る」新技術にDMGのノウハウを生かせる
・DMG森精機が開発した新型レーザー加工機
(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.067)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25





私見

DMG森精機は、独企業との合併をする際に、
米国流の「スピード優先」を採用しませんでした。


相手のことをよく知らず合併し、合併後、
「こんなはずではなかった」ということが発覚し、
経営統合や合併を解消する、失敗例が多く
あったからです。


やはり「相互信頼関係」と「同じ志」が重要である
ことが分かります。


さらに言えば、日本のモノづくりは確かに優れたもの
ではありますが、どちらかと言えば、より小さなものを
つくる技術に長けていますが、大きなモノをつくる技術
は欧米に一歩譲ります。


新型レーザー加工機の画像を掲載しましたが、
これは3Dプリンター同様に、「盛る」加工機です。
小さな部品に「盛る」ことによって大きな部品に加工
する機械です。「小 → 大」です。


日本は逆です。大きな材料を「削って」加工します。
「大 → 小」です。発想の原点が全く違いますね。


この点だけを考えても、物事の捉え方には複数
あることが理解できます。まして、このケースでは
真逆です。


重要なことは、一方が常に正しいとは言えないこと
です。グローバルスタンダード(世界標準)は、
デファクトスタンダード(事実上の標準)でもあるの
ですから。


ドメスティックスタンダード(国内標準)を海外に
押し付けたら拒絶されます。デファクトスタンダード
でないなら無理です。


ジャパニーズスタンダード(日本標準)を、
グローバルスタンダードにするという発想の転換が
必要な場面に、しばしば直面することになるでしょう。


森社長がDMGが使っていたCADを合併後も採用
し続けるのは、グローバルスタンダードだったから、
と考えれば至極当然のことです。






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